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2009年06月24日

なるほど番長 匠魂

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今回、お迎えした匠は、裁判傍聴の匠
長嶺 超輝さん

長嶺さんは30万部を超えるベストセラーとなった
『裁判官の爆笑お言葉集』の著者、
最近では裁判員時代の法律がいど『罪と罰の辞典』も話題になっています。
2回目のご出演となりますが、今日はスタートして1ヶ月、
裁判員制度のいまと新たな問題点などを伺います。


●裁判員制度がスタートして、この時期、いまはどんなことが行われているの?

日程が決まれば各地裁は、初公判の6週間前までに、裁判員候補者に「呼出状」を
送ったり、公判前整理手続きを行ったりしています。
  
呼び出される候補者はひとつの事件について50~100人。
この中から、裁判官の質問などを経て、6人が選任されます。
 

●いま出た言葉、公判前整理手続きという言葉をよく聞きますが、どんなことをするの?


裁判員制度の導入をにらみ、刑事裁判の充実・迅速化を図るため、
平成17年11月の改正刑事訴訟法施行で導入されました。
裁判官、検察官、弁護人が初公判前に非公開で協議し、証拠や争点を
絞り込んで審理計画を立てる。

集めている証拠、証人などの選択をします。

●実際に裁判が始まるのは?


「裁判の準備作業」に2カ月ほどかかるとして、7月下旬ごろに、
日本のどこかの裁判所で、初の裁判員裁判が始まるはずです。
なお、東京地裁では、8月3日から、初めての裁判員裁判が
始まることが決定。
また埼玉は、初公判を8月10日とする審理日程が正式に決まった。


●選ばれた人の当日の動きは?

選ばれた人全員が当日の午前中、裁判所に集まります。そこで6人と2~3人の
予備の方が選ばれ、午後から裁判に参加します。
選ばれなかった他の方は、その場で解散となります。

●実際にはじまって、予想されるトラブルは?

<選任手続き>
★選任手続きを勝手に休んだら、罰として、
10万円以下の過料(※前科にはならない)となるが、それは裏を返せば
「10万円払ったら休める」という意味にもなる。 
もし、そういう解釈をする一般の方がいたとき、司法当局はどう説得的に対処するか?

<公開の公判廷>
★ふつうの人は、長時間にわたってメモをしながら話を聞くことに
慣れていない。 
裁判員の集中力をキープするため、しっかり休憩をはさむべき。

★「被疑者」「被告人」「被害者」など、ややこしい法律用語で混乱し、
大事なところを聞き逃してしまう可能性があります。


<判決後>
★もし、控訴審(高等裁判所)・上告審(最高裁判所)で結論が
ひっくり返ったら、「私たちは、なんのために仕事を休んで裁判に
参加したのか? われわれの努力や時間を無駄にする気か?」と、
裁判員経験者の不満が爆発する可能性。
       
★裁判員経験者が、被告人やその親しい人物から報復される可能性も
ゼロではない。
オウム真理教の松本サリン事件(1994年)も、司法判断者を
ターゲットにして裁判官宿舎を狙ったものだから。


長嶺さんが書かれた最新刊『ズレまくり!正しすぎる法律用語』(阪急コミュニケーションズ)が発売中です。
一般常識をくすぐる、新感覚の法律コラム(エッセイ)集で裁判官に選ばれても
怖くない…という内容の本です。


投稿者 たまなび : 2009年06月24日 17:29

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