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2010年06月16日

空港の達人

今回、お迎えしたのは空港の達人、
秋元俊二さん

秋本さんは航空ジャーナリスト。学生時代に航空工学を専攻後、
数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。
世界の空を旅しながらレポートやエッセイを発表。
著書に『みんなか知りたい空港の疑問50』
『みんなが知りたい旅客機の疑問50』などがあります。

●これまで回った事がある世界の空港の数はどれくらいですか?


よく聞かれますが、数えたことがありません。国の数としては、ざっと50カ国。
また同じ国でもいくつかの都市へ飛んだりしますので、空港の数としては、
その4〜5倍になるかも知れません。よく「もう行ったことのない国はないでしょう?」と言われますが、航空ジャーナリストとしては、日本に就航している、
つまり日本の都市から直接行けるエアラインの路線の取材などが中心に
なりますので、同じ国に毎年何度も出かけるというケースも少なくありません。
その結果、まだまだ行ったことのない国もいろいろあります。


●世界の空港で面白い空港は?


生ビールを造っているドイツの空港
ドイツのミュンヘン空港では作りたてのビールがいただけます。
エアロブロイというお店が空港内にあるのですが、実は個々の生ビール、
愛知のセントレア空港でも飲むことが出来ます(毎年4月下旬から期間限定)。
セントレアとしまい空港ということで本場の生ビールが味わえます。

トランジットが楽しい空港
シンガポールのチャンギ空港は、世界一トランジットが楽しめる空港かも。
なんと空港内に映画館、プール、カラオケボックス、仮眠用ホテル、
フィットネスクラブ、フードコートなどがあって乗り継ぎの余った時間を
好きに楽しめるのです。

また、ここでは乗り継ぎの待ち時間に無料で2時間ほどの市内ツアーにも
連れて行ってくれます。


他、オランダのスキポール空港などはターミナル内でカジノや美術館があります。
どの空港も世界の「ハブ空港」になろうと、努力しています。
つまり、世界中の都市と都市をすべてダイレクトにつなぐというのは
不可能なので、自分の空港で乗り継いで旅行をしてもらえるよう、
乗り継ぎ客にとっていかに快適な空港であるかがテーマになっています。

●最近の日本の空港の変化は?


一番のポイントは、飛行機に乗る用事がない人でも足を運びたくなるような、
楽しいスポットにすることでしょう。滑走路を飛び立っていくシーンを
背景にカフェでデートしたり、ショッピングを目的に空港を訪れたり。
海外で成功している空港の多くは、非航空部門の収益が多くを占めています。
日本では、以前は飛行機に乗り慣れた人ほど
「空港には出発時間のぎりぎりに入る」と自慢していたのですが、
これは裏を返せば、早く着いてもやることがないから。
最近は、できるだけ早く空港に着いて、出発まで思い思いに
楽しくすごしたいという人が増えてきました。

 


●今後の予定は…?

サイエンス・アイ新書シリーズの新しい1冊として
『ボーイング777機長まるごと体験』という新しい本が出ました。
成田からパリまでの路線をモデルに、エアラインの機長が朝自宅を出て
空港に到着し、スタッフと打ち合わせ、出発準備を整えて、コクピットに
入って離陸・上昇し、巡航飛行をへてパリの空港に着陸するまでを
ドキュメントとして追い、エアライン機長が実際にどんな仕事をしているのか
を誰にでもわかるようにやさしく書いています。
この本が、6月15日に発売されました。

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投稿者 たまなび : 2010年06月16日 17:27

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