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2010年09月29日

パンの達人

今回、お迎えしたのはパンの達人、
大和田聡子(としこ)さん

大和田さんは、30歳を過ぎてから独学でパンを焼き始め、いま目黒の洗足で、
週末だけしかも売り切れ次第閉店という話題のパン屋さん
「ワルン・ロティ」を開いています。


●パン屋さんをはじめようと思われたきっかけは?


子育て中の主婦だった8年前、自宅を改装してパン屋「ワルン・ロティ」を
開業。きっかけは、小麦の育種家だった父親が品種改良したパン用小麦が、
大量生産に向く他品種に押され、「風前のともしび」になっていると
知ったことでした。


岩手では使っているパン屋がありましたが、東京では、誰もパンに
焼いていなかったのです。
それでは、私がパンにしようと思い立ちました。しばらくは、生産量は
横ばいのようでしたが、手に入らないわけではありませでした、

それが、だんだん、減産され、大量生産に向くという新品種に押されて、
開店して6年目の2008年、「コユキコムギ」はとうとう生産しません、と
その時買っていた製粉会社に言われてしまいました。
即座に岩手に出向き、栽培してくれる農家さんを岩手・平泉にみつけ、
現在、契約栽培をしていてだいて、おなじ「コユキコムギ」で
パン屋をつづけています。

●お父さんが作られたコユキコムギとは、どんなムギなのですか? 

「コユキコムギ」というコムギで、1988年に岩手県の奨励品種と
認定されました。
父はその10年まえに、交配から品種をつくり
(父「ユキチャボ」母「ハナガサコムギ」)ました。小麦の品種を
ひとつつくるのには、(なんでもそうだとおもいますが)10年くらい
縦断的研究を重ねて、品種の安定を図るのです。
父が、「コユキコムギ」に求めたのは、色が白く、タンパクが高い、
品種でした。

●パン作りでいちばん大変なことは?


私の工房は3.5坪。家庭でお母さんが焼くパンの延長線上のパンです。
機械に頼らず、常温発酵をさせているので、気温の不安定さを読むのが、
苦労しています。
(結果として、同じ発酵状態のパンに焼かなくてはいけない)

●家庭でパンをやく方が増えていますが、注意すること、アドバイスできることは?


おもしろがって、焼いて欲しいです。
シリアスに「クープが・・形が・・うまくいかない」と悩んでいる方も
いますが、家庭で焼くパンの良さは、行程を楽しむことと、
手作りであるあたたかさ。おいしければ、よい!と、大きく構えて、
大胆に焼いて下さい。

●今後の予定は・・・・?


11年目となります「パンとワインのおいしい夕べ」という会を
開いています。
おいしいパンとチーズを食べながら、ワインのウンチクを楽しむという、
会です。
毎年10月から5月まで月に一度、開いていますが、今年も10月12日(火)
「ボルドーワイン」からスタートです。


この会の中で、もっと岩手と仲良くなろうと、来年1月にはレストランで、
岩手食材とワインとパンを楽しむ会、5月には、
「岩手の麦畑とワイナリーに行こう!」といった企画もあります。
ぜひ、みなさま参加してください。

       


12月末には、漫画サンデーで今週まで連載していた私のドキュメンタリーの
漫画「おいしいパンを召し上がれ!」が単行本化される予定です。
パンコラムを大和田も執筆していますので、お楽しみください。

大和田さんのお店「ワルン・ロティ」」はこちら


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投稿者 たまなび : 2010年09月29日 17:32

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