2008年03月08日

そんなに大人気ないですか?

息子と、何と、ラグビーの試合で戦ってしまいました。

彼は小学生のクラブチームで4年間プレーしながら
みるみるうちに背丈を伸ばし
もう家内と肩を並べるまでに成長を遂げています。

中学校入学を目前に控えた子供達が臨む
クラブの恒例行事が・・・・・

6年生チームvs..6年生のお父さんチーム

・・・・・という、とんでもない試合なのです( ̄◇ ̄;)

向こうは、週1回ペースで練習を積んできたツワモノ。
こちらは、ほとんどがラグビー初体験。
戦う前から勝敗は決まったようなもの・・・と考えた僕は
どうやら間違えていたようです。

いきなり動いてケガをするのは御免、ということで
先々週、父親たちが集まり
子供達の横で“公式練習”を行いました。
秋の運動会のリレーで、走れども走れども全く前に進まない
無様な姿を公衆の面前にさらした僕は
恐る恐る参加したのですが
これが自分でもビックリするほど速く走れたのです。

なぜなら、たぶん、楕円球を追いかけていたから。

高校・大学で7年間、真剣にラグビーと向き合った分
昔とった杵柄とやらが、辛うじて残っていたのでしょう。
あのボールのところへ追いついてやる!という執念は
慢性的腰痛を抱える四十直前の体をムダなく運んでいったのです。

大型のダミー(サンドバッグのようなもの)に体全体でぶち当たったり
タックルをかまして倒したりしているうちに
体が、ラグビーの動きを完全に思い出してきました。

このタイミングで、6年生チームの攻撃練習の相手として
クラブのコーチから、父親達がディフェンス役を仰せつかりました。
確か『くれぐれも、七分の力で』と言われていたような気がします。

子供達の中でも突破力のある選手たちは
ボールを持っても外にパスせず、真っ直ぐ突進してきます。
こちらが素人で、しかも本気でないのをいいことに
あまりに奔放な練習をしているように僕の目には映りました。

で、一人、僕の横を走り去ろうとしています。
調子に乗るなよ!とばかりに
腰の下あたりに、スコーン!と僕の右肩を当てたら
彼はいとも簡単にひっくり返りました。

その直後、再び彼がボールを持って
僕の目の前を横切ろうとしてきます。
そこから先はよく覚えていないので
近くにいたお父さんの証言をご紹介します。

あの時の一美ちゃん、目が完全にイッちゃってたよ。
1回目のタックルよりも低くパチーン!と入ってたし
うわ、マジじゃんこいつ!って感じ。
子供、半ベソかいてたよ。
いや~、あれは、完全に、引いたわ。

無意識に、スイッチONの状態でした(;゜O゜)
僕はラグビーから離れて15年以上も経っているのに、今でも
ボールを持って自分の目の前から走り去ろうとしている者を
決して許さない人間だったようです。

いかんせん、相手は小学生だったことをすっかり忘れていました。
体格差は歴然です。
こちらが軽く突っ込んだだけでもあっさり倒れてしまいます。
何事もなかったから笑い話で済みましたが
下手したら、大ケガをさせてしまうところでした。

本人へ謝罪して、家内からも猛省を促された結論は・・・

絶対に本気でタックルには入らない

・・・というところに落ち着いたのです。

今日の試合で、確かに「その点」は守りました。
しかし、一度攻撃側に回るともう止まりません。

うひょ~!

・・・と喜び勇んでボールを持ってグラウンド中を駆け巡り
僕を倒しに来る子供たちを、右手で押して遠ざけたりして
アタックは、結局お父さん全員やりたい放題でした。

結果は、父親チームの勝利。子供のケガ人はゼロ。
最高の結果(のはず)です。

全てにおいて力を抜くのは相手に失礼ですし
「花を持たせてくれるでしょ」と高をくくる子供達に
勝負の厳しさを教えるのも親としての務めだと信じていますが
こういう考えって、やっぱり大人気ないですかね?
ちなみに家内と息子の答えは“Yes”です。

試合後のパーティーでのコーチのあいさつ。

『ラグビーは、大人を子供に変えるスポーツです。
今日のお父さん方のプレーを見ていると、よく分かります!』

この一言で僕は救われたんですけど
まさか、まさか皮肉じゃないッスよね?
ちなみに家内と息子の答えは“No!”です(;´д⊂) 

投稿者 斉藤一美 : 2008年03月08日 23:08

 

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