2010年05月31日

小6以来のゲンかつぎ

大学野球の華・早慶戦。
今回は、勝った方が春のリーグ戦覇者となるビッグゲームです。
昨日、我が母校が逆王手をかけたので
決着は今日に持ち越しとなりました。

何の因果か土・日は必ず仕事が入っているので
社会人になってから早慶戦を見に行けるのは
両校1勝1敗で迎える第3戦の月曜日しかありません。
当然、神宮に足を運ぶってもんです!

ところが、序盤から早稲田は劣勢でした。
ポカスカとヒットを打たれ、四球に暴投。
相手投手の緩い球にはバットの芯を外され続ける歯がゆい展開です。

僕は、OBのはしくれとして何とか流れを代えようと
6回表以降、観戦ポイントを
2階席の最上段からバックネット裏に代えてみました。

wasedakeio2.JPG

実を言うと、早慶戦初体験だった1979年に、まさにこのアングルで
早稲田の4番・岡田彰布選手(現・オリックス監督)が放つ
レフトスタンドへの美しいアーチを目の当たりにしているのです。
以来、僕は漠然と
“エンジのW”に憧れを抱いてきたような気がします。

ホームランでも出ない限り今日の悪い流れは変えられません。

バックネット裏に座りさえすれば
早稲田に一発が出るんじゃないか

・・・という、自分が小6の頃に味わった
今でもワクワクするような思い出を強引に引っ張り出してみました。

すると、8回ウラ、6番・右バッターの宇高幸治選手が
レフトスタンドへ本当に2ランホームランを運び込んだのです。
一気に少年時代へタイムスリップした気分でした(〃▽〃)

あの時と明らかに違うのは
打球がフェンスを越えた瞬間、自然と両手の拳を握り締め
五月晴れの空に向けて突き上げたこと ヾ(^▽^)ノ

そして、慶應義塾に負けたことo-_-)=○☆

秋にもう一度『早慶天王山対決』が実現して、第3戦まであったなら
僕は最初からバックネット裏に陣取り、早稲田の王座奪還を祈ります!

投稿者 斉藤一美 : 23:50

2010年05月27日

守られるべき伝統

石井義人選手が、手書きのメンバー表で
石(義)井と表記される理由が判明しました。

関係者の話を総合すると
「その書き方がライオンズの“伝統”」なのだそうです。

ちなみに、楽天イーグルスのメンバー表も
山﨑武司選手や中村紀洋選手の名前が
山(武)﨑だったり中(紀)村という「西武型」。
ただ、ヤクルトスワローズの田中浩康選手は
田中(浩)の「一般型」だったので
チームによって色々あるんだなぁ、と実感しました。

いずれにしても“伝統”は
それが悪いものでない限り受け継がれていくべきなのです。

例えば、球場の放送席に座ったアナウンサーが
目の前の試合を実況することは当たり前の“伝統”といえます。
たとえ中継されていなくても
生の動きを喋ることが最高の練習となるからです。
まして、解説者も隣りにいない状態で実況し続けるので
本番以上に声と言葉を費やします。
真剣に取り組むともうヘトヘト・・・という感覚は
ピッチャーのブルペン投球に通じるかもしれません。

ところが、本番の実況中継で経験を積んでいくにつれ
僕は、生放送に関係のない現場に足を運ぶと
選手のプレーに合わせて口をブツブツ動かす
いわば“ツイッター実況”にとどめて
いつの間にか、プレーボールから試合終了の瞬間までを
しっかりと喋らないアナウンサーになっていました。
実況生中継に漂う独特の緊張感を知ってしまうと
あまりにも刺激がなく、エネルギーの無駄遣いに思えたからです。

ここ数年間の僕は“伝統”を放棄したも同然でした。

そんな折、昨日【ライオンズナイター】を中継するかたわら
とある関東地方の球場へ行くことになったのです。

今度の日曜に生中継が控えている身としては
ここで真剣に実況の練習をするべきだ、と踏んだ僕は
本番モードでガンガン喋り続けました。
何よりもありがたかったのは、放送席から手を伸ばせば
焼き鳥をつまみ食いできるくらいの至近距離に
お客さんがたくさんいらっしゃったこと。

僕の声が全て、彼らの耳に入ってしまうのです。

とびきり俊足の選手が出塁した時なんて
「一塁ランナーは超俊足の○○」と表現すると
僕の前に座る美しいご婦人が、隣りのダンナ様に・・・

“超”は大げさよねぇ

・・・と話しかける小声を聞き取ってしまい
かなりヘコみかけました(°∇°;)
でも・・・

リスナーがラジオに接する風景を
ダイレクトで見たようなものじゃないか!
貴重な体験だよ( ̄人 ̄)

・・・と思い直してひたすら実況し倒したのです。

すると、数人が何度もこちらを振り返るので
きっとうるさいんだろうなぁ、と
申し訳ない気持ちでいっぱいになっていると
イニングの合間に声をかけられました。

あのぉ・・・何で、ピッチャーの投げたボールが
「ド真ん中」とか
「インコース」って分かるんですか(#^.^#)

え~っと・・・見た感じ
「ド真ん中」だったり「インコース」だったりするから
そのように実況しています。
だから厳密ではありません。あくまでも適当です。

へぇ~、凄いですねぇ(〃▽〃)

こんな曖昧な回答の何が凄いのか理解しかねますが
『実況は人の心を動かす力に満ちている』
という事実を、プロ野球ファンとの会話で改めて思い知らされました。

ただ、その後に・・・

右中間スタンドに入ったぁーっ!
同点ホームラン、3-3!

・・・と絶叫して「よし、決まった!」と思ったら
実はセンターがフェンスの遥か手前で捕球していたのです( ̄◇ ̄;) 
僕の周辺の観客席には
これ以上はないほどの気まずい空気が流れていました。

放送席に座ったら、とにかく実況する。

僕は、この大切な“伝統”を
数年間もないがしろにした罰を喰らったのでしょう。
本番ではなかったことがせめてもの救いです( i_i)\(^_^) 

投稿者 斉藤一美 : 23:06

2010年05月18日

そこでカッコつけるのかい!

改修された大宮公園野球場のスコアボードを見上げる
埼玉西武ライオンズ・石井義人選手の一言。

去年までは名前が3文字までしか出なかったけど
今年から6文字までOKなんでしょ?
ただ「石井義」で止まるから、特に変わらないかぁ。
そういえば、この前の北九州でスタメンが発表された時は
スコアボードに・・・

石(義)井

・・・って出たんだよね(≧∀≦)

彼は白い歯を見せて笑いながら
3塁側ベンチでヒマワリの種をポリポリと食べていました。

100518_144409.jpg

試合直前に提出するメンバー表を
そのまま手作業で入力したから、そうなってしまったのでしょう。
フランチャイズ球場ならありえない話です。

ただ、メンバー表に書き込む時は
なぜ『石(義)井』なのか、今のところ謎に包まれています。
僕はちっちゃいことが気になる性分なので
今度、監督に訊いておこうっと(^_^;))))))

投稿者 斉藤一美 : 23:59

2010年05月10日

何の変哲もないことが実は大切なのです

たった一人で舞台に立つトークライブ。
しかも、自分が喋りたい4つのテーマを軸に一日中言葉を紡いで
トータル5時間弱というマラソン公演を実現させるなんて
才能と勇気が備わっていなければ絶対にできません。

しかも、1テーマごとの完全入替制!

お客さんが少ない時間帯があったらどうしよう・・・という不安が
頭をよぎってもおかしくないのに、この写真の真ん中にいる方は
困難に敢然と立ち向かい、見事に「完投勝利」を成し遂げたのです。

uchiage.JPG

あさりど・堀口文宏さんのソロライブ
【題名のない堀口会~1日限りの堀口学園~】は・・・
1時間目・東海地方
2時間目・資格
3時間目・野球
4時間目・萩本欽一
・・・といったどのテーマからも
主役の“熱”が手に取るように伝わってきました。
しかも、全てで大盛況。
笑えるのはもちろん、雑学の勉強にもなる心憎さも満載でした。
ちなみに1・2・4時間目の僕は完全に観客の一人。
堀口さんと構成・橋本吾市さん(写真右)との
大らかなのに実は綿密だった打合せが
こういう形で活かされるのかぁ、と大いに刺激されました。

で、ゲストとして出演させていただいた3時間目。
ラジオ実況の裏側の、それこそ隅の隅(の一部分)を語った・・・
いや、語らされたというべきですかね(≧∀≦)

4/22・ソフトバンク×西武戦のTV映像に
【ライオンズナイター】で放送された僕の実況を重ね合わせたものを
お客さんにご覧いただくところから本格的なトークがスタート。
驚くことに、堀口さんが希望した場面は
ホームランやファインプレーが出たところではなく
L・野上投手がH・小久保主将から三振を奪う、という
いたって普通の喋りをお聞かせしていた1分間でした。

何の変哲もないシーンで
斉藤一美はこれだけの言葉数を費やしている!
・・・ということをお客さんに分かってもらいたい。

これが堀口さんの真意です。そして僕は・・・

もぉ~っ!ラジオ実況で最も大切な
『8-6、ライオンズ2点リード』みたいな得点アナウンスを
1分間でたった一度しか言えてないよ!
これだけの時間があれば、3回は触れないとダメだって!
何でよりによってこのシーンを使うかなぁ?

・・・と、ステージで毒づきながらも、実は
僕が考えが一緒だぁ( ̄ー ̄)、と感心していました。

得点が入るシーンや
チャンスを逃したり、ピンチを切り抜ける場面は
プロ野球選手やスタンドの雰囲気が
まるで画家のように「色」をつけてくれます。
その色を間違えずに表現すれば
おそらく誰が喋ったとしても盛り上がるはずです。

ところが、普通の場面は言わばデッサンの状態。
アナウンサー次第でどんな色にも染まります。

ラジオ実況は
何の変哲もないシーンにこそ
真の味わいがある。

これは、プロの端くれとして僕が出した結論の一つでした。
おそらく堀口さんとウマが合うのも
大切にしているポリシーの根っこが似ているからだろうな、と
ほくそ笑みたくなる気分を隠しながらブーブー文句を言っていたら
アッという間に3時間目の最後・コントの時間がやってきたのです。

実況はいつも受身の立場だからつまらない。
たまには、目の前にいる人間が
こちらの喋った通りに動いてくれないものか?・・・といったコンセプトで
僕は、自宅に帰ってきた設定の堀口さんをひたすら実況していたのに
ある瞬間から立場が逆転!
僕から発信された“ムチャ振り実況”に堀口さんが必死についてくる
・・・という流れでした。
お客さんの反応を見た限り
主役の足を引っ張ることはなかったかな、とは思うのですが
実際はどうだったんでしょーね?

とにかく、僕をお笑いの舞台にまで上げてくれた野球実況は
もう、ここまできたら男子一生の仕事にしないとバチが当たりますよ。
明るく真剣に笑いを追及する堀口ライブのスタッフと触れ合って
ようやく覚悟が決まりました!

あ・・・もしかして遅すぎますかσ(^_^;)? 

投稿者 斉藤一美 : 23:06

 

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