2009年04月29日

時報に泣かされて

僕が担当する番組は半年ごとに「終わり」と「始まり」を繰り返すため
その都度襲ってくる「淋しさ」と「緊張」を乗り越えなければ
次のステージへ進めません。
おかげさまで、ディレクターを兼務してきたここまでの2年間で
神経はかなり図太くなったと思い込んでいました(〃⌒ー⌒〃)∫゛
ところが、【斉藤一美 うるわしの夜】再開の初回から
まだしょせんヒヨッ子であることを痛感させられたのです。

【うるわし】は午後5時57分スタートのため
これまでは、オープニングから3分以上喋っていると
どうしても合間に時報が入り込み
トークの流れが寸断されてしまいました。
今年は、この【うるわし】最大のネックである
「6時の時報」を逆利用すべく
【ズミスポ!】でまさかの好評を博した“似てる人コーナー”を
頭の3分間に持ってくることを考えつきました。
そうすれば、いつも最後に・・・

♪もうすぐ6時だ♪

・・・と僕が歌って終わる“似てる人コーナー”専用テーマソングも
最大限に生かせるじゃないか!と小躍りして
秘かに3月上旬からスタッフと準備を重ねていたのに・・・

♪もうすぐ6時だ♪
5時59分56秒、57秒、58秒、59秒、6時と
ず~っと無音。

・・・今日に限って6時の時報が出なかったのですΣ( ̄ロ ̄lll)
プッ、プッ、プッ、ポ~ンッ!という流れの
プッ、プッ、プッ(=時報予備音)すら聴こえてきません。

1ヶ月以上も前から思い描いていた滑り出しが根底から覆されたので
もう、そりゃ焦ったなんてもんじゃないですよ。
挨拶後のトークの中身も全て頭の中から消え去ってしまい
ひとまず、何かあった時に困らないように、と手元に置いてあった
スポーツニュースで場を取り繕いながら気持ちを落ち着けて
何とか立ち直りましたが、今、こうして振り返ってみると
本当に悔いが残ります。

なぜあの時、僕の声で
プッ、プッ、プッ、ポ~ンッ!と
叫べなかったのでしょうか
°・(ノД`)・°・

神様が与えてくれた「ラジオ史に残るおバカなアナウンサー」になれる
せっかくのチャンスを、僕は見す見す逃してしまったのです。
何でもかんでも完全自動化の一途を辿る現代社会で働く身としては
不測の事態に向けた危機管理が問われることなど常識なのに
ああ、情けないっ!
こんな“美味しいハプニング”はもう二度と訪れないかもしれませんが
いつの日か「おバカな生時報」をこなすべく
心の準備だけは怠らないようにしておきます。

ここまで書くと、番組最大のクライマックスが
「6時の時報は無事に出るのかどうか」
という点になってしまいそうですが、まぁ、それはそれで。

投稿者 斉藤一美 : 2009年04月29日 23:57

 

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