2009年04月04日

この前の日曜日、僕が香港へと渡ったのは、高校の頃から
「いつの日か、一度でいいから生で見たい」と思い続けていた
ラグビーの国際大会“香港セブンス”を観戦するためでした。

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セブンス。すなわち7人制ラグビーです。                  
ラグビーは本来、1チーム=15人でプレーするのに対して
【7人制ラグビー】は言うまでもなく、たったの7人です。
ところが、グラウンドの広さは15人制と全く変わりません。
つまり、15人で守るところを、7人で守らなければならないので
セブンスの選手にはとんでもないスタミナが要求されるのです。
15人制は前後半40分ハーフで行なうところを
7分ハーフにとどめていることからもその過酷さが伺えます。
だから、セブンスに選ばれるのは
相手にブチ当たる“コンタクトプレーの強さ”よりも
目の前の相手を抜き去る『スピード』と
最後まで走り続ける『持久力』を兼ね備えた選手ばかりなのです。
人数が少なければ、誰もが「だからラグビーは分かりにくい!」と嘆く
“密集でのボールの奪い合い”も、自然と減ります。
パス&ランのオンパレードでプレーが途切れにくく
観戦している側も息つく暇がありません。
 
ところで、香港は長い間イギリスの植民地でしたから
ラグビーが盛んになるのは自然な流れですよね。

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“香港セブンス”は1976年から始まり
毎年、3月最後の金・土・日に行なわれる一大イベントに成長しました。
今年は、24カ国が、A~Fまで6つのブロックに分かれて
まず2日間のリーグ戦を行い、成績に応じて、最終日に
『カップ』『プレート』『ボウル』の3つのトーナメントに分けられます。

僕が見に行ったのは、この最終日のトーナメントです。
朝10時から午後7時までたっぷり9時間
【7人制ラグビー】を楽しんできました。

会場は、香港スタジアム。
総天然芝のラグビー専用競技場で、4万人を収容することができます。

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チケットは全席自由です。
真っ先に満員となるエリアが、ゴール裏の南(サウス)スタンド。                        
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メインスタンドから遠巻きに眺めていると
ず~っとお祭り騒ぎだったので気になって行ってみると・・・

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仮装した欧米人ばっかり( ̄◇ ̄;)

しかも皆、酒を浴びるほど飲んで、歌って踊って楽しそうです。
午後3時を過ぎるとアルコールが全身に廻ってしまうせいか
ハーフタイムに流れるダンスミュージックに合わせて
永ちゃんのコンサートでタオルを放り投げる感覚で
ビールを飲み終わった後の2リットルはあろうかというジャグを
自分の席よりも前の方にバンバン投げ捨てるから危ないの何の!
“18才未満入場禁止”の看板が出ているのも頷けました。
とにかく、秩父宮ラグビー場や国立競技場では
絶対に味わえない雰囲気です。

日本は、一番下の『ボウル・トーナメント』に進み
2回戦でポルトガルに走り負けてしまいました。
ここでも世界の壁は厚いですね。

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その次の『プレート・トーナメント』に出てきた強豪・フランスには
情け容赦ないブーイングが飛び交います。
5年ほど前、香港で新型肺炎・SARSが流行ってしまった時に
このフランスが、唯一香港セブンスへの出場を見合わせたことを
地元のラグビーファンは今なお根に持っているそうです。

各ブロックの1位が集まる『カップ・トーナメント』になると
ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカといった
錚々たる顔触れが登場しました。

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しかし、前回優勝のNZ代表・オールブラックスが
1回戦で敗退する波乱が起きたのです。
NZを破ったのは、ケニアでした。

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15人制ラグビーでは無名の代表チームが
世界の強豪に競り勝てるのは
スピードと持久力のランニングプレーがモノを言う
【7人制ラグビー】だからです。
ボールを持ってディフェンスと1対1の勝負を挑む
ケニアの走りっぷりは、本当に見事でした。

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ノーサイドの瞬間は
超満員のスタンドが爆発したかのような歓声に包まれて
オールブラックスファンの僕も
その場のノリでケニア代表のサポーターと化してしまいました(#^.^#)

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決勝は、南アフリカvs.フィジー。

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15人制なら南アフリカが絶対的に有利なはずなのに
キックオフからフィジーが完全にゲームを支配するから
やっぱりセブンスは面白いですね(≧∀≦)
一時は20点近くリードを奪ったフィジーの優勝は堅かったのに
後半は南アフリカが底力を見せてトライを奪いまくり
7点差まで迫ったところで
“ラスト1プレー”を知らせるホーンがスタジアムに響き渡り
何と、南アフリカがトライを取って、あと2点!
「このゴールキックが決まれば、同点で延長戦に突入する!」と
4万人が固唾を呑んで見つめる中
美しい縦回転が加えられた楕円球は
無情にもポストの右へと外れていきました。
フィジーが辛くも逃げ切って世界の頂点に立ったのです。

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初めて生で見届けた、憧れの
“香港セブンス”は最後までワクワクしっ放しでした(~▽~@)♪♪♪  

代表やトップリーグの試合よりも
今なお早稲田大学のゲームの方が観客を集める日本は
お世辞にもラグビー先進国とはいえません。

きっと、いきなり15人制を見せられるから小難しく感じてしまうんだ。
7人制を「入口」にすれば
多くの日本人がラグビーを愛してくれるのではないだろうか。

夜、北京ダックをモグモグと食べながら
僕は一人そんなことを考えていました。
そういえば、2016年のオリンピックから
7人制ラグビーが実施競技として採用される可能性があるのです。
どうにかして実現にこぎつけないものでしょうか。
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まぁ、概ねこのようなことを今日の【ズミスポ!】最終回で
大いに語ろうと思っていたら
ロッテ×西武の中継が延びてしまい放送休止。
時間のイタズラで、半年間に渡る番組の幕は突然引かれたのです(T^T)
何気なく生きているだけでも、とても楽しいことから
ちょっぴり落ち込むようなことまで色々とあるものですね。
そうは味わえない貴重な経験を積めた
今後につながる7日間でした(`_´)ゞ

投稿者 斉藤一美 : 2009年04月04日 23:43

 

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