2007年01月12日

前頭前野、老化の真っ只中

さっきまでおバカなトークをしていた男が
次のコーナーではビシッとニュースを読んでいる姿は
ワイド番組のパーソナリティーとして、理想像の一つです。
そのためには、初めて目にした原稿をサッと読むのはもちろん
内容を理解しながら伝える術を持たないといけません。

だから、新聞を声に出して読むことは
良いトレーニングになるのです。

“脳トレ”で一大ブームを巻き起こしている
東北大学・川島隆太教授の講演を聴いてきました。

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嬉しかったのは『新聞の音読は脳を活性化する』という話。
ラッキー!いつもやってることじゃんっ!と拳を握り締めました。

まず、川島教授が力説していたのは
『脳は場所ごとに違う仕事をしている。
 “右”と“左”で分けて考えるものではない』
ということです。
右脳の働きを活発にするために
なるべく左手を使うように心がけている僕は
この「マクラ」だけで
深遠な脳の世界へ一気にのめり込んで行きました。

脳のしくみは以下の通りです。 

脳=大脳+小脳。ほとんどを大脳が占める。
大脳=おでこ周辺にある「前頭葉」・・運動をつかさどる部分
    前頭葉の後ろ、頭のてっぺんにある「頭頂葉」・・触覚
    頭頂葉の下、耳寄りの「側頭葉」・・聴覚
    頭頂葉と側頭葉の後ろに位置する「後頭葉」・・視覚

で、講演の大半を占めたのが前頭前野
(ぜんとうぜんや)の話でした。

これは前頭葉の中で最もおでこ寄りにあるもので
特に人間だけが発達しているそうです。
前頭前野が受け持つ働きをいくつか挙げてみます。

  ☆ものを考える
  ☆会話をする
  ☆集中力を維持する
  ☆やる気が湧く
  ☆食事・着替え・入浴を自力でこなす
  ☆記憶する
  ☆我慢する

だから、前頭前野が老化すると

  ①固有名詞の減少
    例)『あの“パッチギ”と“手紙”に出てた
       カワイイ子、誰だっけ・・・』
  ②指示代名詞の増加
    例)『おい、それ、取ってくれ。・・だから、それだよ!』 
  ③短期記憶の取り込み障害
    例)2階へ靴下を取りに行こうと思い階段を上がったが
      いざ着いてみると何をするために
      ここに来たのか忘れてしまう
  ④行動・情動がコントロールできない
    例)涙もろい 怒りっぽい

・・という状態に陥るのです。
僕の場合、②以外は全てあてはまります。

わかってますよ!特に④だって言いたいんでしょ!

生まれてこのかた約40年の前頭前野は
どうやら確実に老いています。
そして、老化の末に機能しなくなった時
人は“認知症”と診断されるのです。

そのようにならないための方法の一つとして
川島教授が挙げていたのが『新聞の音読』だったのです。
日本語の文章を黙読するだけでも前頭前野を刺激しますが
『声に出して読むと、とんでもなく活発になる』と強調していました。

では、毎日音読をしている僕が涙もろいのはなぜでしょうか( ;; ̄3 ̄)

おそら自分で料理を作らないからだと思います。

川島教授曰く『料理をすることは最高の刺激』であって
メニューを考える→材料を切る→炒める→盛りつける、という具合に
段階を踏むごとに、どんどん脳が活性化していくそうです。
女性が男性よりも元気な理由がここにあります。

通りでカミさんに歯が立たないはずだ、と納得しました。
でも、やっぱり料理は面倒です。
とりあえず今日も鬼のように音読します!

投稿者 斉藤一美 : 2007年01月12日 23:56

 

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