2006年01月24日

雪とグラウンド

雪に振り回された週末でしたね。

日光が当たらない歩道には
でこぼこに凍った雪がまだ残っているものだから
危ないったらありゃしません。
ほとんどが、ビルの陰になっている部分です。

以前、夜の番組で何気なく喋ったら、チーフディレクターに
『そんな言葉、今、誰も使ってないぞ!』
と激しく笑われて以来、久しく封印していた表現が
今日、外を歩いていてパッと頭をよぎったので、10年ぶりに解禁します。

東京は、コンクリートジャングルだなぁ。

改めて文字にすると、確かに、凄く、ダサい。
もう二度と使いません。

とにかく、この程度の雪で済むうちは
まだ雪化粧を楽しむ余裕があります。
都心に雪が積もるたびに、いつも思うのが・・・
東京って、木が多いなぁ
・・・ってこと。
僕の中で再び封印したさっきの言葉と矛盾していますが
どちらも正しいですよね?
特に、背の高い木が多いからでしょうか
スキー場のような風情に様変わりするのが、ここ、神宮外苑です。
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おおーっ、マンモスゲレンデ出現!見渡す限りのパウダースノー!!
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草野球ファンの聖地・神宮軟式球場も、辺り一面
いや、グラウンド6面雪だらけです。

雪のグラウンドで思い出すのが、1987年12月6日の早明戦。
すぐそこの国立競技場です。
前の日に降り積もった雪を
ラグビー関係者総出でタッチラインの外に転がすように出したので
スタンド下の至る所にたくさんの雪だるまがあった光景は
生涯忘れることができません。
当時、僕は19才。
若気の至りとしか言いようがない、無謀な観戦でした。
ラグビーサークルの試合で右足首に大ケガを負った後だったので
松葉杖をついて行ったんです。
ゴール裏最上段の席までの上り下りは
友達が体を支えてくれたおかげで一度も転びませんでした。
「こちとら、徹夜で並んで取ったんでい!
 そう簡単にあきらめられるかってんでい!」
と必死だったのが、何か懐かしいです。

早稲田先制、明治同点。明治勝ち越し、早稲田追いつく。
前半終了・7-7。
後半開始早々、早稲田PG成功。10-7。
巨漢FW・明治が突進。早稲田は懸命のタックルで防戦一方。
スクラムでも圧倒的な体重差を生かし、猛烈にプッシュをかける明治。
体格で劣るが、8人一体となった低いスクラムでひたすら耐える早稲田。
何度も組みなおすスクラムで
両チームの選手の背中から立ち上る白い湯気。
思わずどよめく、超満員・6万人の大観衆。
とてつもなく長く感じるロスタイム。
ノーサイドの、長い笛。早稲田辛勝、10-7。
快哉を叫ぶ早稲田・清宮克幸。
敗戦も、最後まで自分達のスタイルを貫き通し
堂々と胸を張る明治の主将・大西一平。

あれから20年近く経った今でも
記憶をたどるだけで興奮できるゲームを
この目に焼きつけることができたのは、人生の得難い財産です。

そんなことを考えていたら、秩父宮ラグビー場へ到着。
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“雪”と“グラウンド”は
やっぱりお似合いのカップルだなぁ。

ポケーッと試合を見ながら、そんなことばかり考えていました。

よし、会社へ行くか。
神宮球場の脇を通れば近道だけど・・・おっ、何だ、あれ?
「ストラ~イク!」だって。
DSC00114.JPG
プロ野球の審判自主トレに出くわしてしまいました。
2月1日のキャンプインに備える、という意味では
選手と一緒ですもんね。

今年ほどわかりにくい年もありませんが
春は、さりげなく近づいているようです。

投稿者 斉藤一美 : 2006年01月24日 22:48

 

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