今夜のマリーンズ

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2010年11月04日

4時間41分の大勝負!! 

いやあ、凄い試合だった、盛り上がった、面白かった。

マリーンズの2勝1敗で迎えた日本シリーズ第4戦。

勝てば先に王手をかけられる大事な一戦。

8月26日以来となる先発唐川のコールに驚かされ始まったこの試合は、終わってみれば延長11回、シリーズ史上3位となる4時間41分にも及ぶ大熱戦となった。

正直このシリーズ、「日本列島的に盛り上がっているのかな?」という不安があった。

第1戦、第2戦とも史上初の地上波中継無し。いくらBS,CSの普及が進んだといえどこの事実は悲しい。

第3戦までの戦いも序盤にドーンと点が入るが、後半は得点が動かず流れのまま試合が終了し、最後までもつれる緊張感あふれる接戦はなかった。

しかし、お待たせしました。今日はもつれましたよ。

ああすればこうする。こうすれば、ああする。
見どころたっぷり、両監督の采配の妙が詰まった、少年時代の記憶にある、あの日本シリーズのワクワク感だ。

先制点はマリーンズ。3回裏、前夜ヒーローになり損ねた岡田がヒットでチャンスを作ると、西岡のタイムリーで生還。
さらに井口が、サポータ-に呼び込まれるようにライトスタンドに2ランを放ち3点目。

スタンド中が今日の勝利はおろか、明日の胴上げをも夢見る。

サブローの打席では、「この寒さなのに45歳の半袖左腕」の山本昌が、この回2度目となる信じられない超スッポ抜け暴投を披露、勢いでさらに大量点を加え続けるのでは?と思っていたが、得点はここまで。

すると4回、唐川の投球は高めに浮き始め、森野、和田に連続長打を浴びると、1失点でお役御免。
代わった「左のツイッター」つぶやき投法、古谷は、犠牲フライを許し1点差に迫られると、小野にマウンドを託す。

ベテランの風格でしっかり火消しをした小野だったが、またいだ5回、自身のエラーに死球を重ね、さらに内野との連係ミスで送りバントをヒットにさせ無死満塁の大ピンチ。
なんとか井端を併殺に打ち取るが、その間に生還を許し同点。

3-3

その後は、マリーンズは小野が、中日はネルソン、三瀬、河原が丁寧な投球でしっかりと試合を落ち着かせ7回が終了。

8回からは「救世主」内が登場!
2死後、森野に2塁打を許すも、ブランコを高速スライダーで三振。

その裏マリーンズは、先頭清田がヒットでチャンスを作るが、福浦が打ち上げ悔しいチェンジ。

9回表、内はまた2塁にランナーを背負うも大島をセカンドゴロに打ち取りピンチを切り抜ける。

9回裏、先頭キムテギュンがセンター前ヒットで出塁すると、里崎はバントで、ランナー2塁。ここで、岡田は倒れるも、キャプテン西岡に打順が回る。

すると、何と落合監督が自らマウンドに向かい浅尾に「西岡と勝負するか、清田と勝負するか自分で決めろ」とテーマをはっきりさせる。

そして浅尾の選択は西岡。初球は渾身のストレートをフルスイングのファール。真っ向勝負の2球目151キロのストレートを見事にレフトにはじき返した。

大歓声の中、西岡は右手を突き上げる。

誰もがサヨナラ勝ちを確信した。
この時ベンチレポートの私も居並ぶ他局のアナウンサーたちも「よしっ!!」と思わず声が出た。

しかし、打球はレフトポールのわずか数センチ左側を通過し、フェンスに直撃。

線審は無情にもファールのゼスチャーを見せた。

同じくサヨナラを確信し、お立ち台をグラウンドに全力で用意しようとするスタッフの方たちが、別のスタッフにこれまた全力で呼び止められていたのを目撃することとなった。

西岡は、フルカウントまで粘るもフォークを空振り。 延長戦を迎える。

シーズンと違い日本シリーズの規定では延長は15回まで投手起用が難しくなってくる。

10回のマウンドには伊藤。
荒木、井端を簡単に打ち取るが、森野には四球、続く和田にセンター前に運ばれピンチに。
しかし、開き直った球のキレは抜群。三振に打ち取る。

その裏マリーンズは、最大のチャンスを迎える。
清田が死球で出塁。続く井口は平凡なライトフライかと思いきや、なんと名手英智が目測を誤り、2、3塁まで進ませてくれた。

どんなことがあっても1点は入るだろうという状況だったが、サブローは犠牲フライにあとわずかのレフトフライで1死。

すると落合監督はここで初めて今江を歩かせ満塁策をとる。

さあ、前の打席で返せなかった福浦がなんとかしてくれるだろうと思っていると、ドラゴンズは計ったように投手を左の高橋にスイッチ。さらに三塁に守備固めの堂上を配した。

お互い火花が散るほどのせめぎ合いでフルカウントに。

延長10回1死満塁2-3 ボールなら押し出しサヨナラ勝ち。

「どうなるのか!?」

福浦が、高橋が真ん中を狙って投げたストレートーをレフト戦に弾き返す。

すると、なんとそこには守備固めの堂上が正面で待ち構え、捕球するとすぐさま3塁ベースを踏みダブルプレー。

この目を疑う、まさかまさかの「0点劇」だった。

試合は、11回の攻撃で大島のタイムリーが岡田の頭上を越え勝ち越しを許し、マリーンズは抑えの岩瀬からもう1本が奪えずゲームセット。

負けは悔しいが、流石に日本シリーズ。私にとっては今年一番の好試合に巡り合えた。

残念ながら、西村監督の地元での胴上げはかなわなかったが、これで2勝2敗のタイ。

第5戦以降、再び息詰まる試合を制してのリベンジが見たいものだ。

                        かわのをとや


投稿者 文化放送スポーツ部 : 2010年11月04日 07:58

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