10月11日放送分後記

みなさまこんにちは! 安藤和津です。
今回、マルシェにお迎えしたゲストは、
直木賞作家の【森絵都さん】。

森さんは児童文学から大人の小説まで
作品の幅がものすごく広い小説家です。

森さんが直木賞を受賞した
「風に舞いあがるビニールシート」は
もちろん、児童文学の作品も読んで
いましたが本当に1人の人が書いたの?
と疑ってしまうほど、1つ1つの作品の色合いが異なり、
なおかつ、それぞれの作品の個性が光って面白いんです!

こうなると、森さんはこれまでに
どれだけたくさんの本を読んで
小説家としての肥やしにしてきたのか
興味があったのですがお話をうかがって
ビックリ。

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森さんは、小・中・高と本を
ほとんど読まなかったんだそうです。
高校卒業後、専門学校の児童文学コースに
入ってからは多くの作品に触れて修行は
されたそうなんですが、
もっとも感受性豊かな青春時代に
まったく本に触れなかった森さんが、
なぜ今たくさんの素晴らしい作品を
生み出せるのか?

その謎の鍵は、おそらく「観察力」。
森さんご本人は「のんきだった」と
おっしゃっている少女時代のお話を
うかがうと、とても詳しく、深く、
まわりを見ていることに気づきました。

持って生まれたアンテナの鋭さが本質的に他の人とは
違うのだと思います。
だから、本は読まないのに作文が得意だった
というエピソードもうなずけます。
児童文学は感性の根っこの部分が大きくないと
書けないジャンルだと思うんです。

森さんは本を読まずに人を観察し、
全ての体験を心の中にためこんで
きっと発酵させていたんでしょうね。
だからこそ今、人の心にうったえる
たくさんの作品を書けるんだと思います

さて次回は、番組の後半では、
森さんが初めてお書きになった
ノンフィクション「君と一緒に生きよう」をもとに
犬の保護ボランティアについてうかがいます!
どうぞお楽しみに。

2009.10.12

安藤和津 トークマルシェ

安藤和津さんがさまざまなジャンルで活躍されている方をお迎えして、その時々に興味と関心の高い話題を伺います。安藤和津さんは、エッセイストとして、二人の娘の母として、俳優・映画監督の妻として、CNNの元ニュースキャスターとして、母の介護をしてきた女性として・・・いろいろな視線で優しく面白くインタビューしています。日曜日の朝、トークのマルシェ(市場)へようこそ。


プロフィール

東京生まれ。初等科から高校まで学習院に学ぶ。
上智大学独文科卒業後、イギリスに留学。エッセイストやコメンテーターとしてテレビ番組に出演。夫は、俳優・映画監督の奥田瑛二氏。著書は『女盛りは子育て盛り-Momoko&Sakura』文化出版局、『月うさぎ』奥田瑛二絵、あすなろ書房、『あいうえお-安藤和津の主婦と生活』PHP研究所、『愛すること愛されること』講談社、『てきぱき家事絵本』小学館、『忙しママの愛情レシピ121』講談社、『愛すること愛されること』講談社<講談社文庫>、『さくらうさぎ』奥田瑛二絵、ミキハウス、『オムツをはいたママ-母との愛と格闘の日々』グラフ社、『長い散歩』学習研究社 など