7月12日放送分後記

みなさま、こんにちは!

今回のお客様は、前回に引き続き、
マルチデザイナーのドン小西さんでした。

前回は、ドン小西さんのファッションセンスや
その美意識の原点となる子供時代を中心にうかがいました。
今回はその続き。

意外にも、ファッションとは無関係の大学の理工学部に
入学したドン小西さん。でも、やっぱり呉服屋さんの息子。
服のデザインをやりたいという願いは強く、
大学の勉強そっちのけで、服を自作していたそうです。

 ※ドン小西さんの服作りが、独学だったことを
今回初めて知り、衝撃を受けました!!

ドン2.jpg


そして、当時、世界で1番オシャレだった街ロンドンに
3か月遊びに行き最先端のファッションに触れたことで
小西さんはデザインの世界に本格的に足を踏み入れます。

就職したのはもちろんアパレル会社。・・・ところが!!
入社5日目で、会社に警察の家宅捜索が入ったのです!!

なんと、社長をはじめ、トップたちが麻薬で逮捕!
そんな会社だとは露知らず、
ドン小西さんはさぞ面喰ったことでしょう!

そして、我慢して29歳まで勤め、念願の独立!!

ところがところが!!・・・世間はそんなに甘くない!
会社を立ち上げるなんて初めての経験で、
ノウハウのなかったドン小西さん・・・。
資金は底をつき、会社は早々に行き詰まってしまいました。

でも、そこで助けてくれたのがやっぱり実家の呉服屋さん。
と言っても、資金援助ではありません!
ドン小西さんが生まれ育った呉服屋さんの大きなお屋敷で、
子供の頃に目で見て手で触れていたホンモノの色彩の世界。

この“ホンモノ”を知っているドン小西さんは、
お金のない中で、たんなる端切れを集めてきては、
和服のような繊細な色の組み合わせを駆使して
セーターを作り上げたのです。
そして、大大大ヒット!! 私もよくおぼえています!!

ホント、人生は何が功を奏するかわかりませんね。
それから、ドン小西さんの快進撃が始まりました。

ところがところが!!一難去ってまた一難!
好調だった会社の業績が急に右肩下がりを続け、
ドン小西さんは莫大な借金を背負うことに・・・。

ここで、小西さんがとった行動が、実に“男”でした。

「目の前に困難があっても絶対に逃げない!」

当時、同じように借金を背負い、夜逃げした同業者が
多かったそうですが、ドン小西さんは逃げも隠れもせず
財産を売り払って、借金を返していったのです。

私は前々から思っていました。
ドン小西さんは人生や人に対して本当に誠実な人。

奇抜なファッションや辛辣なコメントをしているテレビでの
ドン小西さんからはなかなか想像し難いかもしれません。

でも、ドン小西は人一倍、周囲に気を使う方ですし、
人に対しても正直な人なんです。

それは自分自身に対してもそう。冷静な自己分析力で
他人以上に自分自身に対して辛口の評価は下している
のがドン小西さん。

苦しかった当時のことを、
まるで物語のように楽しそうに話すドン小西さんを見て、
とても勇気づけられた2週間でした。

さて、次回は医師の日野原重明さんをお迎えします。
私もお会いするのが今から待ち遠しい方です。
どうぞお楽しみに!

2009.07.13

安藤和津 トークマルシェ

安藤和津さんがさまざまなジャンルで活躍されている方をお迎えして、その時々に興味と関心の高い話題を伺います。安藤和津さんは、エッセイストとして、二人の娘の母として、俳優・映画監督の妻として、CNNの元ニュースキャスターとして、母の介護をしてきた女性として・・・いろいろな視線で優しく面白くインタビューしています。日曜日の朝、トークのマルシェ(市場)へようこそ。


プロフィール

東京生まれ。初等科から高校まで学習院に学ぶ。
上智大学独文科卒業後、イギリスに留学。エッセイストやコメンテーターとしてテレビ番組に出演。夫は、俳優・映画監督の奥田瑛二氏。著書は『女盛りは子育て盛り-Momoko&Sakura』文化出版局、『月うさぎ』奥田瑛二絵、あすなろ書房、『あいうえお-安藤和津の主婦と生活』PHP研究所、『愛すること愛されること』講談社、『てきぱき家事絵本』小学館、『忙しママの愛情レシピ121』講談社、『愛すること愛されること』講談社<講談社文庫>、『さくらうさぎ』奥田瑛二絵、ミキハウス、『オムツをはいたママ-母との愛と格闘の日々』グラフ社、『長い散歩』学習研究社 など