6月14日放送分後記

みなさまこんにちは!
今回のゲストは、前回に引き続き、
医師で登山家の今井通子さんでした。

前回もお伝えしたように、今井さんは、
子供の頃からお父様に毎週のように山に連れだされ、
自然を全体として捉える力をつけていきました。

登山家なら誰もが夢見るヨーロッパ3大北壁など、
難しい登攀にも女性としてはじめて成功されています。

そんな鉄人にも失敗はつきもの。
今井さんはチョモランマに2回挑戦し、2回とも失敗。
今回はその時の貴重な体験をうかがうことができました。

2今井小.jpg


まず1回目は1983年 中国側のチョモランマ(エベレスト)を
北壁冬期登山隊長として遠征しましたが、8100mで断念。

1985年に再びチョモランマへ挑みますが8,450mにて断念。
チョモランマは8,848m・・・もうあとちょっとだったんです!

これは相当悔しいはずなんですが、今井さんはサッパリしたもの。
断念直後は確かに歯噛みしたそうですがすぐに気持ちをスイッチ。

今井さんの考えはこうです・・・
1回目の失敗を教訓に、2回目のチャレンジの時はありとあらゆる
ことを想定し、完璧とも言えるほどの準備をして挑んだそうです。
それでも手が届かなかった・・・ということは、チョモランマが、
今井さんたちの想像をはるかに超える強敵だったということ。

「失敗しても全力をつくしたんだから、満足」

この言葉は本当に心身ともに極限まで出し切った人が言える言葉。
何をやっても後悔ばかりの私にはまだまだ到達できない心境です。
(ちなみに冬期チョモランマ登攀はいまだ誰もなし得ていません)

こういった険しい山に挑み続けてきた今井さんは
環境問題に対する考え方も独特。このようにおっしゃっています…

「子供に木を切ってはいけないと言うのではなくまず切らせてみる」

一見、環境保護と矛盾しているように見えますが、どんどん切れ!
というわけじゃなく、何をするにも「自然と切り離しちゃだめ」と
言うことなんだと思います。

確かに1度切れば、年輪が見れて、木がここまで成長するには
気が遠くなるような時間がかかっていることを知ることができます。
目から鱗、なるほど納得の考え方でした。

2週を通して今井さんのお話を聞き、登山嫌いの私もためしに
家族で山登りをしてみようかな…という気持ちになりました。
(ただし、低い山ですよ!)

さて、次週は宇崎竜堂さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。

2009.06.15

安藤和津 トークマルシェ

安藤和津さんがさまざまなジャンルで活躍されている方をお迎えして、その時々に興味と関心の高い話題を伺います。安藤和津さんは、エッセイストとして、二人の娘の母として、俳優・映画監督の妻として、CNNの元ニュースキャスターとして、母の介護をしてきた女性として・・・いろいろな視線で優しく面白くインタビューしています。日曜日の朝、トークのマルシェ(市場)へようこそ。


プロフィール

東京生まれ。初等科から高校まで学習院に学ぶ。
上智大学独文科卒業後、イギリスに留学。エッセイストやコメンテーターとしてテレビ番組に出演。夫は、俳優・映画監督の奥田瑛二氏。著書は『女盛りは子育て盛り-Momoko&Sakura』文化出版局、『月うさぎ』奥田瑛二絵、あすなろ書房、『あいうえお-安藤和津の主婦と生活』PHP研究所、『愛すること愛されること』講談社、『てきぱき家事絵本』小学館、『忙しママの愛情レシピ121』講談社、『愛すること愛されること』講談社<講談社文庫>、『さくらうさぎ』奥田瑛二絵、ミキハウス、『オムツをはいたママ-母との愛と格闘の日々』グラフ社、『長い散歩』学習研究社 など