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2006年06月30日

今月2度目の8連敗

6月28日(水)

「原さーん!!ネバーギブアップ!!」
試合前の練習から引き上げてくる原監督に横浜スタジアムの3塁側ベンチ上のファンから
声が飛ぶ。一瞬原監督の顔がほころんだように見えたがサングラスの奥のその目は
寂しそうだった。

試合が始まると、立ち上がりから飛ばす横浜先発門倉の前に2回までに5三振を奪われる。
この段階で今日の試合は決まっていたのかもしれない。
巨人先発の木佐貫が先に点を取られ、いきなり流れを奪われる。
4回にイ・スンヨプ鎚の一発で流れを変えるかと思ったその直後に決定的な5点を失う。
2アウトランナーなしから8番相川にヒットを打たれると、今季ノーヒットのピッチャー門倉に
初球不用意なまっすぐをレフト前ヒットされる。
これで木佐貫は収拾がつかなくなり5連打で5失点。今月2度目の8連敗が決まり、
チーム月間ワーストの17敗目。

試合後の原監督はこの木佐貫の投球について
「2アウトからの失点?見ての通り。
こっちはその当たりのことについてなかなか答えを出しようがない。
問題は制球力。ハートではなくて技術の問題。シンプルに技術を追求すればいい」
と手厳しかった。
そして原監督は「出口を見つけようとみんな必死にやってるけど、なかなか見つからない。
応援してくださってる皆さんに申し訳ない。
明日こそはという気持ちでやるしかない」と続けた。
そう、明日こそ・・・・。
明日は阿部も高橋由も帰ってくる!!

                                    上野智広

横浜スタジアム名物みかん氷
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 01:18

2006年06月28日

ジャイアンツ愛はどこへ?

6月27日(火)

平日のナイトゲームなのに、地上波のテレビで中継のない、寂しい巨人戦だった。
でも、見終わった今、なくて良かったのかもとも思う。
試合が始まった最初から、選手たちに覇気が感じられなかった。
もちろん選手たちは必死なのだろうが、チーム状態の悪さが表に出ない覇気を
感じさせるのかもしれない。
覇気の感じられないプレーや動きは、試合からテンポ感を奪い、リズムのなさは
集中力と緊張感を奪っていく。

その結果、やはりミスが出た。
3回裏1アウト1,2塁、4番村田の打席で、内海が2塁ランナーの小池をけん制。
それもアウトにしようというけん制ではない。ランナーを塁に釘付けにしてシングルヒットでは
ホームを狙いにくくするためのけん制のはずだった。
ところが内海のけん制で逆をつかれたのは2塁ランナーの小池ではなく、
ベースカバーに入ろうとしたセカンドの仁志だった。
仁志の背中方向にそれた牽制球は、懸命に伸ばした仁志の左手の横をすり抜けセンターへ。
このエラーでランナーは1,3塁。

ミスがすぐに得点に結びつくのも今の巨人。

ピンチを広げてしまった内海が村田にタイムリーを打たれて先制されると、
古木にも犠牲フライを打たれて結果的には決勝の2点目をとられる。
打つ方も、毎回のようにランナーをためながら、打線がつながらない。
塁には出られても、チャンスで打席に入るとバットが出てこず、差し込まれる。
結局築いた残塁の山は12。
2対1という得点には思えない内容の惨敗だった。

試合後「選手たちが自信を失っているのでは?」と問われた原監督は
「結果が出てないからね。でも最前線で戦っているんだから、
そういうものも打破するのがプロ」と毅然と言い放った。
私には選手たちが失った自信はプレーや自分に対してではなく、
チームに対してのもののように思える。
「このピンチを抑えないと、今の打線には重い失点になる」。
「ここで絶対に打って点を取らないと、今の投手陣は踏ん張れない」。
口には出さなくても、そんな重い空気がチームを覆っている気がする。
今こそジャイアンツ愛を思い起こすときではないか!!
原監督はこう続けた。
「しっかりできるプレーを確実にやるということも大事なこと」。
これこそ、小久保でさえもが送りバントを決めたジャイアンツ愛の根本原理ではないか!!

試合後1万6931人しか入らなかった横浜スタジアムの周りは静かで、
関内駅に向かうジャイアンツファンの背中は寂しげだった。

                                             上野智広
閑散とする横浜スタジアムのレフトスタンド
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横浜スタジアム関係者食堂名物目玉チャーハン(大盛)
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 15:32

2006年06月20日

木村拓也選手

「正直ホッとしました。」
土曜日の3安打猛打賞に木村拓也選手はニッコリしていました。

カープ時代から俊足巧打のユーティリティープレーヤー。
すっかり広島というイメージありますが、実は宮崎県出身。
ジャイアンツがキャンプをはる青島からもほど近い田野という山あいのまちの生まれ。
しかも、子供の頃通っていた野球チームは、日曜日の解説豊田泰光さんがここ数年、
キャンプ取材の合間をぬって指導しているクラブだそうです。
豊田さんに面倒をみてもらってるのは知っております。ぼくの野球の原点ですからと
微笑んでました。

シーズン中の移籍で不慣れなことも多いはずです。この日は、アテネではチームメート
だった上原投手の足を引っ張る痛恨のエラーをおかしていましました。
でも、豊田さんの口癖「エラーした選手を批判してはダメだ。人はミスをするものだから」
ベンチであまりにも厳しい顔つきでいた木村選手。
故郷、田野での野球を思い出して頑張ってほしいと思います。。。

                                                飯塚治

投稿者 文化放送スポーツ部 : 16:55

「我慢」

16日金曜日からの楽天3連戦は、「東京ドームをオレンジに染めよう!!」ということで、
オレンジのタオルがそれぞれの試合で45000枚ずつ、観客に無料配布されました。
ジャイアンツの得点シーンにはそのタオルを回して東京ドームはオレンジに染まり…
かけたのですが、金曜日の観衆の数は39867人。オレンジに染まりきりませんでした。
今シーズン東京ドームの観衆が4万人を割り込んだのは今回が2度目。
最近では東京ドームも空席が目立っています。
私もしばしば友人に『ドームの巨人戦のチケット取ってよ』と頼まれるのですが、
『普通にチケットショップに行けば取れるよ』と答えています。
数年前はそんなことは考えられなかったのですが…。
それでもスタッフの方は「どうすればもっとたくさんの人に来てもらえるだろうか」と常に考え、
様々な試みをしています。あとはチームが勝つだけ!なのですが、
これが一番難しいんですよね。

今のチームは開幕時には考えられなかった苦しい状況ですが、
先憂後楽、この状況を何とか乗り切れば夏にはけが人も戻ってきて状況も好転すると思います。
ですからG党の皆さん、今はひたすら「我慢」です!!

                                                   高橋将市

投稿者 文化放送スポーツ部 : 14:51

2006年06月18日

人、それぞれ

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金曜日の楽天戦。
パウエルの降板理由は“2~3日前からの風邪”でした。
故障じゃなくてよかったですね。
ただ、彼は自分の平熱がどのくらいなのか全く知らないとのこと。
だから、翌日の体温が36度8分だったそうですが
「判断しかねるんです」と川島チーフトレーナーも話していました。
一軍復帰が待たれる桑田は体温が低いらしいので
この日のパウエル並みなら“微熱”になりますね。

人、それぞれですよ。

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土曜日のドームは真夏のような蒸し暑さでした。
工藤は顔全体に滝のような汗をかく一方で
涼しい顔でファストボールを投げ込む楽天のライアン・グリン。
何と対照的な2人だろう、と思っていたら
解説の松沼雅之さん(通称・弟やん)によると
『グリンは手のひらと腕に大汗をかくタイプ』なのだそうです。
なぜなら『ロジンバック(滑り止めの白い粉)の減りが早い』から。
『完全に使い切る前に、袋が湿気を吸い込んでしまい
粉が固まって出てこないパターン』とは、興味深い話でした。

汗のかき方だって、人、それぞれなのです。

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内海のスクランブル登板はさすがに予測不可能でした。
しかも、この選手起用で流れが完全にGのものになったのです。
が、せっかくの白星にも原監督は笑顔を浮かべず
『今日の試合で久保が良ければ、内海を使う必要はなかった。
 逃げた末にフォアボールを2つ与えるなんて・・・
 大学の後輩だから、ついキツいことを言ってしまうけど
 久保には《東海魂》というものが全く感じられない!』と
少々イライラしていました。

闘魂の込め方も、人、それぞれのはず。
でも、監督は久保の“ファイティングポーズの取り方”を特に厳しくチェックします。
常識人・原辰徳に、あえてここまで言わせてしまう
久保裕也という投手から、もう目が離せません。
屈辱を味わった末の“東海魂”は
きっと一味違うはずです。

ちなみに12月の東海大学のキャンパスはこんなにオシャレ。
たぶん、若大将もビックリですΣ( ̄ロ ̄lll)

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【斉藤一美】


投稿者 文化放送スポーツ部 : 03:33

2006年06月16日

復活!高橋尚成投手

先週(11日)の「Gハッスル」は高橋尚成選手のインタビューをお送りしました。
開幕して間もなく打球が顔面を直撃して右頬陥没骨折で長期離脱。
5月末に復活したばかりです。

『キャンプ・オープン戦で好調だっただけに…。投げられないもどかしさよりは
チームに申し訳ない気持ちが強かった。チーム状況は悪いがこれから
巻き返していきたい。』
と穏やかな口調で話してくれました。

チームの浮上のためにはどうしてもこの左腕の活躍が欠かせません。
高橋尚投手本人もここ数年は思ったように勝ち星を伸ばせていませんが、
あのスクリューボールでまた白星を積み重ねて欲しいです。
まずは今シーズン1勝を!ナイスピッチング、期待しています。

                                              高橋 将市

投稿者 文化放送スポーツ部 : 00:00

2006年06月11日

お父さんかっこよすぎ

また負けた。5連敗の後5連勝してまた5連敗。
ゴルフコンペなら大波賞がもらえそうなほどの惨状。
チーム状態が悪いときだからこそ、持てるものを存分に発揮している人が輝いて見える。
今日はプロ25年目、43歳、数少なくなった私より年上のプロ野球選手、工藤投手だった。

「自分の調子はとても悪かった。でも(移籍初スタメンの)實松がうまくリードしてくれた。
特にカーブをうまく使ってくれた」と話すように、投球スタイルはいつもと違った。
「工藤さんにはテレビで見ていたイメージがあります」と實松捕手が話していたように、
そのカーブの使い方は全盛期の工藤投手を見ているようだった。
そして、そのカーブのキレも、効果も。

しかし、今日の工藤投手はそれだけではなかった。
1つ1つのプレーに対して喜怒哀楽を激しく表し、気迫を前面に押し出す。
ピッチャーは孤独で、感情を表に出さないものと言うある種の常識を覆すその姿は、
グラウンドの中心で、主力の相次ぐ故障離脱に戸惑う若手野手陣をグイグイと引っ張る
リーダーそのものだった。

試合が終わって、原監督の「工藤は素晴らしいピッチングをしてくれた。
實松もパッと1軍に上がっていいものは出してくれた」というコメントをレポートしていると、
それをたまたま帰りがけに聞いていた工藤投手が歩み寄ってきた。
そして私の太ももに膝蹴りを食らわせながら、人なつっこい笑顔で言った。
「そうなんだよ。俺が今日7回まで投げられたのは實松のおかげなんだ。
實松のことを良~く言っといてくれよ」。

最後まで回りに気を配り、自分のことよりもジャイアンツデビューの若手を思いやる。
その思いに心が熱くなった。あの太ももの痛みと、同時に訪れたすがすがしい気持ちは
この先忘れることがないだろう。

                                             上野智広

投稿者 文化放送スポーツ部 : 17:12

2006年06月10日

ものすごい執念を見た

思わずウソーっ!!と叫んでしまった。

6回に飛び出した李承燁の2打席連続のホームラン。
まるでビデオでも見ているように前の打席と同じようにロッテファンで埋まるライトスタンドに
飛び込んでいった。

左手の指を突き指し、昨日のソフトバンク戦を欠場。痛みはまだまだ残っているはずなのに、
阿部の欠場で早くも試合復帰。
守備にもつけないような状態で打ったこの2発は大敗の中でものすごく光り、
ジーンと来てしまった。
そして、その姿は主力の相次ぐ故障離脱で図らずも力不足を露呈してしまったG戦士たちへ
強く訴えかけるものだったと思う。

「ロッテにいたら試合に出られなかった」と巨人への移籍理由を話したことがある。
葛藤と周囲の雑音に苦悩しながらも移籍を決断した李承燁が、
古巣のしかも聖地千葉マリンでの試合に気合いも乗っていただろう。
かつてのチームメート、バレンタイン監督、そしてかつては韓国語で暖かい声援を
送ってくれていたロッテファンの前で放った強烈な恩返し弾。

大敗に原監督は言った。「強い反骨心を崩してはいけない」。
これぞ原監督の求める強い反骨心、こんな選手ばかりだったらプロ野球ってもっともっと面白くて
魅力的なのにと思った一夜だった。

                                                 上野智広

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試合終了後のグラウンド。明日も歓声に包まれるのだろう。。。

投稿者 文化放送スポーツ部 : 12:24

2006年06月05日

エース

「エースとは一体誰のことを言うのか?」上原投手と話したことがあります。

一年や二年勝っただけでは、エースとは言えない。
ローテーション投手として、二桁勝利を最低五年は続けないと、
エースではないし、呼ぶのも呼ばれるのもどうかと思う。
そう上原投手は話してくれました。

となると、二桁勝利あげられなかった年がある僕もエースではないよね。
と自らにも厳しかったのを覚えています。
では、誰がエースと呼ばれるのにふさわしいのか。
上原投手があげた投手は、「ライオンズの西口さん。あの人は二桁勝利を何年も
続けて勝ってたし、あの人がエースなんだと思うよ。」

この日の西武戦、先発は上原と西口。
およそ一ヶ月ぶりの登板の上原、苦手な東京ドームのマウンドの西口。
お互いに不安な気持ちを抱えながらも好投。二人とも、エースの存在感十分な
ピッチングだったと思います。
二人の投げ合いを日本シリーズで見てみたい、そう思いました。

                                         飯塚治

投稿者 文化放送スポーツ部 : 13:31

2006年06月04日

新米パパ

西武との試合前、練習終わりにキョロキョロと人探しをする上原投手。
どうしたのか尋ねると、
「和田さんどこにおるのかなぁ?子供のお祝いを貰ったんやけど、お礼を言いたくて。」とのこと。
3月に誕生した長男くんに、和田選手からお祝い届いてたのですね。
アテネオリンピックにワールドベースボールクラシック。チームメートとして戦った選手同士、
すっかり絆も深まり交流が続いてます。

自宅では、新米パパとしていろいろと奮闘も、太ももの肉離れで苦しんだこの一ヶ月、
日増しに大きくなる我が子が励みになったそうです。

そんな上原投手のつかの間の育児休暇は終わりました。
これからは長男くんに笑顔で勝利を報告出来るよう頑張るのみですね。

                                               飯塚治


球場内を走り回る作業車を運転してるつもりなんですが・・・
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 14:00

2006年06月03日

弱り目に祟り目・・・・。でもその結果は

昨日は5時間22分、延長12回に及ぶ死闘を制した巨人。
選手たちが宿舎に戻ったのは日付が変わってから。

「食事が終わったら1時半で寝たのが2時。8時に目覚ましが鳴って起きたよ」(近藤ヘッドコーチ)
「ストレッチして荷物片付けて眠りについたのが2時前。でも2イニング投げた疲れで深く眠れず、
途中で目が覚めてしまった」(豊田投手)

それでも10時過ぎの飛行機で東京に戻ってきて、そのまま西武戦。
疲れがないはずのない中、ゲームでもアクシデントが続きます。
1回表先頭福地の打球が、いきなりパウエルの左すねを直撃。
パウエルは続投したものの4回にはインコースの直球が西武高山のヘルメットをかすめて、
危険球で退場を宣告されてしまいます。
打線は西武松坂の前になすすべなく中盤を迎えており、まさに踏んだり蹴ったり。
もうこれでゲームは決まったかと思われました。
ところが、パウエルの退場で悪いものをすべて出し切ることができたのか、
そこからゲームの空気が大きく変わります。
気持ちが萎えてしまいそうな展開の中で緊急リリーフに立った西村の踏ん張りが
チームに勇気を与えます。。

本来ならローテーションピッチャーとして先発するはずの西村が、高橋尚の復帰、
今日からの上原1軍合流によってローテーションからはじき出され、
この場面で登板しましたが、4回途中から最後までノーヒットピッチング。
この好投に応えたのが女房役の阿部。6回に逆転3ランを放って言った言葉が
「西村が頑張っていたので、必ずチャンスはやってくると思っていた」。
終わってみればこのワンチャンスでジャイアンツは3連勝。
なんだむしょうに希望をもらった感じがしました。

                                           上野智広

イ・スンヨプ選手の応援に来ていた韓国女子硬式野球チームのみなさん!にぎやか!!
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 14:34