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笹野高史さん 2008年10月13日

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笹野高史×弘兼憲史 団塊トーク
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2008年10月放送の「ドコモ団塊倶楽部」は
最優秀助演男優賞俳優で「ワンシーン役者」の
異名を持つ笹野 高史 さんを
パーソナリティーにお迎えして
日本一の脇役の美学、哲学をお伺いしました。

Sasano_01.jpg
日本一の脇役・笹野高史さん

笹野さんは1948年のお生まれで現在60才

一方「ドコモ団塊倶楽部」番組スーパーバイザー
“社会派”人情漫画家の弘兼憲史さんは
47年生まれの61才
団塊の世代同士の顔合わせが実現しました。

Hirokane_200810_01.jpg
“社会派人情漫画家”の弘兼憲史さん

弘兼憲史さん進行役を務めたのは、団塊ジュニア世代の
文化放送・石川真紀アナウンサー。
この3人で2時間半たっぷりと「脇役」について
考えました。

Ishikawa_200810_01.jpg
団塊ジュニア世代 文化放送 石川真紀アナ


↓ 続きをご覧ください ↓

今回のテーマは
 
 主役だけが人生じゃない!
   いつでも一生懸命であれば、
     誰かが必ず認めてくれる!

 
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放送の中で飛び出した笹野さんの“異名”の数々を
ご紹介しますと・・・
“ワンシーンの出番でも観客の心をガッチリ掴む”
「ワンシーン役者」

“演出家の望みどおりに何色にも染まる”
「カメレオン俳優」

“生活のために芝居をしている”「生活俳優」


今回、笹野さんにお会いするのが「3度目」という
石川アナの印象は
(石川)お会いするたびに、おやりになっている役が
    全部、笹野さんのお顔に見えるんです。

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●…弘兼流なりきり術 と 笹野流解消法

最初の質問は・・・
(弘兼)朝起きて、夜寝るまで、
    役になりきっていることはありますか?

(笹野)役によって、日常生活で、
    怒りっぽくなったり、妙にやさしくなったりするんです。
    撮影が終わっても、尾を引いているんです。

では、元の自分に戻るにはどうするのか?
普段あまりお酒を飲まない笹野さんの“解消法”は
意外にも「衝動買い」。
「電気のスイッチ」のように“ワンタッチ”で
切り替えるのは、なかなか難しいようです。

この話題を受けて、弘兼さんも、漫画家としての
自身のスタイルについて興味深い話を披露してくれました。

(弘兼)「時代劇」を描く時は、
    気分を時代劇にするために、いつもは
    ロックとかジャズをかけているんですが
    「琴の音」をかけながら描くんです。
    フランスの話を描く時はシャンソンをかけたり
    “活劇シーン”を描くときは、
    歯を食いしばってるんです。

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●…出番がなくても撮影現場に

今年だけでも、10本以上の映画、そのほかに
ドラマ、歌舞伎、ミュージカルに・・・と
数多くの作品に出演されている笹野高史さん。

映画の場合、二日か三日で撮影は終了するそうですが
ご自身の出番がなくても、
撮影現場に行くことがあるそうです。

(笹野)その撮影がどんなふうに行われているか、
    雰囲気を知りたい時は、行きます。
    「武士の一分」では行きました。
    次の場面を演じますから、前の場面を
    知っていないとできないこともあるんです。

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●…緒方拳さんの思い出

(笹野)おっかない人でした。
    晩年は「笹野、笹野」と
    声をかけてくださるようになりました。

    勘三郎さんの舞台で僕が泥だらけになる
    「夏祭浪花鑑」のことも以前
    『あの役、いい役だなぁ。
     俺やりてぇんだよなぁ』とおっしゃっていて
    その後、僕がやることになったのを
    観てくださって
    『笹野、いいよ』と言ってくださったんです。

    励ましてくれたり、
    力づけてくれる感じがあって
    僕も「先輩になったら、後輩を
    励ませるようになりたい」と思ったものです。

そしてすでに今では
「若い人に継承していかなければならない
年代になった」
と自覚をされているのだとか。

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「“俺”って本当はなんだったっけ?」
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●…笹野高史の健康法

番組をお聴きのリスナーの方からの
質問に対する答えは・・・

意外にも、特にないそうで、
60才の記念にタバコをやめたことくらいだとか。
お酒は「たしなむ程度」という笹野さんは
奥様の気を配っていらっしゃる食事に
お任せして、体調をキープしているようです。

しかし、お話を伺っているうちに、
健康の秘訣のヒントがわかってきました。
どうやら「ストレスをためないこと」のようですね。

(笹野)私は怠け者で、歩こうとしても
    三日坊主で終わっちゃうんです。

    (健康を)あまり気にしないんです。
(弘兼)ストレスはたまりませんか?
(笹野)ストレスをプラスに転じるように心がけたら
    「ストレスって何だっけ?」と思うようになりました。

Sasano_03.jpg
「ストレス」はプラスに変換している 笹野高史さん

※なお、奥様との馴れ初めは番組後半で伺いました。
 このリポートでも後半にご紹介します。

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●…本当の自分は??

いろいろな役を演じることで、その役に引きずられ
本当の自分を見失うこともあるようです。

(笹野)子供を怒る時も「俺、妙に芝居してるな」
    と思うことがあるんです。
    「俺の本当の性格ってどれだっけ??」と
    問いただすことがあります。

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笹野高史、演劇の道へ
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●…俳優に憧れたきっかけは「お母さん」

「映画好き」だった笹野さんのお母さんは
お姑さんの目を盗んでは、
幼い笹野さんを連れてよく映画館へ行ったそうです。

そのお母さんが、笹野さんが11才の時に亡くなられ…
(笹野)(映画館の)暗闇の中に、母親がいるような
     錯覚に陥るんです。
     自分で観に行けるようになる中学生の時に、
     ひとりで映画館に通うようになったんです。

ぼんやりと将来を考えるようになるこの時期に
映画館通いをすることで
俳優を「職業」として意識するようになった笹野さんは
この時「映画俳優」への思いに火がついたのです。

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●…漫画家・弘兼憲史漫画家の基礎

少年の頃に受けた影響は大きい!
笹野さんのお話を聞いて、弘兼さんも
自身の体験を熱く語ります。

(弘兼)うちの隣が「映画の看板」を描いていたんです。
    当時は巨大な絵を手作業で拡大して描くんです。
    「絵って面白いな!」と思って、
    朝から晩まで見てました。

さらに、一度、引っ越した際も
お隣が「デザインの看板」を制作していたそうで・・・
もしも隣のご商売が別のものだったら
漫画家・弘兼憲史は存在していなかったかも?!

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●…笹野高史「オンシアター自由劇場」へ

淡路島出身の笹野さんは大学進学を機に上京します。
その大学の先輩が「自由劇場」に出入りするようになり
笹野さんも たまたま 連れられて行ったことが
自由劇場との出会いでした。

(笹野)本当、たまたまだったんです。
    ずるずると自由劇場に出入りするようになって…。
    ところが、かっこうよかったんです。
    面白かったんですよ。
    みんな目がキラキラしていて
    カッコよかったんです!

当時の演劇界は
「大きい劇団の芝居はつまらない!
 もっと芝居には多面性が有る!
 こういう芝居が面白い!」と、探究心に燃える
若者が大勢いて
「アングラ(アンダーグラウンド)」が台頭します。

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●…当たり役!「上海バンスキング」の“バクマツ”

このパートでは、自由劇場時代の“当たり役”となった
「バクマツ」役の笹野さんが演奏する楽しげな
トランペットソロ「ダイナ」をお聴きいただきました。

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漫画家・弘兼憲史は「監督」と同じ!
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「日本一の名脇役・笹野高史さん」という
ご紹介のしかたは、失礼ではなかったでしょうか?

番組が進む中で、石川アナウンサーがおそるおそる
笹野高史さんに伺いました。 これの答えは

(笹野)全然全然。脇役ですから、私は。

(弘兼)主役ばっかりじゃ、
    映画は成り立たないですからね。
    みんな“高橋秀樹”さんみたいな顔だったら
    気持ちの悪い映画になってしまいますよ。

この話題をきっかけに弘兼憲史さんが
作品を作り上げる上での裏話に。

(弘兼)「島耕作」は主役の個性があまり強くないので
    脇役に強い個性を持たせて、全体の一つの絵を作ってます。

(笹野)「監督」と同じだ!

Hirokane_200810_02.jpg
漫画家は映画監督と同じだった!

(弘兼)しかも「俳優」でもあるんです。
    自分で“演技”をしなければいけないですから。
    でも、演技が気に入らなかったら
    消しゴムで消せばいいんです。

    (映画監督の場合)ベテランの人に
    「もう一回やってくれ」って言いにくいですけど
    漫画家の場合は、サッと変えられますから。

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笹野高史 理想の俳優像
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「監督」の話題となって、今度は笹野さんに質問です。

監督によって、求めらる「演技」が違うことも当然あるはず。

(弘兼)自分のパターンを崩さなきゃいけないことも
    ありますか?

(笹野)それは“深い話”になります。
    僕が「“カメレオン”でありたい」というのは
    そこなんです。
    「右を向け」と言われたら
    しっかりと体全体で右を向かないといけない。


また、ここから“理想の俳優像”の話題へと・・・

「“笹野高史は、どの映画に出ても笹野高史だ”と
 言われるのが一番いやなんです」

「作品人の中の人物でありたい!」

そのためには、カメラが回っていない時であっても
全ての時間で「役」になりきる努力をされています。

たとえば「主人公と仲がいい」役を演じる場合。

撮影現場で共演者と一緒にいる時から
“仲良くする”のだそうです。

「武士の一分」で木村拓哉さんと共演した際には
限られた時間の中で仲良くなるために考えたことが
「笑わせたい」――というもの。

笹野さんが飼っているインコの話を
身振りを交えて熱心に説明すると、木村拓哉さんは
「笹野さんの話を聞いて十分“絵”が
 頭に浮かびました」

こうした、撮影以外の時に仲よくしてる雰囲気は
「フィルムに写る と信じたい!」と語る笹野さん、
反対に、反目している役の場合は・・・?

「実際には仲がいいんですけど、
 普段から“憎む”ようにしていいて
 しまいには、芝居しているのかどうかわからないくらい
 “憎らしい!”と思うようになります」

こうした普段の役者さん同士の雰囲気が
作品に反映されるように「絵に映ってくれ!」
考えていらっしゃるそうです。

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主役志向から脇役の道へ
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「主役になりたいと思ったことはないんですか?」

(笹野)演劇を始めた若いころはありますよ!
    今は「主役ってどうやってやるの?」って…

    (主役のやり方を)わからないかもしれない。

笹野さんが目指す方向が変わったきっかけは?

(笹野)役者を目指すものは誰でも
    「主役」を目指すもの…。でも、ある時
    「自分は主役をできる俳優じゃない」と
     わかったんです。 ひと晩泣きました。

    でもマイナスをプラスに変えて
    「日本一の脇役になろう!」
    「何でもできる脇役になってやる!」と…。

    セリフの多い・少ないに関わらず
    役には"その人の人生”があるわけで
    それを考えるのが、役作りの上の誠意。

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団塊リポート
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新潟県小千谷市を中心にボランティアで
演奏活動を続けている農民楽団
今年結成60周年を迎えた
「真人(まっと)セブンスター楽団」
アコーディオンを担当されている76歳の
バンドマスター、滝沢さんに電話でお話を伺いました。 
 
(石川)メンバーは今 何人ですか?
 
 15人です。

(石川)練習はどこでしているんですか?

 車庫の二階が練習場になってるんです。
 中学や高校生の子が練習に来てます。

 
(笹野)トランペットもいらっしゃるんですか?
  
 一人います。
 
(笹野)もっと入れましょうよ!


(弘兼)テーマ曲はあるんですか?
 
 ルンバ「マリネラ」でのオープニングが
 60年くらい続いています。

(弘兼)レパートリーは何曲あるんですか?
 
 レパートリーは50曲くらいです。

(笹野)楽譜を作るのは大変ですよね?

 そういうのはわからなくて、
 オタマジャクシ
(楽譜)は読めなくて
 「耳」で覚えていました。

 
(弘兼)バンドの平均年齢は? 

 平均は「57歳」くらいで、
 若い人は30代、高齢は私です。

 
(弘兼)若い人は古い曲に興味を持ってくれますか?
 
 興味持ってくれます。
 今は歌謡曲が多いですよ。

  
(石川)これからの目標を聞かせてください。
 
 70周年を目標にしたいと思っています。

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(石川)楽器の演奏は体力が必要ですよね。
 
(笹野)トランペットは肺活量が必要なようで
    その年齢なりの演奏の仕方ができますし、
    横隔膜を動かすから健康にいいんです。
    個人個人、自分にあった楽しい演奏を
    見つけるのがいいと思います。


(石川)最近、トランペットの演奏はされていますか?

(笹野)時々、お芝居で必要とされて・・・
    このあいだは歌舞伎のニューヨークの公演でやりました。

(石川)平成中村座ですね。

(笹野)これは11月に浅草の「平成中村座」で
    またやることになりました。

(石川)平成中村座が東京に帰ってきたときに
    私たちファンも、ニューヨークのお客さんに
    負けないようにスタンディングオベーション
    しようと、早めに立ち上がったりしたんです!

(弘兼)本当にファンですね(笑)

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舞台は「生モノ」 オススメは「中日」
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ラジオをお聴きの方から質問のメールが
届きました。

  「笹野さんは緊張しますか?」

(笹野)いつまでたっても緊張します!
    舞台は毎日緊張します。

(弘兼)舞台は、公演の最後の方は
    セリフも覚えてきますが、最初の頃は
    セリフを忘れる心配ってありますか?

(笹野)あります。
    独特の緊張感が好きな“通”な方は
    「初日」にご覧になります。
    それが落ち着いた「中日」と
    「千秋楽」に三回ご覧になる方もいます。

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これをきっかけに、「舞台」は公演の中の
「どの時期に観るのがいいのか?」という話題に…

(弘兼)お芝居に詳しくない人が観るなら
    いつ頃がいいですか?

(笹野)それぞれ仕上がり具合が違いますから
    「中日」が“見どころ”だと思います。

    あとは「千秋楽」に近い頃が
    より“練りあがってきて”
    初日とは違う作品を観てる感じがするのでは。

(石川)舞台を拝見してると
    本当に“生モノ”だなって思いますね。


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渥美清さんとの思い出が最高の財産!
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「国の始まりが大和の国 島の始まりが淡路島
   泥棒の始まりが石川の五右衛門なら
    助平の始まりがこのオジサン・・・」

映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎を演じる
渥美清さんが作品の中で見せる啖呵売(たんかばい)。

渥美さんのレコードを何度も聞いて練習したという
笹野さんが、スタジオで披露してくださいました。

Sasano_02_tankabai.jpg
笹野高史さん 啖呵売

渥美清さんとの交流は古くから続き・・・

(笹野)渥美さんは芝居や映画など
    ありとあらゆるものをご覧になっていて
    定員80人の小さな「自由劇場」にも
    隠れるようにいらっしゃるんです。

    隠れていても、オーラがあってすぐわかり
    「渥美清さんが来てる!」って
    大騒ぎになりました。


その後、「映画」で共演するよりも前から
気軽に話しかけてくれるような、交流があったようです。

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●…「ワンシーン役者」は渥美さんの命名

「ワンシーンしか出られない」と考えていた当時
ご自身の撮影が終わって渥美さんに挨拶をすると・・・

「いいねぇ、ワンシーン役者は。一日二日来て
 印象的な役をパッとやって、スッと帰っていく…。
 俺も本当はそういう役者になりたかったんだよ」

(笹野)うれしなぁ~!と思いました。
    胸を張って「ワンシーン役者」だって言おう!と
    思いました。渥美さんのおかげです。

その後、渥美さんとの交流はさらに深まり・・・
食事やお風呂にもご一緒するようになり
さらには出演している舞台の
観劇に訪れてくださるようにも。

そして渥美さんと笹野さん、
「自由劇場」で一緒だった柄本明さんも
交えた三人は、たびたび食事を共にするなどの
交流が続きました。

(笹野)渥美さんが遊んでくださることが
    同年代の中で、自慢でした。

しかし、次第に仕事が忙しくなり
三人の都合が合わなくなると
時にはお誘いをお断りしなければならないことも。

(笹野)今となってはもったいない。
    なんで、もっと“一生懸命”渥美さんと
    遊ばなかったんだろう。

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(笹野)「『島耕作』をやめるのは罪です」
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●…同じ役を演じ続けた渥美清さんの心境は?

渥美さんは寅さんを演じて、ほかの作品には
あまり出られないようになりました。

(笹野)渥美さんがほかの作品にゲスト出演すると
    生き生きとしていらっしゃるんです。
    水を得た魚のように。
    それを観るのが好きでした。

(弘兼)役者は固定した役よりも
    「ほかの役もやってみたい」という
    思いがあるんでしょうね?

(笹野)「俺はこういう役もやりたいんだ!」
    という思いも あったでしょうね。

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●…「島耕作」がライフワークに

(弘兼)僕も「島耕作」を25年やっていて
    一回飽きて、10年目でやめたんです。
    ほかの作品を描きながら、出版社の意向で
    「読み切り」では続けていたんですが
    7年後に、引き戻されて、やっているうちに
    「これがライフワークだな」と
    思いました。

(笹野)すばらしい「財産」だと思います。
    (そんなに一つの作品を長く続けられるのは)
    確率的に、何万人に一人ですよ。
    ひとつのシリーズがずっと愛されているのは
    ものすごいことだと思いますよ。
    おやめになるのは罪だと思います。
    ぜひともお続けになるべきだと思います。

(弘兼)わかりました。
    30年くらい続いた「男はつらいよ」を
    もうすぐ抜いて、もっと長くなりますね。

(笹野)もはやご自分の判断で立ち行きません。
    ひとつの作品は勝手に生き続けていますから
    たとえ作家でも、一人で判断してはいけません!

このパートの最後には
寅さんの「啖呵売」のセリフも収録されている
「男はつらいよ」のサントラをから
一曲お聴きいただきました。

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意外なプライベートの素顔
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42才の時に17才年下の25才の
劇団研究生と結婚された笹野さん。
プロポーズをされたのは
奥様のほうだったとか。

(笹野)42才で25才のお譲さんにプロポーズする
    あつかましいことはできません。
    当然、結婚までは考えていなかったんですが

    「私ははじめから笹野さんと
    結婚するつもりでいました」

    …というのでビックリしました。


結婚すれば、男は伴侶を“養わなければ”ならない――
と考えていた笹野さんは、
給料が出ない劇団員時代が長く
「42にもなって、春はもう来ない」と
半分あきらめもあったそうです。

お付き合いが始まり、やがて結婚にいたり・・・
奥さまのことは当初「変わった人だな」と思ったとか。

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●…「お父さん」笹野高史は 厳しい?優しい?

4人の息子さんの父である笹野さんは、
どのように子供に接しているのでしょうか。

(笹野)(怖いか優しいか?)両方です。
    「怖いお父さん」でもいいと思っているんです。
    でも、怒った後に“抱きしめてスキンシップ”をとる
    フォローをします。

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●…父に憧れて役者志望

情操教育に舞台を見せるのはいいことだそうで
小さい頃に自分の舞台を見せていたら
4人とも「やりたい」と言い出して・・・

(笹野)四人が四人とも「役者になりたい」と
    言いだしたら困りますが、
    「一人くらいはやってほしい」と思っていたら
    今のところ、二人くらいは
    「やる」と思っているようです。
    違う職業につくよりは、ありがたいですね。

ちなみに、四男の息子さんは「武士の一分」で
桃井かおりさんの息子役を演じているのです。

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●…父に憧れて(?)漫画家志望

一方の弘兼憲史さんも、
息子さんが「漫画家になりたい」と言い出したとか。

(弘兼)うちも息子が急に「漫画家になりたい」と
    言い出して・・・。
    でも、自分の漫画は読んでなくて
    あまり知らないみたいで
    ほかの漫画ばっかり読んでるんです。

(石川)すでに読破していて、
    ほかの作品に目を向けているのでは?

(笹野)漫画家にも「二世」はいるんですか?

(弘兼)少ないですね。
    俳優さんは「顔」が“遺伝”しますが
    漫画の才能は遺伝は関係ないですね。
    でも、家で親が絵を描いたり…という“環境”は
    影響するみたいです。

(石川)お父さんとしてはどうですか?

(弘兼)なってくれれば うれしいですよ。

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エンディング
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2時間半の放送もエンディングを迎えて・・・

(笹野)あっという間でした。
    こんなにたくさん同世代の方が
    聴いていてくださるというのが
    勇気づけられました。

ここで、ラジオをお聴きの団塊世代の皆さんに
笹野高史さんからの力強いメッセージです。

(笹野)まだまだ“ガッツ”で
    やっていきましょう!

    亡くなった友達も居ますけど
    彼らの分も“ガッツ”で 楽しく
    人生やって生きましょうね、皆さん!

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弘兼憲史さんの感想は

(弘兼)「漫画家」は映画業界で言えば
    台本を書いたり、演技指導をしたりする
    役目なんですが、“表現者”としての
    笹野さんの“心のありよう”は
    作品作りでの参考になりました。

(石川)笹野さんと弘兼さんの対談を
    そのまま放送しているようでした。

 
dankai_200810.jpg
放送を終えて

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次回の放送のお知らせ
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次回の「ドコモ団塊倶楽部」の放送日

文化放送:11月24日(月/休) 午前11:00~ 
信越放送:11月24日(月/休) 午後2:05~
新潟放送:11月30日(日) 午前9:45~
山梨放送:11月30日(日) 午後1:00~

パーソナリティーとしてお迎えするのは
「あしたのジョー」「あした天気になあれ」
などの作者、漫画家 ちばてつや さんです。

弘兼憲史さんの本業でもある
「漫画」の世界についてお送りします!

次回のパーソナリティー、ちばてつやさん、
番組スーパーバイザーの弘兼憲史さんへの
質問やメッセージは今からメールでお待ちしています。

宛先は、dankai@joqr.net 

どうぞお楽しみに!
 
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番組の中でおかけした曲目
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ダイナ / 吉田日出子
G線上のアリア / スイングル・シンガーズ
あの素晴らしい愛をもう一度 / ザ・フォーク・クルセダーズ
男はつらいよ / 渥美清
おくりびと / AI (映画「おくりびと」より)
 
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「ドコモ団塊倶楽部」は熱い青春時代からラジオを お聞きいただいている団塊世代の皆様に、心地よい 音楽と話題にのせてエールを送り続けている番組です。 番組は毎月1回の放送で、2005年1月よりスタート、 あの頃も、そして今も輝き続ける団塊仲間の方のお話 を伺ったり、懐かしい時代を紐解いてみたり・・・・。 レトロに浸る心地よさと同時に、今をそしてこれからを 楽しんで生きる気分をお届けしています。 番組のスーパーバイザーは1947年生まれ団塊ド真ん中・ 漫画家の弘兼憲史さんと団塊ジュニアを代表して石川真紀アナウンサー。

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