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岡野雅行さん 2008年09月15日

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75歳のカリスマ職人
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9月15日の放送ではパーソナリティーに
“痛くない注射針”をはじめ“人につくれないもの”を
つくり続ける中小企業のカリスマ職人
岡野 雅行さんをお招きしました。
 
団塊の世代より一世代上の75歳で今なお現役職人の
岡野さんをお迎えしてお送りする今回のテーマは…
 
   人生はいつの時代も義理人情!
世界一の職人・岡野雅行が団塊の世代に贈る遺言状

 
遺言状――「え?!」と驚かれるかもしれませんが
岡野さんが75年の半生から学ばれた
“人生の極意”を次の世代、そのまた次の世代に
伝えるべく「7カ条の遺言状」という形で
ご教授してしていただくというのが今回の趣旨です。
 
Okano_080915_1.jpg
岡野工業の“代表社員”こと岡野雅行さん
 
番組スーパーバイザーの社会派人情漫画家
弘兼憲史さんは放送前の打ち合わせの時点で
放送ではご紹介できないようなお話を
たっぷりと聞くことができ、番組冒頭から
「今日は最初から圧倒されてます」
テンションが高まり気味。
 
その弘兼さん、岡野さんに年齢を聞かれて
「61歳」と答えると「まだ若いな」
岡野さんからすると団塊の世代は
まだまだ“若者”ということのようです。
 
そんな“エネルギーの塊”岡野雅行さんに
圧倒されながら番組はスタート・・・
 
dankai_080915_2.jpg
 
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カリスマ職人は眠らない
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睡眠時間の話題になり、岡野さんのお答は・・・
岡野:最高で1時間半
 
「平均睡眠時間は4,5時間」という弘兼さんは
最初こそ驚いてみせたものの
「ボーっとする時間も大切では?」という
石川アナウンサーの問いかけに

弘兼:「ぼーっとしていいんだろうか?」
   って思っちゃう。

そして岡野さん、弘兼さんが口をそろえてのが
このひと言!「仕事のことを考えちゃいます」
 
Hirokane_080915_1.jpg
岡野さんとの多くの共通点が判明した弘兼憲史さん
 
それにしても「睡眠時間1時間半」では
心配になるのが普通でしょうが・・・
弘兼:これが長生きの秘訣かも?
   きょうは常識を覆すお話を聞きたいですね。
 
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“痛くない注射針”は板を丸めて作った!
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岡野さんが開発された数多い製品の中でも
とりわけ有名なのもののひとつが
針穴の直径が0.08ミリという
世界一細い“痛くない注射針”。
 
この日はスタジオに「針」になる前の状態の
あるモノをお持ちいただきました。
 
どうすれば0.08ミリの穴を
あけることができるのか???
この謎の答えは「板を丸めて針をつくる」
ということなのだそうです。
 
これにはスタジオの出演者もスタッフも
全員ビックリ!
 
弘兼:穴をあけるという発想ではないんですね?! 
 
ちなみに、この針を岡野さんが開発するまで
100社以上が「無理」とこたえたそうで…
 
石川:岡野さんのところにもっと早く(依頼に)
   くればよかったのに、ということですね。

 
dankai_080915_3.jpg
これが加工前の「痛くない注射針」 …まるで“フィルム”みたい
 
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岡野雅行さんのお父さんの遺言は・・・
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岡野金型製作所(当時)先代社長の
お父さんから言われたことはこととは・・・。
 
「国を信用するな」「銀行を信用するな」
「保険に入るな」「保証人になるな」
「会社をでかくするな」

 
話を聞きながら「なるほど」とうなづいていた
弘兼さん、石川アナも「会社をでかくするな」には
「???」 そのわけは・・・
岡野:会社をでかくしたって
   どんぶり飯一杯でお腹いっぱいになるでしょ?

 (たとえ大企業でも“お腹いっぱいになる量”は一緒)
   でかくしても何も意味もない。
   苦労するだけ。自分のやりたいことができなくなる。

 
なお岡野工業の社員は“代表社員”(社長とは言わない)の
岡野さんを含めて6人だけなのだとか。
 
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“ほめ殺し”が岡野流
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番組をお聴きの方から質問をいただきました。
 
「人を育てる極意やモットーを教えてください」
 
岡野:昔はとんがってたんだけど
   あんまり怒っちゃいけない。
   “ほめ殺し”がいい。

弘兼:いいところを“持ち上げた”ほうが
   いいですよね。

岡野:ほめられると自分で
   「どこがいいんだ?」と反省するよ。

弘兼:カメラマンがモデルに向かって
   「最高だよ!」というのと似てますね。

 
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団塊の世代へ7カ条の遺言状
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岡野雅行さんが75年の人生で培った経験から
“若者”団塊世代に伝える7つの遺言
次の通りです。
 
第1条:「仕事は遊びから生まれる」
 
岡野:“社会勉強”を含めての「遊び」です。
弘兼:物事の発想は「好奇心」から生まれる
   ということですよね。
 
第2条:「人と違うことをやり続けろ」
 
岡野:違うことをやらないと追いつかない。
   「変わり者」といわれてもいい!
弘兼:「オタク」に実はも当てはまりますね。
   平等教育を受けて、“変わった”ことは
   からかわれる対象ですけど
   それは本当はいいことです。
岡野:ただ、今のオタクは与えられたものの中で
   生きている。
   自分で行動して、見たり聞いたりするのが大事。

 
第3条:「人が寄ってきやすい“スキ”をつくれ」
 
岡野:初対面の相手から(自分を)ナメてもらわないと
   甘いかしょっぱいかわからない
   「俺の味をみてくれ」と。
 
第4条:「裏切られてもへこまなくていい」
  
第5条:「何かしてもらったらお礼を4回言え」
 
岡野:食事に誘った相手から、その後お礼を
   3回言われると「また連れて行ってあげよう」と思う。
 
第6条:「“必ずできる”と信じろよ」
 
岡野:お医者さんでたとえると、専門の分野に分かれていて
   何でもできる人はいない。
   人はスーパーマンじゃないから、
   その分野だけで名人になればいい。
   そして私の場合「60%できる」と思ったらGO!
   あとはどうにでもなる!必ず道は開ける。
 
第7条:「商売はいつの時代も義理人情」
 
岡野:最初に(山を)登った人のことは
   大切にしろ、ということ。
 
Okano_080915_2.jpg
 
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平成世直し談義パート1
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岡野さんのお父さんはどんな方だったのでしょう?
 
岡野:マジメ一本やりで商売が下手だった。
   人付き合いをしなくて仕事ばかり。
   親は反面教師。

弘兼:その通りだと思います。
   僕の親父、ものすごく無口だったんです。

石川:えーっ?!そうなんですか??
 
弘兼:僕は「こうはならない」と思いました。
   大学を出て松下電器に入って、やめるんですけど
   相談すると文句を言われるから勝手にやめたんです。
   あとから親父になんて言われるかと思ったら
   「やってみろ」と親父が認めてくれたので
   このひと言でやる気になりました。

 
その後、漫画家として成功をおさめるのは
みなさんご存じの通りですね。
 
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平成世直し談義パート2
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昭和にあって平成に無くなりそうなモノを
検証しました。
 
◇ホッキョクギグマ◇
 
ホッキョクグマの生息数は2050年には
現在の3分の1になるのだとか。
これは、ここ100年で地球の気温が
0.74度上昇した、というような
環境問題が大きく影響しているようです。
 
弘兼:僕は大学時代、東京はすごく寒くて、銭湯の帰りに
   ぬれたタオルを振り回しながら歩いていると
   “ピン”と立ちましたよね。
   それから、部屋もすきまだらけだから
   部屋の中が氷点下になって
   コップに氷が張ってたものです。
   夏は反対に涼しくて、蚊帳をして、
   窓を開けっ放しにしていれば平気でしたね。
   寝冷えしないように布団をかけていたくらいで
   そう考えると、東京は暑くなりましたね。

 
◇最後まで添い遂げる夫婦◇ 
 
統計によると、44秒に1組が結婚し、
2分4秒に1組が離婚しているとか。
 
弘兼:以前は(夫婦の間で)
   “給料袋を渡すセレモニー”がありましたね。
   「これでやりくりしろ」と。
 
石川:私も子供の頃、
   「お父さんにお礼を言いなさい」と言われて
   お礼を言ってました。

 
岡野:うちは給料は手渡しです。
弘兼:僕もですよ! 
   振込みの方が楽なんですけど手渡しにしてます。

 
Ishikawa_080915.jpg

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エンディング
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「生放送、面白いね!
 2時間が短いこと、短いこと」
(岡野)
2時間の番組終了してスタジオを出た瞬間にこの一言。
岡野さんは本当に楽しみながらご出演くださいました。
 
最後に番組をお聴きの方にメッセージをお願いしました。
 
岡野:落語を聴いてくれ!落語は最高!
  “下町の人情”が入ってますからね。

 
放送ではあまりご紹介することはできませんでしたが
ラジオをお聴きの方からは、岡野さんへの質問や、
次の世代に遺したいこと=遺言を
たくさんお寄せいただきました。
中には「岡野さんの江戸弁がいいですね!」
という感想も。
 
岡野さんにお聞きしたいことは、まだまだ
たくさんありましたがあっという間に2時間の
放送時間が過ぎてしまいました。
 
なお、番組をお聴きの10名の方に
岡野さんの著書『人生は勉強より「世渡り力だ」!』
(青春出版社・750円+税で発売中)を 
プレゼントいたします。
ご希望の方は、ハガキに郵便番号、住所、氏名、
電話番号を書いてご応募ください。

宛先:〒105-8002 文化放送
   ドコモ団塊倶楽部
   「岡野雅行さんの本プレゼントの係

 
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次回の放送のお知らせ
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次回の「ドコモ団塊倶楽部」は
10月13日(月曜日=体育の日)
午前8時30分~11時
 にお送りします。
 
どうぞお楽しみに!
 
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番組の中でおかけした曲目
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ペルシャの市場にて  
悲しき慕情 / ニール・セダカ
 
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コラム:町田忍の団塊コレクション 16回 2008年09月09日

『カキ氷』
 
 夏の風物詩ともいえる「カキ氷」の暖簾を
街中で見かけると「夏が来た!」という気分になれる。
特に波しぶきと千鳥が飛んで、真っ赤のな大きな字で
「氷」と入った旗が一般的である。
 
 私がカキ氷で思い出すことは、昭和30年頃、
自宅前にあった小さな甘味屋で、親にカキ氷や
サイダー、ラムネなどをよく買ってもらったことだ。
ラムネは直接ビンでラッパ飲みだったが
サイダーはコップに入れてもらってものだ。
その時のストローは麦わら製だった。
サイダーの泡が麦わらストローの
表面にいくつも出ていたことを
今でもはっきり覚えている。
 
shaved ice.jpg
夏の風物詩「氷」の暖簾
 
 ところで、カキ氷は独特の手回し氷削機が
使用されていた。こうのような氷削機には
富士山などの絵も入っていた。
この機械は明治20年頃に登場したようだが
それ以前は、大工さんが使用する
カンナのような道具で氷を削っていたというから
実にのんびりとしていた時代だったようだ。
 
(町田忍)
 

9月15日は昭和のカリスマ職人登場! 2008年09月07日

「ドコモ団塊倶楽部」次回の放送は、
9月15日(月)敬老の日
午前11:00~12:55にお送りします。
 
パーソナリティーには、75歳でいまなお現役
“痛くない注射針”を開発された職人
岡野雅行さんをお招きします。
題して
 
『 人生はいつの時代も義理人情!
    世界一の職人・岡野雅行が
     団塊の世代に贈る遺言状 』

 
今回もラジオをお聴きのリスナーの皆さんの
ご参加をお待ちします。
 
○カリスマ職人・岡野さんに作って欲しいモノは?
○あなたの遺言状を1カ条にまとめて教えて下さい。
 (誰に、どんな内容の遺言を残したいですか?)
○あなたは「親父の背中」から何を学びましたか?
 (こんなお父さんから、こんなことを学んだ…)
 エピソードも一緒にお寄せ下さい。
○今こそ復活させたい、昭和の習慣、
 行事、モノ、制度や人間関係など…。
 あなたにとって「昭和」とは、どんな時代でしたか?
 「平成」と「昭和」では、身の回りの何が違いますか?
○岡野雅行さんへの質問・メッセージ、
 そして番組の感想、ご意見も大歓迎です。
 
放送の中で採用させて頂いた方の中から
抽選で5名の方に3千円分のミュージックギフト券を
プレゼントさせていただきます。
 
メッセージ・リクエストは dankai@joqr.net ←こちらから!
 
9月15日(月・敬老の日)
「ドコモ団塊倶楽部」をどうぞお楽しみに!

ようこそドコモ団塊倶楽部へ

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「ドコモ団塊倶楽部」は熱い青春時代からラジオを お聞きいただいている団塊世代の皆様に、心地よい 音楽と話題にのせてエールを送り続けている番組です。 番組は毎月1回の放送で、2005年1月よりスタート、 あの頃も、そして今も輝き続ける団塊仲間の方のお話 を伺ったり、懐かしい時代を紐解いてみたり・・・・。 レトロに浸る心地よさと同時に、今をそしてこれからを 楽しんで生きる気分をお届けしています。 番組のスーパーバイザーは1947年生まれ団塊ド真ん中・ 漫画家の弘兼憲史さんと団塊ジュニアを代表して石川真紀アナウンサー。

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