ドコモ団塊倶楽部

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玉村 豊男さん 2008年01月14日

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◆テーマは「田舎暮らし」◆
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4年目に突入した「ドコモ団塊倶楽部」
2008年最初の放送のテーマは「農業のある暮らし」。
パーソナリティには、エッセイスト、画家で
「田舎暮らしができる人 できない人」の著者、
長野県東御市(とうみし)で
「 ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー 」
営んでいらっしゃる 玉村 豊男さん を
お迎えしました。
 
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玉村豊男さんと「農業のある暮らし」について
 
ラジオをお聴きの皆さんからも、たくさんのメール、
FAXをお寄せいただき、注目の高さを実感する
2時間半でした。 

スタジオで大いに関心を寄せていたのが
番組スーパーバイザーの弘兼憲史さん。
漫画家に転向して間もない頃には
区民農園を借りていたという農業体験談を
披露してくれました。
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「漫画家になってすぐの頃に世田谷で家庭菜園を」
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◆ワイン作りを始めたきっかけは…◆
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「 ヴィラデスト ガーデンファーム
   アンド ワイナリー 」

 
これが玉村豊男さんが経営されている農園の正式名称。
 
眺めのいい土地を探していたという玉村豊男さん、
この地を選んだ決め手は
「上から遠くを見下ろせるところ」(玉村)
 
名前の由来は イタリアのワイン
「エスト・エスト・エスト」から。
景色を気に入り「ここだ!」と思った時に
「ワインを作ろう」と思ったそうです。
 
(玉村)
 まさか 自分でもワインを作るとは思わなかった。
 
気になるのは、玉村豊男さんが作ったワインを
どこで買えるのか?
 
(玉村)まだ量が少なくて通販もできないので
    ウチで買っていただくしかないんです。
    20歳以上の方 一人一本限定です。

 
(弘兼)流通している量が少ないと価値が出ますよ。
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◆ワイン作りの難問◆
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ブドウ作りにまつわる“難問”をお伺いしました。
 
(玉村)一番難しいのはブドウの木の選定。
    どこの木を切るか、残すか――これによって
    翌年どういう形になるかが決まる。

 
    それから難しいのは5月頃に 霜が降りること。
    これで やられてしまうと 収量が減ってしまう。

 
このブドウの収穫に限っていうならば、
幸いなことに、この2、3年は暖冬の影響で
霜によって不作となることはないそうです。
 
このようなところにも地球温暖化の影響は
及んでいるんですね。
 
ちなみに、栄養が少ないところに植えた苗の方が
「がんばって成長しよう」とするのだそうです。
 
(玉村)人間と同じですよ。
    いい環境だと だれちゃう。
    環境が悪いところだと頑張る。

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◆ラベルデザインも自作◆
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ラインのラベルも玉村さんご自身で
描いているのだそうです。
 
(玉村)基本的にラベルや印刷物などは全て僕の絵を、
    家内がデザインしています。

 
(弘兼)自分だけのワインとかつくってみたいですね。
(玉村)(本当の意味で)俺の酒が飲めないのか!(笑)
(石川)本当に“俺の酒”ですよね。―――――――――――――――――――――――――
◆農業が長寿の秘訣?◆
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食料自給率の低い日本の中でも、
比較的高い自給率を誇る長野県。
今現在 関東地区にお住まいで、将来的に「移住」を
お考えの方に人気があるのが長野県です。
 
(玉村)お米や野菜をつくている方は多くて、
    零細農家は日本一。
    市場に乗らなくても、自給率は高い。
    農作業は、体も適度に動かし、頭も働かす。
    特に 手足を動かすので、これが
    長寿につながっているんじゃないかと思います。

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◆野菜にも奥さんにも 愛情を!◆
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ラジオネーム・ジベレリン さんから
いただいたメールです。
 
土いじりは 心を穏やかにさせてくれる
いい方法だと思います。
花の種を蒔いたり、野菜を育てたり、
実のなる木を植えたり…その面倒をみていると
本当に気が休まります。
一日中 口もきかず 土いじりをすると、
普段 人との煩わしい付き合いも
それほど嫌だと思わなくなりました。
ご近所の人たちに 育て方を教わり、
本を読み 勉強していくのがとても楽しいです。
 
最初から広い畑を借りて始めると、
途中で面倒くさくなって やめてしまう人が多いですね。
“定年後から土いじり”ではなく、若い頃から
「プランターで野菜育て」から始めて
いろいろ経験すると長続きすると思います。
土いじりは最高! 
ラジオ聞きながら野菜育てるのは最高に楽しいですよ!
 
(玉村)男はどうして年を取ると土いじりをするか…
    男は 世間がわずらわしいし、
    奥さんもうるさいし(苦笑)
    土と植物に“会話の相手”を
    求めるんじゃないですかね?

(弘兼)不思議と トマトに「おいしく育ってくれよ」と
    声をかけると おいしく成ってくれるんですよ。

(玉村)3ヘクタール 声をかけてたら
    喉がつぶれちゃいます(笑)

 
(石川)奥さんとか 伴侶も、長い時間をかけて
    ゆっくり愛情を育てていけば
    応えてくれるんじゃないかと思います。

(石川)ワインのお話を聴いてると
    朝からでも・・・お休みだからいいかな、
    と思っちゃいます。

(弘兼)飲みたくなりますね。
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真紀ぴょんは「朝からワインが飲みたい・・・」
 
ジベレリンさんのアドバイス です
「定年後からではなく、若い頃から始めるといい」
というのは、玉村さんのご意見と一致。
詳しくは次項で
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◆成功の秘訣は・・・◆
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35才のときに、体調を崩されたことをキッカケに、
奥様から「日のあたりのいい場所で野菜を作りながら
静かに暮らしましょう」と提案されたことから
野菜作りを始めたという玉村豊男さん。
将来、田舎暮らしをしたい人には、
どんな形であれ“農業に携わること”を
勧めていらっしゃいます。
  
(玉村)
 たいてい、奥さんは反対するので普通と違うケース。
 そういう女性をパートナーにするのが成功の秘訣。
 とにかく早くスタートした方がいい。
 早い段階から 少しずつ、準備していった方がいい。

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「少しずつ準備していくことが大切」(玉村さん) 
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◆田舎暮らしのできる人の条件は…◆
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玉村豊男さんが挙げる
「田舎暮らしのできる人」の5つの条件です

1.「一人遊びができる人」
  自分でやりたい趣味を見つけられる人

2.「柔軟性のある人」
  理想のイメージを持ちながらも、
  現実に合わせられる人

(玉村)憧れを持ってしまうと、田舎にも
    いろんな田舎があります。
    目の前に与えられた情況から 考える。
    それくらいの気持ちでやった方がいい。

3.「軽い気持ちに慣れる人」
  過剰な思い入れや、
  いわれのない恐れを抱かない人。

4.「夫婦の協力が得られる人」

(玉村)
 田舎の“近所づきあい”、雪が降れば“雪かき”、
 車の運転など… 生活にかかわることばかりで
 奥さんの方に負担がかかってくることも多い。
 不安な要素があれば、早くから相談して解決を。

 
(弘兼)“奥さんは東京にいて 俺は半年 田舎に…”
     っていうのはいかがですか? 

(玉村)そういう人もいますけど、寂しいですよね。
    農作業は単純作業だから、
    話をしながら でなければ難しいです。

5.「組織人からフリー稼業への価値観の転換ができる人」

(玉村)自分の時間を管理することに
    慣れなければいけない。

 
弘兼さんはこれらの条件をクリアしているようでした。
皆さんはいかがですか?
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◆団塊リポート・1◆
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時間に余裕ができたらボランティアをやってみたい
――という人が増えています。

「世田谷ボランティア協会」代表の高橋さんに
電話でお話を伺いました。
 
「世田谷ボランティア協会」は
「活動したい方」と「活動して欲しい方」
を結びつけていて、
参加されている方は、ご年配の女性や、
最近では、現役を引退された男性の
参加が増えているそうです。
 
また、ボランティアをするのが「初めて」
の方や、資格をお持ちでない方でも、
お手伝いできることは いくらでもあるそうです。

(高橋)
 簡単なことで、できることはたくさんあります。
 「話を聞いてもらいたい」という
 お年寄りの方は大勢います。

(弘兼)交通費が出るケースもあるんですか?
(高橋)受け入れる側が負担してくれるケースもあります。
 
(弘兼)
 60歳過ぎた人間が、まだまだ体が丈夫で
 何かやりたいけど、預貯金が減っていくと
 続けるのが難しいという人もいます。

 
 交通費やお弁当が出る などすれば
 自分の預貯金は減らすことなく、
 体を使って、誰かの役に立って、
 コミュニケーションができる。
 世界ではよくありますが、日本にはあまりないので
 これからは有償ボランティアを真剣に
 考える時期にきてるのかもしれません。

(玉村)参加する方も増えますね。
(弘兼)家でゴロゴロしているよりは断然いいですから。
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◆団塊リポート・2◆
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昭和24年のお生まれで、地元の町会を中心にして、
「災害ボランティア」の活動をされている月村さんに
電話でお話を伺いました。

「自分達の町は自分達で守ろう」
「災害に負けないで住み続けられる町を作ろう」
という二つのキャッチフレーズを掲げている
月村さんの町会。
活動内容は、
もし、大規模地震が発生した際にどう対処するかを
想定して、「防災地域ネットワーク」
「災害助け合い」のシステム作り、
救助、応急手当の技術を身につけたり、
小学校の避難所運営のシミュレーション…など。
 
月村さんが活動に参加するきっかけを伺いました。
 
(月村)
 きっかけは 地域への恩返しをしたい ということ。
 定年を迎えたあと「家に閉じ困らないで
 やれることはないか」――と考えた時に
 町会デビューをしまして、
 自分が育った地域への恩返し、地域貢献になると
 考えて、6年続けています。

(弘兼)不安をあおるわけではないですが、
    「災害はいつかくる」という意識を
    持たないといけないですね。

(月村)多くの方が防災意識を高めてもらうように
    していかなければいけないと思います。

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◆「ライフアート」とは◆
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2007年4月、元箱根の芦ノ湖畔にオープンした
「玉村豊男ライフアートミュージアム」では
年間を通じて、玉村豊男さんの作品が見られるほか
さまざまなイベントが開催されています。
 
「ライフアート」とは玉村さんの造語。
(玉村)命あるものを描いている、
    暮らしの中で絵を描く…
    いろいろな意味を込めてつけました。

 
(石川)絵を拝見していまして
    私は「人面トマト」の絵が好きです。

(玉村)市場に出回らない形のトマトは
    そのまま描けば面白い。
    自然に生えている花は、“シャープ”で
    絵に描きたくなるんです。

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◆エンディング◆
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たくさんのメール、FAXをお寄せいただきました
 
エンディングを迎え、玉村さんの感想は・・・
(玉村)若い頃は「60才」というと、
    「じいさん」という印象でしたけど
    なったみると、知恵も体力もあるし、
    これからですよ。 時間もできるし最高!

    (これから60になろうという皆さんにも)
    ぜひ頑張ってほしいと思います。
(弘兼)お楽しみはこれから。
    楽しんだ者勝ちですから。
 
(石川)私も後輩として、ついていきたいな、と思います。
(玉村)一緒に楽しみましょう。
    若い人もいないとつまらないから。

 
この日は放送中にたくさんの反響をいただきました。
将来、田舎暮らしをお考えの方には
とても参考になるお話ばかりだったのでは
ないでしょうか。 
田舎暮らしに関心があって、この放送を
興味深くお聴きくださっている方は
どんな方かな・・・と思ったら、
目の前にいました!
この日、誰よりも興味深く聴き入っていたのは
誰あろう弘兼憲史さんだったのでは・・・?
放送内でも、放送の裏側でも、玉村さんに
次々と質問をぶつけたいた弘兼さんが印象的でした。
 
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◆次回のドコモ団塊倶楽部は◆
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2月11日(月=建国記念日)11時~12時55分
元銀行員で、作家の 江上 剛 さんをパーソナリティーに
お招きして
「数字と経済で振り返る“団塊人生の光と影”」
題してお送りいたします。
どうぞお楽しみに!
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◆番組の中でおかけした曲目◆
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Starwood in Aspen / JOHN DENVER
風がはこぶもの / 本田路津子
ワインより甘いキス / Jackson Browne & Bonnie Raitt
マンデー・マンデー / ママス&パパス
I WILL / ザ・ビートルズ
PRIDE / 今井美樹
What a Wonderful World / ロッド・スチュアート
             Featuring スティービー・ワンダー

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「ドコモ団塊倶楽部」は熱い青春時代からラジオを お聞きいただいている団塊世代の皆様に、心地よい 音楽と話題にのせてエールを送り続けている番組です。 番組は毎月1回の放送で、2005年1月よりスタート、 あの頃も、そして今も輝き続ける団塊仲間の方のお話 を伺ったり、懐かしい時代を紐解いてみたり・・・・。 レトロに浸る心地よさと同時に、今をそしてこれからを 楽しんで生きる気分をお届けしています。 番組のスーパーバイザーは1947年生まれ団塊ド真ん中・ 漫画家の弘兼憲史さんと団塊ジュニアを代表して石川真紀アナウンサー。

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