過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2008 11月29日 放送分
「オーロラの話」(1)
コーチャー/古賀祐三さん
(クリエイティブ・サイエンスコミュニケーター)
大村正樹&古賀祐三
大村正樹
キッズのみんな、こんばんは。今回のテーマはオーロラ。みんな聞いたことあるけれど実際に見たことってないでしょう?今日のサイエンスコーチャー(サイコー)は、日本で一番オーロラに詳しい方をお招きしています。クリエイティブ・サイエンスコミュニケーターの古賀祐三さん。熱いお話を伺っていきましょう。こんばんは。
こんばんは。
大村正樹
古賀さんはオーロラの専門家ということですが、クリエイティブ・サイエンスコミュニケーターって何ですか?
  専門家といっても科学者ではないんですが、「科学は楽しいよっ」ということを伝えたり、「科学を学ぶと、こんなにいいことがあるんですよ」と伝えたりする仕事です。
大村正樹
じゃあこの番組にとって最高のサイコー(サイエンスコーチャー)じゃないですか!
  かも知れないですね(笑)。
大村正樹
たぶん、肩書きをクリエイティブ・サイエンスコミュニケーターよりも、サイコーにしたほうがいいと思います。サイエンスコーチャーという、僕らの番組で勝手につくったものなんですが。
ちょっと肩書きが長すぎですかね。
大村正樹
サイコーにしてください(笑)。
  ハハハハ。
大村正樹
サイコーの古賀さんはオーロラの専門家ではなくて、“オーロラに魅せられた男”というふうに考えたほうがいいですか?
  そうですね。オーロラが好きすぎて、こんなことやってしまっているという。
大村正樹
なるほど。「こんなこと」って何をやっているんですか?
  アラスカにカメラを置いて、撮影したオーロラを日本や世界中の人たちに、家にいながらリアルタイムで見てもらうというサービスを行っています。
大村正樹
パソコンの画面で、今オーロラがどうなっているのか見えるわけですか?
  オーロラは色々な所に出るんですが、アラスカの上空に出るオーロラをリアルタイムでそのまま見ることができます。
大村正樹
ラジオを聴いているキッズたちも、ある程度経験が豊富でもオーロラを生で見た子はきっといないですよねぇ。
  そうですね。ご両親がよっぽど大好きで連れて行かれた子どもでなければ。
大村正樹
もしいたら文化放送に電話ちょうだい。ちょっと話を聞きに行くから。
  ハハハ。
大村正樹
まずいないですよねぇ。オーロラって日本では絶対見られないわけですよね?
  そうですね。たまに10年に1回とか北海道で観測されたニュースが流れるんですけど、人間の目で見られない程度なので、日本ではまず見ることができない。
大村正樹
今日は世界地図を持ってきたんですけど、イメージでいうとオーロラが見られる場所はどこから北になりますか?
  “どこから北”というイメージだと北アメリカ大陸のアラスカ、カナダの北部より北になります。
大村正樹
北緯何度以上とかあるんですか?
  大体、北緯65度ぐらいだと確実に見えます。
大村正樹
65度、いわゆる北極圏でしか見られないということですね。
  そうですね。面白いのは、北極点になると逆にオーロラが見られなくなる可能性がある。
大村正樹
真ん中に行っちゃうとダメなんですか?
  真ん中に行っちゃうと今度はオーロラが南のほうにたまに見えるぐらいで、真上では見られないですね。
アラスカイメージ
 
このページのトップへ
大村正樹
オーロラは南極では見られないんですか?
  南極でも見えます。南極大陸に、例えば日本の昭和基地というものがあるんですが、そこの上にもオーロラが出るという話です。
大村正樹
出る。やっぱり極点に近い所でも見られる。けど、極点に近づきすぎたら逆に見られない。ほどほどの距離がいいんですね。何度もご覧になっているわけですか?
そうですね。こういう仕事を始めてから数え切れないぐらい見に行きましたねぇ。
大村正樹
僕はDVDで『Live!オーロラ2007』をお借りして、実はもう見てしまったんです。
  ありがとうございます。
大村正樹
感動しました。これは古賀さんが撮影したオーロラということですよね?
  はい。
大村正樹
オーロラってよく“光のカーテン”という表現をしますけど、まさにここに出てくる映像は“光のカーテン”なんですよ。何でこんな現象が起きるんですか?
この現象の仕組みは、世界中のものすごい科学者たちが取り組んでいても、実はまだ完全には解明されてない。
大村正樹
オーロラってそもそも何ですか?
  光っているもの自体は上空100キロ−想像がつかないんですが、宇宙空間に近い所から、上だと500キロ−国際宇宙ステーションが浮かんでいる高さぐらいの所にあります。
大村正樹
人工衛星とか飛んでいる辺り?
  ものすごく巨大な光で太陽光の反射などとは全く違って、その辺りにうすーく地球の大気があるんですが、その大気が宇宙から飛んできたエネルギーと衝突して豆電球のように光っているんですよ。だから物体なんですね、オーロラは。
大村正樹
太陽の光ではないんですか。
  全く違っていて、太陽から色々な強いエネルギーが飛んで来るんですけれど、そのエネルギーが地球上空のうすーい大気と衝突して、そこで化学反応のようなものが起きて大気がボンッと光るんです。例えば酸素がボンッと光ったり、窒素がボンッと光ったりするんですね。
大村正樹
色々な物質が爆発して発光する集合体がオーロラということですか?
  ええ。
大村正樹
光の屈折加減でチリが反射して光っているというものではない?
  そういうものではない。だから面白いのが、大気そのものが光っているので、その大気の種類によって色が違う。例えばオーロラって一番下のほう、地上から近い所がピンク色っぽく見える時があるんです。それは窒素が光っている。その上の緑色や赤い色は、酸素が光っている。
大村正樹
窒素、酸素。あと、上のほうは?
  上も酸素ですが、酸素原子とか酸素分子とか酸素でも色々形が変わるので、それによって光る色が違うんです。
大村正樹
じゃあオーロラを研究している人は、オーロラを見て感動するよりも「おっ、窒素光っている」(笑)。
  ハハハハ。
大村正樹
こっちのすごく高い所で「酸素が光っている」というふうに見るんだけど、別に古賀さんはその専門家ではない。純粋にオーロラが好きなんですね。
もうとにかくオーロラです。
オーロラ
 
このページのトップへ
大村正樹
今までの人生で見た最高のオーロラはどういうものですか?
  17年前、21歳の時に初めてアラスカで見たオーロラです。幻の“オーロラ大爆発”というものがありまして、普通のオーロラはカーテンのようにやさしくゆっくり揺れていることが多いんですが、“オーロラ大爆発”というのはまさしくその言葉通り、光がものすごい勢いで暴れまわるんです。空一面が爆発してハジけ飛ぶような。打ち上げ花火はボーンと空に上がるイメージがあると思うんですが、打ち上げ花火の一番ものすごい大きさのもの、円形の明かりが空一面に広がって、それが数分間爆発を続けるというイメージです。
大村正樹
爆発の音がするんですか?
  しないんです。
大村正樹
音のない花火のような感じ?
  音がなくて花火の何十倍もの大きさで、その明かりが1、2分ずっと激しく暴れまわる。空一面に!
大村正樹
明かりはある程度あるんですか?
  手元の本が読めるぐらい。
大村正樹
え〜っ!ちょっと今イメージがガーッと。鳥肌立っちゃった!
  それ見て、僕も鳥肌が立ちました(笑)。
大村正樹
今、ゾクゾクっと来た。寒い所ですよね。
  とても寒い所です。その寒い中オーロラを待ち続けて…。オーロラ大爆発が起きると、マイナス20度30度たまに40度とかあるんですが、寒さを忘れます。
大村正樹
いつ爆発が起きるか、というのは分からないわけですよね?
  正確には分からないんですけれど、最近は大体分かるようになりました。
大村正樹
へぇ〜。
  ただ科学的にはまだ証明されてないんですが、僕は3年間ずっと毎日観測しているので大体「出てくるな」と。科学データがリアルタイムに入ってきて、そういうデータと自分の経験上「もしかして来るかもな」というのがわかるようになりました。
大村正樹
サイコーの話を聞いて鳥肌立ったの、初めて。2年ちょっと番組をやってて(笑)。人様の話で、何でこんなに鳥肌立つの? それほど、さっきの大爆発を見たという感激の思いが伝わってきました。
そうですか。よかった。
大村正樹
たぶんラジオを聴いているみなさんにも、きっと伝わったと思います。
  言葉で想像していただければね。
大村正樹
今はそれを仕事としてやってらっしゃるわけですよね。来週その辺の話も伺ってよろしいですか?
  はい。
大村正樹
キッズのみんなに宿題。オーロラ中継をインターネットで見ておいてください。ということで、今週のサイコーはクリエイティブ・サイエンスコミュニケーターの古賀祐三さんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。
大村正樹
オーロラ大爆発の話で鳥肌が立っちゃったけど、このラボの中で熱く語られたら、本当に自分にもその状況が浮かんで来ちゃったのね。そういう気持ちになりたいキッズ、よかったらインターネットで「オーロラ中継」と検索して、古賀さんのホームページをぜひ見てください。
花火
 
続きはこちらをクリック!
このページのトップへ