過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2008 12月6日 放送分
「オーロラの話」(2)
コーチャー/古賀祐三さん
(クリエイティブ・サイエンスコミュニケーター)
大村正樹&古賀祐三
大村正樹
キッズのみんな、こんばんは。12月に入りました。今年も1ヶ月を切ったけど、みんな悔いの残らない1年の締めにしようじゃありませんか。今週のテーマもロマンティックなオーロラ。家にインターネットがあるキッズ、オーロラの中継を見てくれたかな?オーロラ、それから好きなものに尽くすというロマンの話を聞いていきたいと思います。今週のサイエンスコーチャー(サイコー)も、クリエイティブ・サイエンスコミュニケーターの古賀祐三さんです。こんばんは。
こんばんは。
大村正樹
みんなはオーロラのライブ見たかな? 僕は見ました。
  ありがとうございます。
大村正樹
登録をすれば無料で見られるんですね。
  そうです。
大村正樹
ただライブ、めちゃめちゃ退屈だったんですけれど(笑)。
  ハハハハ。
大村正樹
あれ、何とかしてくれません?だって、全然何も出てこない(笑)。
  すみません。見るコツというか楽しむコツが二つありまして、一つは数万人の方があのホームページを常に利用しているので、待ってる間もそういう人たちと会話できる。
大村正樹
チャットで?
  チャットみたいなものとか。あとはそこでお友だちをつくって、その後一緒にオーロラを見に行く人も生まれたりしている。そういうふうな楽しみ方がまず一つ。
大村正樹
なるほど。そういう入口、キッカケなんですね。あとは、色々引っ張りだせばオーロラの映像を見られましたからね。
  そういう過去の映像を見るのも楽しみの一つ。もう一つが、先ほど「本当に退屈」とおっしゃったんですけれど、実はオーロラ観測で一番楽しいのが待っている時なんです。
大村正樹
ハァ〜?
  ずっと待ち続けて、待ち続けて。オーロラに恋焦がれて、ようやく出てきた時の喜びが、これが一番楽しいんですよ。
大村正樹
結婚する前と後に似てますね。
  似てます。ものすごい、世界一美しい美女を待ち続けていて、もうすぐ現れると知っているんだけど、ずっと待ち続けて「もうダメかなぁ〜」とあきらめてパソコンから離れちゃった人は二度とその美女と会うことができない。
大村正樹
なるほど!素晴らしい例えですねぇ。古賀さんに聞きたいと思ったのが、あのホームページを開設されてて、カメラが北極の近くに、アラスカにあるわけですよね。それは古賀さんの持ち物ということですよね。こわれちゃったらどうするんですか?
こわれたら交換に行くしかなくて。
大村正樹
アラスカまで?
  ええ。簡単な部品は向こうにちょっと手伝ってくれるおじさんがいて、そのおじさんに飛行機便で送って部品を交換してもらうことがあるんですが。
大村正樹
部品を飛行機で送って、その“アンクル”おじさんが「ヘイへイ」と直してくれるんですか?
  ブライアンおじさんが(笑)。ヒゲもじゃのおじさんで、じっくり画面を見てるとたまにブライアンおじさんがカメラの前を歩いて横切る時もあります。
大村正樹
そうですかぁ(笑)。
  一生懸命に雪かきをしてます。
パソコン
 
アラスカ
 
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大村正樹
雪が降ったりするとレンズとか汚れちゃうから、おじさんが掃除するわけですか?
  おじさんが掃除してくれる時もあります。
大村正樹
へぇ〜。ちなみに『Live!オーロラ』のページは、そのおじさんと古賀さんの二人だけでやってるようなものですか?
  ものすごい大きな仕組みでできているので、たまに手伝ってくれる仲間もたくさんいるんですが、常時やっているのは僕とブライアンおじさん。
大村正樹
すご〜い! あの『Live!オーロラ』は何人ぐらいの人が見てるんですか?
  アクセス数は月に多い時だと500万ぐらい。
大村正樹
え〜っ!! 日本人だけじゃなくても?
  ほとんど日本人。
大村正樹
日本人だけで500万人も見ている!あぁすごい!
  これから冬本番、たぶん今年の12月、あと2ヶ月後だと800万ぐらい行く。
大村正樹
シーズンですからね。古賀祐三さんのプロフィールを見ると、「92年、今から16年前に1冊のオーロラ写真集と出会い、体に電気が走る。97年、初めてのアラスカでいきなりオーロラ爆発と遭遇、完全に心を奪われる」。で、「94年から99年、オーロラを仕事にするための技術と経験を積む。2000年、会社員生活に別れを告げ、オーロラで食べていくことを決心」。今日に至っているわけでしょう?
ハハハハ。
大村正樹
オーロラで食べてるんですか?
  もう食べてます。
大村正樹
オーロラを職業としている?
  完全にしてます。
大村正樹
ちょっと待って。何で儲かっているんですか?
  実は『Live!オーロラ』というオーロラ中継のプロジェクトで。もちろんこういうDVDで食べているのもあるんですが。広告収入とか、それ以外に科学とつながりがあるんですが、プロの科学者たちの色々な研究を手伝ったり、大気を観測するための装置をつくってあげたりとかの仕事もやって食べてます。
大村正樹
それを決心したのが今から8年前だから29歳か30歳ぐらいですか?
  そう、29歳の頃です。
大村正樹
十分食べていけるお金はもらえたんですか?
  全然ですね(笑)。ここ数年はおかげさまで、すごく食べていけるようになった。
大村正樹
すごく食べていける(笑)。
  いえ、そこそこ(笑)。
大村正樹
じゃあ、焼肉屋へ行きました。特上カルビ、上カルビ、カルビがあります。さぁ、どれを食べますか?
  ハハハ。カルビなんて食べられませんみたいな。
大村正樹
まだダメですか(笑)。この何年かは大丈夫だけど、初期の頃はやっぱり大変だったわけですよね?
  全然食べていけませんでしたね。
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大村正樹
だけど、好きなことを仕事に選んで、30歳を過ぎて来るわけですよね。「俺の人生、これで大丈夫かな?」と思わなかったですか?
  思いました。一日に何回も思って悪夢にうなされた時もありました。ただ何か「やる!」って決めたので、それこそ一回きりの人生ですから、もう「やる!」と決めたら自分が納得するところまで行かないと止めたくないとやっぱり思いますから。ずっとしがみついて一生懸命。そうすると、どうやったら食べていけるかとか、どうやったら自分が目指すところにいけるか真剣に考えるんですね。すると、どんどんどんどんヒントが生まれてきて、そのヒントを一つ一つチャレンジしていくとチャンスが必ずやってくる。それをすごく身にしみて感じた数年間でした。
大村正樹
8年前に「オーロラで食べていこう!」という決意が今日に至っているわけですね。
  はい。
大村正樹
今、特上カルビも食べられるようになったわけですね(笑)。
  ハラミぐらいなら食べられます(笑)。
大村正樹
すごいじゃないですか!だけど当初はオーロラの一ファンだったわけで、ファンだったものを職業とするのは男としては最高ですが、反対する声もあるわけですよね。
ありますねぇ。
大村正樹
そういう声はどうやって説得されたんですか?
  今でもたまにあるんですが、そういった声には分かって欲しい相手、例えば大事な友人とか家族には分かってもらえるまで説明し続ける。あとは、やっぱり男なので結果を残すことが、一番説得力がある。自分が「こういうことをやろうとしている。みなさんに伝えようとしている」と言っても結果を残さなければ聞いてくれない。頑張って何年かかってもいいから結果を出して、「僕の言いたいことはこうだったんですよ」と言うとようやくそこで納得してくれる。ほとんどそこに注力していたというか、集中してました。
大村正樹
なるほどねぇ。これからの古賀さんのオーロラに対する夢とかビジョンは何かあるんですか?
  この『Live!オーロラ』のプロジェクトで一つのゴールを決めていて、今インターネットの画面で見ることができるサービスですが、やっぱりナマで見るのが一番いい。でも、お金がかかるしマイナス何十度に行くことができない人もいるので、日本にいながらナマの、雄大なオーロラが空一面に輝く様子を見せる施設を造るのが夢です。
大村正樹
プラネタリウムみたいな?
  ええ。形はプラネタリウムみたいですがもっと本格的に、アラスカに雪が降っていたら地面にも雪が積もっていて、見上げるとそこにはアラスカから届いたナマの映像があるという。
大村正樹
なるほど。じゃあ何年か後にオーロラドーム。名前は何にしましょうか?
  一応『オーロラ中継ドーム』と言ってるんですが、また長くなっちゃって(笑)。
大村正樹
いや、つまんない。もっと面白いものに(笑)。名前を聞いた瞬間、そこでオーロラが見られるんだということですよね。何だろう? ラジオの前のみんなも考えましょう。
今日から僕の肩書きはサイコーになったんで(笑)。
大村正樹
そうです。これからサイエンスコーチャーのサイコーでやってください。譲ります(笑)。
  ありがとうございます(笑)。
大村正樹
僕はサイコーじゃない、助手です。ただの主任研究員です(笑)。ということで、2週間楽しいロマンのある話をありがとうございました。
ありがとうございました。
大村正樹
今週のサイコーは、クリエイティブ・サイエンスコミュニケーターの古賀祐三さんでした。ありがとうございました。
大村正樹
今日のサイコーの古賀さんより僕はちょっとお兄さんというかおじさんだけど、自分のこれまでを振り返ってみると「本当にちゃんと好きなことをやっていけるだろうか?」など色々考えちゃったなぁ。キッズたちもよかったらお父さんお母さんに「人生悔いない?」と聞いてあげて。そうするとまた家族の会話が盛り上がるかも知れないし、ひっぱたかれるかも知れませんけどね(笑)。
アラスカ
 
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