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2006年05月14日

野球って恐ろしい

インボイスSEIBUドームで3塁側のベンチレポーターをする時の楽しみの一つに、
グラウンドレベルで好投手の迫力ある投球を間近で見られることがある。

今日(12日)の内海も最高だった。
横から見ているからコースは分からないが、力のあるボールが低めに集まり、
変化球は見事にバッターのタイミングを外していく。
打線は1回にラッキーなタイムリーで1点取っただけだったが、それで十分に思える内容だった。
西武の松坂の投球も力がこもり、見事な投手戦を時間がたつのも忘れて見入っていた。

そして、8回、ついにその時がやって来た・・・

先頭中村にヒットを打たれながら2アウトまでランナーを進めず、これでこの回もしのいだと思ったその時、
赤田の何でもないセカンドゴロを、ランナーがスタートしたためにセカンドベースカバーに入ろうとした
仁志が逆をつかれてセンター前ヒットにしてしまい1,2塁。
これがあまりに痛く、続く中島にレフト前タイムリーを打たれて同点。
7回までならタイミングを外しきっていた変化球をうまく拾われてしまう。
さらにカブレラに粘られ、外しきれなかった高めの直球がいい高さに入ってきてしまい
決勝タイムリーを打たれてしまう。
見事な投球が台無しになってしまう、まさに恐ろしい、あっという間の出来事だった。

試合後、原監督は投手交代について「今日は内海に任せたということだから」と話した。
結果的にはそれが裏目に出てしまった形だが、では内海に任せたことは失敗だったのだろうか?
そうは私には思えない。高橋尚の故障離脱の穴を埋めるに十分以上の安定感で勝ち星を重ね、
この日も抜群の投球内容の内海が、このピンチをしのげばさらに一皮も二皮もむけたはず。
逆に打たれてしまったことで、改めて野球の恐ろしさを感じ、近づいた勝利を自分のものにするために
必要なあとちょっとを感じ取ることができたに違いない。
原監督は続けた。「松坂の壁が高かった」。でも、その壁に真っ向から立ち向かっていくことのできる
若い力を、20372人のファンは感じ取ったに違いない。

                                                上野智広

3塁側ベンチからマウンド
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 2006年05月14日 12:33