過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分
「科学の楽しさ」(2)
コーチャー/湯本博文さん(学習研究社 科学創造研究所)
大村正樹&湯本博文
大村正樹
キッズのみんな、明けましておめでとうモゥ〜!サイエンステラーの大村正樹だモゥ〜。みんな、お正月楽しんでいるモゥ〜。おいしいお雑煮とかたくさん食べて、お年玉をもらってダラダラして横になっちゃってると牛になっちゃうよモゥ〜。でも今年は丑年だから、まぁそれもよしとしましょうかね。今年も「大村正樹のサイエンスキッズ」、どうかよろしくお願いいたします。さぁ今年初のサイエンスコーチャー(サイコー)は、去年の暮れに続きまして“学研のおじさん” 湯本博文さんをお招きしています。どうしたら科学が楽しめるのか?じっくり聞いていきましょう。湯本さん明けましておめでとうございます。
おめでとうございます。
大村正樹
年末ありがとうございました。
  いえ、こちらこそ。
大村正樹
2009年最初のサイコーということで、最高のものをお持ちいただいたようで。何ですか、その最高のものとは?
  これは空気エンジンカーと言います。
大村正樹
空気エンジンカー。おめでたい。素晴らしい!30センチぐらいの非常に長い車、レーシングカーみたいなものが出てきました。タイヤは4個。後ろのほうに何か付いてる。
これがエンジンですが、ガソリンエンジンとそんなに構造が変わらず、圧縮された空気が元に戻る時のパワーで動くエンジンなんですよ。
大村正樹
ということは、筒みたいなところがありますけれど、筒の中に空気をいっぱい入れて離すとバッと。
  バリバリバリって動くんです。
大村正樹
勢いよくオナラをしたら天井に頭がぶつかるのと同じ感じですかねぇ。
  ハハハハッ。
大村正樹
よく漫画でありますからねぇ。
  ちょっとやってみましょうか。
大村正樹
自転車の空気入れのミニチュア版みたいなものが出てきて、車の本体、筒みたいになってますが、透明の筒みたいなところに空気を入れてます。
はい。これぐらいでいいでしょう。
大村正樹
空気がたまった。真ん中の筒はプラスチックだから、ふくらんだりしないんですね。
  カチカチになってます。これをちょっと回してあげると。ブーッ…(エンジン音)。
大村正樹
ちょっと待って、違う。全然オナラの原理じゃないですね。
  ハハハ。
大村正樹
空気の勢いで風船が飛び出すように車が動くかと思ったら、ここにギアとか付いてて。
  シリンダーの中にピストンがあるんですね。
大村正樹
ピストンが付いてて動力になっているんですか?
  そのピストンを空気が押すんです。
大村正樹
ガソリンとか車のピストンが動くのと、同じ感じのエンジンになっているんですか?
  同じです。
大村正樹
素晴らしい、おめでたい!僕が子どもの時は学研の付録で「空気カー」といって変な風船が付いてきて、ふくらまして車がシュワーッと飛んで行くのがありましたけど、今は進化してエンジンになって…。いわゆるバルブですね。時速何キロぐらい出るんですか?
100メートルを15〜16秒で走ります。
大村正樹
ちょっと足の速いキッズとほぼ同じじゃないですか。
  そうですねぇ。私、競争したけどかなわなかった(笑)。
レーシングカー
 
このページのトップへ
大村正樹
ほんとですかぁ。空気を1回満タンにすると何メートル走るんですか?
  おそらく直線で150メートルぐらい行くんじゃないでしょうかね。
大村正樹
へぇ〜。ラボがもっと広ければ…。いやぁ見たかったなぁ。空気エンジンカーは何年生の『科学』の付録ですか?
  これは『科学のタマゴ』の付録で学年別じゃないです。小学生だと大体4年生が中心ですけど、中学生でも別にいいんです。
大村正樹
学研の別物バージョンで販売してるんですね。『科学のタマゴ』という。
  そうです。“タマゴ”にちょっと意味が込められてるんですけどね。
大村正樹
何でですか?
  要するに、こういうものを子ども時代に色々実験してもらって、大きくなったらタマゴからかえって素晴らしい大人になって欲しいという。
大村正樹
今の僕ですよ〜。
  ハッハハハ。
大村正樹
『科学のタマゴ』をもとにして、今の大村があるんです。
  そうですか(笑)。
大村正樹
これは書店に行ったらお年玉で買えるんですか?
  はい。今、最新号がちょうど出てると思います。取り寄せれば必ず買えますから。
大村正樹
なるほど。空気エンジンカー、驚いた〜。
  正式には空気エンジンレーサーと言います。
大村正樹
空気エンジンレーサー。先週も聞き忘れたんですけど、湯本さんはこういう学研の『科学』の付録をつくる人なんですか?
  そうです。付録づくりをずーっとやって来ました。
大村正樹
何年間やってらっしゃるんですか?
  1990年からずっと付録づくりを。
大村正樹
じゃあ2009年だから、今年でもう20年目ということですね。やっぱりちっちゃい頃から科学に興味があったんですか?
  科学というか物づくりは好きだったですね。何でも自分で工作して、実験もよくやってました。
大村正樹
例えばどんな?
  姉が3つ上ですが、中学校の教科書をのぞき見して電気分解とかすごく興味があった。それこそ『科学』の付録にある試験管を使って…。その時は塩水で水素と塩素だったんですが、水素を取り出して火をつけてボンッと燃やして遊んでましたね(笑)。
大村正樹
すごい基本的なことですけど、電気分解って電極みたいなものを入れて電流を通すと塩分が片方のプレートに付いて、というやつでしたっけ?
塩分というか普通は水でやるんですが、水素と酸素に分けるわけです。
大村正樹
水を水素と酸素に分ける。それはどうやってやるんですか?
  本当は白金とか使うんでしょうけど、私がやった時は鉛筆の芯を電極にしてやりました。
大村正樹
へぇ〜。それで、その水素はどこにたまるんですか?
  試験管の中です。容器に試験管を直立に2本立てて、その中に電極をセットするんです。そうするとブクブクブクと泡がそれぞれ出てくるので。
大村正樹
その泡をためて火をつけたら爆発するんですか?
  ポッと燃えるんです。小気味いい燃え方をする。
大村正樹
小学校時代に?
  ええ。
大村正樹
デンジャラスキッズですねぇ。でも、それはそれでいい経験ですよね。
  それが、水素と酸素がうまく取り出せるようなことになると、ちょっと危ない。2対1で混合すると爆鳴気(バクメイキ)というものすごい威力を発揮する気体になりますので。
試験管
 
このページのトップへ
大村正樹
へぇ〜。
  このぐらいのものでも、燃やすとパーンと言いますね。
大村正樹
ほんとは水素と酸素は何対何ですか?
  2対1です。
大村正樹
元々2対1。じゃあ、元々危ないんですか?
  水の状態では危なくない。だけど、それを分解して水素と酸素にガスを分け、2対1で混ぜるとものすごいエネルギーが出るんです。
大村正樹
なるほど。
  その反応の結果はまた水で、これまた面白いんですけれど。
大村正樹
単に水素だけを爆発させるよりかも危ないという。
  危ないです。
大村正樹
酸素があると余計燃えると言いますものね。ちなみにご出身はどちらですか?
  東京の大田区、大森というところです。
大村正樹
そうですか。じゃあ、そこで野山を駆けめぐるより、どちらかというと屋内で?
  両方好きでしたよ。家でシコシコ自分で何か作るのも好きだったし、友だちと野球をやったり、ほら穴探検とか。
大村正樹
そういうのもやってたんですか?
  防空壕(ぼうくうごう)がまだたくさん残ってましたから。
大村正樹
大田区にあったんですか。へぇ〜。昔、学研って大田区にありましたよねぇ。
  そうです、そうです。
大村正樹
じゃあ、地元に就職したようなものですね。
  私も『科学』の読者でしたから、子どもの頃に自転車で「『科学』を作ってる会社はどんなところだ?」と見に行ったことがあります。「あ、ここで作ってるんだ」と思って(笑)。
大村正樹
それがもう運命ですねぇ。
  そうかも知れないですね(笑)。
大村正樹
この仕事を選んでよかったですか?
  よかったです。ほかに考えられませんねぇ。
大村正樹
そうですか。科学の申し子みたいな方ですね。いやぁおめでたいです。まだまだ研究をされてるわけですよねぇ。
  そうですねぇ。自分でやってると、まだ発見がたくさんあるんです。今新しい付録の開発をやってまして。開発の途中なんでちょっとしゃべれないですけど。
大村正樹
マル秘で。だって最近ほかのメーカーでも、学研のコンセプトみたいな「あれっ、どっかで見たな」というのがありますもの。そういうのは実際どうなんですか?
まぁ喜ばしいことじゃないけど、法に触れなきゃいいんでしょうが。
大村正樹
「パクルなよっ」って言ったほうがいいですよ。
  ハッハハ。
大村正樹
分かりました。55歳にしてますます新たな研究を続けてください。
  はい、頑張ります。
大村正樹
2009年最初のサイコーは、学習研究社 科学創造研究所の湯本博文さんでした。ありがとうございました。
  どうも失礼しました。
野球
 
このページのトップへ