過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2008 12月27日 放送分
「科学の楽しさ」(1)
コーチャー/湯本博文さん(学習研究社 科学創造研究所)
大村正樹&湯本博文
大村正樹
キッズのみんな、こんばんは。番組も今年最後の放送になりました。もう冬休みに入ってるけど片付けとか大掃除の手伝いとか、みんなやってる?さぁ今年最後のサイエンスコーチャー(サイコー)は“学研のおじさん”です。『5年の科学』とか『6年の科学』とかあるでしょ?その付録をつくる人なんだって。学習研究社 科学創造研究所の湯本博文さんです。こんばんは。
こんばんは。
大村正樹
学習研究社、学研ですね。僕は学研の申し子です。
  あぁそうですか(笑)。
大村正樹
「まだかな、まだかな〜、学研のおばちゃんまだかな〜♪」という、あれ。日本で一番おばちゃんを待ち遠しかったのは僕、大村正樹です。間違いなく(笑)。
ありがとうございます(笑)。
大村正樹
ほんとにおばちゃんが来ましたからね、チャリに乗って。あぁなつかしいな〜。といっても学研まだありますものねぇ。
  まだあります。
大村正樹
僕も中一の男の子がいるんですが、去年までは魅力的なおまけ、付録があると書店で買ってました。1260円出して。
  ありがとうございます。
大村正樹
湯本さんはこの学研で研究されているんですか? 所長さん?
  そうです。
大村正樹
何を研究されているんですか?
  どうすれば多くの人に科学の面白さが伝えられるかなぁということをやってます。
大村正樹
この番組のコンセプトにぴったりの方じゃないですか。今日は短い時間ですけど、科学の面白さをぜひ伝えてください。
  はい、分かりました。よろしくお願いします。
大村正樹
色々と科学実験みたいなものを出張してやられるんですか?
  そうですね。実験ショーとか実験教室とか色々やりますね。
大村正樹
最近はどこかでやりました?
  最近は、千葉でリニアモーターカーがらみのものをやりましたねぇ。
大村正樹
今、学研の付録にリニアモーターカーがあるんですか?
  今現在は無いんですけど、ちょっと前まで超音波リニアというものが付いてました。超音波振動子というセラミックでつくったものに電気を流すと、振動するんですよ。それを置くと車輪がないのに振動でスーッと動くという、ちょっと不思議なモーターなんです。
大村正樹
そういうものも『科学』に付録として?
  最先端のものというか新素材のものを時々付けたりしますね。
大村正樹
“最先端を最前線へ”ですねぇ。この番組のコンセプトにぴったりです!ということで、今日は湯本さんに学研の何かこう…。―何ですか?目の前に紙コップが2つ、90度の角度を持って。これは学研の付録ですか?
付録じゃないんですが、付録から進化した『大人の科学 製品版』と言いまして、コップに自分の声が録音できる、エジソン式コップ蓄音機というのを持って来ました。
大村正樹
エジソン式コップ蓄音機。エジソンって蓄音機を発明した人ですよね。じゃあ、エジソンの考えに基づく蓄音機ということですか?今、目の前にちょっと見慣れたものが…。
まぁ身近なもので作っていますけれど。
大村正樹
なるほど。えっ!これで音が出るんですか?
  音が記録できる。まず音をつかまえて…。
実験
 
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大村正樹
録音できて、それを再生できるんですか?
  再生できます。
大村正樹
ちょっとやってみてくださいよ〜。
  では、やりましょうかねぇ。
大村正樹
紙コップが2つ分あって、モーターが付いてて。今、湯本さんが紙コップの片方へ口を向けてます。
  この紙コップの底には針が付いているんですね。これから大きな声でしゃべりますが、そうすると振動して針が震える。その震えが下の回転するコップに伝わるわけです。
大村正樹
モーターが付いているけれど、録音の仕組みに電気は関係ないんですか?
  電気は関係ないです。
大村正樹
針の震えだけで録音ができるということですか?
  はい。私がこれからしゃべる音のエネルギーを振動に変えて、その振動だけで音の溝を作るわけですね。
大村正樹
今日はラボに僕の助手以外に湯本さんの助手の美しい女性もいるんですが、助手がいないとこれはできないんですか?
  ちょっと輸送中にハンダという部分がはがれて接触不良を起こしまして(笑)。
大村正樹
輸送というそんな大それたもんじゃないと思うんだけど(笑)。
  コロコロと(笑)。
大村正樹
30センチ四方ぐらいなんで、持って来ただけですよね(笑)。
  旅行カバンに入れて転がしてきたんですけどね(笑)。では、実験してみましょう。「この時間は最先端を最前線へ、日立ハイテクノロジーズがお送りします」。
大村正樹
何だ、すごい!ありがとうございます(拍手)。これは今、録音できたんですか?
  できたと思います。
大村正樹
モーターで紙コップがクルクル回って、2つある紙コップの内の1つに湯本さんが叫んで、もう1個のモーターで回る紙コップのほうに録音されているということですね。
そうですね。
大村正樹
ちょっと待って。これマイクで拾えるかなぁ。
  やってみましょうか。
※再生音「この時間は最先端を最前線へ、日立ハイテクノロジーズがお送りします」。
大村正樹
素晴らしい!!(拍手)
  ありがとうございます。
大村正樹
紙コップというかプラスチックコップですね。
  そうですね。透明な使い捨ての。
大村正樹
キャンプとかバーベキューの時に使うこんなペラペラのプラスチックコップに、あっ、1ミリ間隔でスジが付いてる!これがキズ?
  これが音の溝になるわけですね。
大村正樹
じゃあ、今吹き込んだ湯本さんの声が針を振動させて、このプラスチックがクルクルらせん状に回って、真っ直ぐに見えるけれど微妙に振動して音になる。
だから、よーく見るとただの溝じゃなくて横に揺れてるはずです。
マイク
 
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大村正樹
今のキッズは知らないかもしれないけれど、これはレコード盤の原理と同じですね。
  同じです。
大村正樹
レコードの針と同じ仕組みで、プラスチックのコップに針で音を刻み込んだということですね。ちょっと待てよ、これすげぇ!これは紙コップだけど、同じ機械があれば別の所へ持っていって湯本さんの声を違う場所で再生も可能ということですね。
可能です。
大村正樹
持ち運び可能。本当にレコードとかカセットテープ、CDとかMDと同じような感じになっている。すごい!
  大事に取っておけば10年経っても100年経っても私の声は聴こえてくる。
大村正樹
今こうやって聴いてる野太い、ダンディな細川俊之さんみたいな声をされている方だけど、録音したらちょっとひ弱な感じですね。
  回転数がちょっと変わっちゃったんです。
大村正樹
回転が若干早くなっているんですかね、録音した時よりも。
  ええ。
大村正樹
へぇ〜。でも、すごい。エジソンが発明した蓄音機とこの蓄音機は、基本的な概念というか作りは同じと考えていいわけですか?
  同じです。でも細かく言うと、振動は振動ですがエジソンは縦振動にこだわってます。われわれが知ってるレコードはすべて横振動です、LPにしてもEPにしても。エジソンは縦振動で上下に針を振動させて記録したんですよ。
大村正樹
エジソンって100年ちょっと前の人ですよね。
  もう生誕150周年は越えましたので、生まれてから160年ぐらいになりますかねぇ。
大村正樹
じゃあ、百何十年も前にこの仕組みを発明して、今もこの原理によって音を録音することが学研の付録でできるってことですね。
  そうです。追体験ができる。
大村正樹
へぇ〜。別に媚びるわけじゃないですけれど、完全に“学研派”だったんですよ。
  ありがとうございます。
大村正樹
僕がこんなに好奇心のかたまりになったのは学研の付録なんです。そこに答があるようで、無くて…。たぶん一生懸命に読めばその原理とか答に気付いたと思うんですが、当時はそういうのが面倒くさくて付録の結果だけに満足してた。やがて大人になって、あの時に学研であんな現象があったけど、それが今につながっているんだということを繰り返しながら成長してきた。
それでいいんです。
大村正樹
いいんですかぁ。ありがとうございます、本当に(笑)。今年最後の放送だけれど、まだ持ってきてるものがあるんですよね。
  ありますよ。
大村正樹
来年の年頭、記念すべき第一発目1月3日にぜひ湯本さんにお越しいただきたい。
  ありがとうございます。また、ぜひおじゃましたいと思います。
大村正樹
今年最後のサイコーは、学習研究社科学創造研究所の湯本博文さんでした。ありがとうございました。
  ありがとうございました。
大村正樹
いやぁ『科学』の付録なつかしいなぁ。番組を聴いてらっしゃる大人の世代の人も「なつかしいなぁ」と思った人は多いでしょう。「あそこで色々好奇心を持ったから、今の自分があるのかなぁ」なんて思ってるのは僕だけじゃないと思います。今年はこれで最後になりますが、1年無事に務め上げることができたのもみなさんのおかげだと思ってます。ありがとうございました!!みんな、よいお年を!そして1年ありがとう!!
カセットテープ
 
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