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過去の放送分 過去の放送分 2008 10月4日 放送分
「地球温暖化の話」(2)
コーチャー/野沢徹さん(国立環境研究所)
大村正樹&野沢徹
大村正樹
キッズのみんな、こんにちは。10月になりましたが、2学期制のキッズは後期が始まったよね。ということは、通知表をもらった?結果は人それぞれだったと思うけど、元気よくやろうね。さぁ今日のテーマも地球温暖化。温暖化が進むと暑くなるだけじゃなくて、生活する上で色々なことが起きてしまう。そのために僕らは何をしていけばいいのか? 興味深い話をじっくり聞いていこう。今週のサイコーも国立環境研究所の野沢徹さんです。こんにちは。
こんにちは。
大村正樹
先週のお話しで、温暖化が色々な影響をもたらすことを学びました。では、僕らはどうすればいいのかということです。野沢さん、まず温暖化は何が一番いけないんですか?
温度を変える原因は、いくつか考えられます。例えば、この100年で2℃ぐらい上げてしまった最大の原因は、大気の中にある二酸化炭素の量が増えているから、ということが分かってきました。
大村正樹
CO2というやつですね。
  そうです。地球は太陽から熱を受けたら、その熱をもう1回戻すんですけれど二酸化炭素、CO2が増えることで戻す熱を大気の中に蓄え、溜めこんじゃう。それで、どんどん温度が上がっているんです。
大村正樹
僕らがしゃべっている時に二酸化炭素を出していると理科で習いましたが、「息を止めろ」っていうわけじゃないですよね。
  そこがすごく面白いところでもあるんですが、人間が吐く息は元々、動物の肉や野菜の葉っぱなど、食べ物からつくられます。元をたどっていけば、植物を食べる草食動物を肉食の動物が食べて、それを人間が食べる。最終的には植物の二酸化炭素を人間が食べて出していることになる。その植物は、空気の中の二酸化炭素を取り込んで酸素を出しています。私たちが吐いている二酸化炭素は、一旦植物が大気から取り込んだものをまた戻しているだけなのです。
大村正樹
リサイクルしてるんですね、僕たちの二酸化炭素は。一周して、また植物にあげている。だから吐く息は問題ないけど、それ以上に余分な二酸化炭素が今の時代は多すぎるということなんですね。
はい。余分な二酸化炭素が何かと言うと、地面の中にある石炭や石油を掘り出して燃やすことによって、地中にあったものを大気中に出す。それはリサイクルできていませんから、そのまま地球に残っちゃうんです。
太陽
 
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大村正樹
それが温暖化の影響につながってくわけですね。では、分かりやすく言うと僕たちはどうすればいいんですか?
  そうですね、とにかく二酸化炭素をできるだけ出さないようにすることです。例えば一番身近にできることは、これから冬を迎えますが暖房を使いますよね。それらは石油を燃やしたりして二酸化炭素を出しますから、なるべく燃やさないようにする。つまりは暖房の温度をちょっと低めにする。
大村正樹
冬は何度ぐらいがいいんですか?
  そうですねぇ。暖房は20℃とか、できれば18℃ぐらいに。
大村正樹
18℃って言いますよねぇ、キツイんですよ。特に、寒いところから部屋へ帰ってきた時なんかは。18℃は「ちょっとどうなの?」って。18℃かー、よしこの冬頑張ろう!
でも、寒さを防ぐ対策は暖房に頼る以外にもあります。それは、夏場よく、国会議員のみなさんがクールビズでネクタイを外されている姿を見たことがあると思いますが、その逆のウォームビズというものです。普段より多めに着ることで体感温度を上げ、暖房を低めに設定します。そうすれば二酸化炭素は少ない量に抑えながら、人間としても快適に暮らせる方法なのではないか。
大村正樹
「真冬に部屋の中でTシャツはだめだよ」ということですね。
  そうですね。Tシャツで暖房25℃ということはぜひ止めてほしい。
大村正樹
ちなみに専門家の野沢さんがずっと研究されてて、ウォームビズに一番適した服は何ですか?
  ウォームビズにはやっぱり一番軽い、毛糸で編まれたセーターみたいなものがいいですね。保温性がありますから。
大村正樹
最近は化学製品でフリースとかありますが、フリースと毛糸だったらどうですか?
  どうでしょうねぇ。フリースも保温性があると思いますので。僕も好きでよくフリースを着ます。
大村正樹
僕もフリース派なんです。ただ脱ぐ時、パチパチッと静電気がくるので嫌なんですけど。
  そうですねぇ(笑)。
羊
 
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大村正樹
毛糸は高いけど安いしね、フリースは。そうですか、よしよし、ちょっと厚着をしよう。あとは、他に日常生活で気を遣うことは?
  みなさんでもできることを言うと、できるだけ電気をつけっぱなしにしない。それも、いわゆるライトだけではありません。例えばテレビをリモコンで消すだけではなくて、本体にあるメインスイッチの電源を切ると、その分待機電力がなくなるんです。リモコンで切るだけだと、いつ電波が来るかなとずっと待っているんです。その間は電気を使ってるんですね。つまり、石油を燃やしているということです。
大村正樹
待機電力ねぇ。わが家はテレビ本体にハードディスクが入っていて、録画できるんですよ。主電源を切っちゃうと予約録画ができない。僕の勝手な事情なんですが…。いやぁ、どうしよう〜。悩む。悩ましい。でも、録画機能が付いてないテレビだったら、主電源切ったほうがいいですよね。
使う予定がない時には、できるだけ消しましょう。
大村正樹
分かりました。地球温暖化は多分ほとんどの子どもたちが理解していると思うんです、「僕たちの将来が危ないぞ」って。野沢さん、最後にラジオを聴いているキッズたちに温暖化に対してメッセージがありましたら、ぜひお願いします。
はい。先週も、例えば100年後に最悪の場合は6.4℃ぐらい温度が上がると言いましたけれど、うまくいけば1℃や2℃ぐらいで済む可能性も十分あるんです。その違いは何かと言うと、「この先どういうふうに私たちが暮らしていきますか?」、「どういう世界を望みますか?」ということ。ですから、「もう何をしても無駄なんだ」と思うんじゃなくて、「自分たちで将来を変えられるんだ!」というふうに考えて一つ一つ努力してもらいたいなと思います。
大村正樹
今年は「地球温暖化サミット」が北海道の洞爺湖でありましたよね。そこで出された目標値は相当厳しいですが、実現できますかね?
理論上というか、計算の上ではできると思います。
大村正樹
できる!?
  例えば、太陽熱の発電とか風力発電などを徹底的にやっていけば、不可能ではありません。
大村正樹
分かりました。キッズたちが大人になった頃に二酸化炭素排出量を今の半分にするという目標があるんだけど、どんどん世の中が便利になり、とても追いつかないような気がしてました。でも、太陽熱発電とか進歩していけば、夢じゃないということですね。
そうですね。今後の技術革新がどれぐらいできるかで変わってきます。だからみなさん頑張って技術を開発したり、もちろん日々一人ひとり努力をしてもらうことも大事だと思うので頑張っていただきたいと思います。
大村正樹
ラジオの前のキッズも将来こういうお仕事について何らかの開発に携わるとか、新しい目標みたいなものを作ってくれたら、今日の放送は有意義になったんじゃないかと思います。みんな、どう思ったかなぁ?今週のサイコーは野沢徹さんでした。2週にわたってありがとうございました。
ありがとうございました。
テレビ
 
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