過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2008 3月1日 放送分
「エイリアンの話」(1)
コーチャー/松岡均さん(日本科学未来館)
大村正樹&松岡均
大村正樹
さぁ、突然だけど、エイリアンという言葉を聞いたことあるよねぇ。良い者か悪者か? たぶん皆、悪者というイメージしてると思うんだけど、今日はエイリアンの話を聞いていくよ〜。今週のサイコーは日本科学未来館の松岡均さんです。こんにちは。エイリアンの専門家ということですね?
そうですねぇ。正確に言うとエイリアンというより、宇宙とか天文関係の展示を担当しています。
大村正樹
エイリアンは、ちなみに正確には何ていう意味ですか?
  地球外生命ですね。
大村正樹
宇宙人とエイリアンの違いは何ですか?
  宇宙人でもいいんですけど、何か宇宙人というとどうしても地球人みたいな人の形を想像しちゃいます。実際には見つかってないんですが、もし見つかったとしたら全然地球人と違う形をしているので、そういう意味で宇宙人というのはちょっとどうかなとも言えます。
大村正樹
エイリアンのほうがよいということですかねぇ?
  そうですね。
大村正樹
エイリアンは何か悪者のイメージがあるんですけど、別に必ずしも悪者ではないんですよね?
  映画に出てくるものは大概、人類の敵だったりするんですが、実際はどうですかねぇ。特に敵対関係がなければ、別に敵というわけではないと思います。
大村正樹
エイリアンはいるんですか?
  え〜と、いないですね。
大村正樹
えっ、いない!? ちょっと待ってください。この時間を根底からくつ返してきましたね(笑)。今日はそれを語りに来たんじゃないですか?
そうですね(笑)。もうちょっと正確に言うと、見つかっていないというのが答です。
大村正樹
いるんだけど、まだ隠れているということですね。
  宇宙のどこかにいるかって言われると、僕もいると思います。
宇宙
 
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大村正樹
いるわけですよね。エイリアンはどの辺にいますかねぇ?
  もし地球みたいな惑星、海があって空気があってというのを見つけようとすると、太陽からかなり遠い所と考えられてて、まだ見つかってないですけど。そうすると、光の速度でいっても、たぶん千年とか二千年ぐらいかかる場所だと思います。
大村正樹
ものすごい遠い所にいるわけだから、同時にお話することは不可能ということですか、極論を言うと?
  そうですね。実際に行こうとすると、光のスピードで例えば千年とするとその何百倍もかかってしまうので、一番早いのが電波でやり取りする方法だと思うんですね。でも、それでも光の速度で千年なので、一回手紙を出して戻ってくるのに二千年かかかってしまいます。
大村正樹
宇宙人、エイリアンがいるとしても、光の速さで千光年かかるような所しかいないから、手紙出しても電波を送っても行って帰ってきて二千年かかるということですか?
はい。
大村正樹
僕がいま「ちょっとエイリア〜ン、僕としゃべりませんか〜?」と発信しても、それがエイリアンに聴こえて、「おぅおぅ地球人が何か言ってるぜ」と返事したら、戻ってくるのが二千年後なんですね?
そうですね。本当にやり取りしようとすると時間がかかってしまうんですけど、地球から知的生命体がいるかもしれない方向へ向かって、ずっと昔ですけど電波を送ったことがあるんですね。もし彼らも同じようなことをしていたとしたら、昔送った電波がいま届くことがあるかも知れない。
大村正樹
そうか、そうか。じゃあ、いま宇宙から、エイリアンからの電波がどっかで来てるかも知れないですね。
  そうなんですよ。ひょっとしたら来てるかも知れない。
大村正樹
ラジオでチューニングする時に「ウィ〜〜〜」って鳴るじゃないですか。あれは単なる変な音じゃなくて、宇宙からの音かも知れないですねぇ。
ラジオのチューニングは分からないですけど、実際の宇宙は何もないと思われてますが、電波とか色々な信号が来ているんですね。その中から宇宙人の信号があるんじゃないか探す計画が実際アメリカでやられてたりします。
大村正樹
それを真剣に考えている学者さんがいるんですか?
  いるんですよ。
大村正樹
日常の音の中で実はこれは宇宙からのメッセージだとか、そういうことですか? 例えば、何の音がですか?
  その計画が始まったのはかなり昔でいまもやっているんですけど、実際まだ見つかってないんですよ。ほとんどは星から来る自然の音だったり、宇宙空間から来る自然の音だったりで、これが宇宙人のメッセージというのはまだないんです。
大村正樹
宇宙開発が進んでいるから、宇宙で録った音の中にひょっとしたらエイリアンからのメッセージがあるかも知れないですね?
  そうです。地球でも大きな電波望遠鏡を使うと、宇宙から来る信号を拾うことができて。
 
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大村正樹
へぇ〜。これまで宇宙の音みたいなものが明らかになったことはあるんですか?
  ブラックホールは実際に存在するんですけど、人の耳に聴こえる音じゃないですが、やっぱり電磁波の一種を出しているんですね。ほかの星からも電波は来ているので。その中から宇宙人のメッセージを探そうとする計画です。
大村正樹
計画の途中でまだ答は出てないわけですか?
  そうですね。信号はたくさん来てるんで、それを世界中のユーザーに分析してもらうということで、アメリカの大学がプログラム、ソフトウェアを公開していて、自由に自分のパソコンにダウンロードして分析できるんです。でもまだ「これがそうだ!」というのは見つかってないですね。
大村正樹
見つかりますかねぇ。
  あったとしても、たくさんある中の本当の一部だと思うんですね。だから、時間がかかれば、ひょっとしたら見つかるかも知れない。
大村正樹
ところで、科学未来館では『エイリアン展』を3月20日から6月16日まで3ヶ月間やるんですね。
  はい。『エイリアン展』というと、どうしても映画のエイリアンを思い浮かべるかも知れないですけど、先端の科学が地球外生命が本当にいるかどうかまで、かなり迫りつつあるんです。その科学の最新の成果を紹介している展示です。
大村正樹
まだ見つかってないけれど、近い将来エイリアンが実在することが分かるかも知れないという話ですか?
  科学がどこまで迫っているかという一番先端のところを伝えてます。
大村正樹
見どころというか、売りは何ですか?
  たくさんありますが、元々はロンドンのミュージアムがつくったもので、全体としてゾーンが4つに分かれています。最初のゾーンでは、映画やドラマなどいろいろなものに現われてくるエイリアンを紹介していて、たくさんフィギュアが出ているので、たぶんそれを観ているだけでもイマジネーションが湧くと思うんですね。
大村正樹
それは、映画とかドラマで空想の世界の話ですよね。僕は現実主義なんで、もっと本当にいるという根拠がほしいんですよ。それは大丈夫ですか?
その次のゾーンに足を入れると、ちゃんと科学としてのエイリアンを紹介しています。
大村正樹
ちゃんとあるんですね。でも確かに映画やドラマのエイリアンも楽しいと言えば、楽しいです。だけど、大体宇宙人は悪者なんです。でも、ちょっとそれは違う。エイリアンの中にも友好的な人もいると僕は思っているんです。それは科学的に次のゾーンへ行くと展示されているんですね。
そうですね。地球でも僕らが知らないような場所、海のすごく深い所とか空気の薄い所に生物が住んでいて、その生物の形はすごいグロテスクであったり、すごく硬いカラに覆われていたり、それこそエイリアンに近いものなんですね。最近、太陽系の中の惑星探査がどんどん進んでいて、実は太陽系のほかの惑星にも水があることが分かってきたりしているんです。そういった地球の生物がいないだろうという場所にも住んでいるわけだから、きっといるんじゃないかと考えられています。
大村正樹
そういうふうに結論づけて、エイリアンの夢をかきたてるような展示になっているわけですね。
  ええ。3月20日からですので、春休みにぜひたくさんの人に来ていただきたい。
 
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