過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 2月24日 放送分
「海藻について」
コーチャー/横山一郎さん(湘南学園高校教師)
大村正樹&横山一郎
大村正樹
先生は湘南からいらっしゃった。だから日焼けされてるんですか?
  (笑)いえ、そういうわけじゃないですけども。海は好きですね。海も山も好きです。
大村正樹
今このシークレットラボがですね、磯の香りで充満してるんですが?
  そうですね。はい。私の住まいが三浦半島の方なんですけれども、私の家のすぐそばの海で拾ってきた海藻を、今日はおみやげに持ってきました。昆布ではなく、海藻ですね。
大村正樹
昆布と海藻って違うんですか。この茶色い棒のような…。直径2ミリぐらいで棒みたいなのがいっぱいついている、この海藻は何ですか?
棒がたくさんつながっていて…。はい。実はね、これヒジキなんです。大きいですけども、ヒジキです。皆さんが食品で食べられるヒジキは、黒くて、ちょっと短めのヒジキですよね。これは生きているヒジキです。もともとヒジキって結構大きいんです。
大村正樹
一本一本の長さが5センチぐらいのもので、直径が1ミリぐらいのものがモジャモジャ生えているものがヒジキで、お母さんが煮物にする時には小っちゃくなってるってことですか?
そうですね。これは長時間蒸したり煮たりして加工したものが、あの売っている黒いヒジキなんです。では、次の問題。こちらにですね、茶色い薄っぺらのわりと大きな海藻があります。その隣に緑色のいかにも柔らかそうでおいしそうな海藻がありますけど、どちらかがワカメなんですけど、わかりますか?
大村正樹
緑の海藻と、茶色い海藻があって。緑がワカメですよね?
  いや、実は緑の海藻はアオサという海藻なんです。これは普通食べないんです。ワカメは、こちらの茶色い方なんですよ。ワカメはもともと茶色いんです。みなさんはもう緑になったワカメしかご覧になったことないですよね?これが、ワカメだって言っても時々信じてもらえないときがあるんですね。
なんでちゃん
 
マクサ
海藻
 
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大村正樹
茶色と緑と、あと赤い海藻があります。赤の海藻は何ですか?
  この赤の海藻はフサフサしてるような細かい葉が出てますよね。これ実は、ところてんの材料になる寒天をつくることができるテングサという海藻で、マクサという正式な名前がついてるんです。これもこの赤い色を抜きまして、お鍋で水を入れてコトコト煮ると、寒天のようなものが出てきます。今日はすべて食べられる海藻を持ってきたんです。
大村正樹
海藻ってこれ色がね、緑とか赤とか、ちょっと茶色ってありますけど、こげ茶色っていうのかな?これ生えてる場所って、深さとか関係あるんですか?
あっ!いいところきましたね!実は緑色の海藻というのは、どちらかというと浅い所に生えてることが多いです。茶色の海藻は、その次にちょっと深くなると茶色の海藻がたくさん見られるようになって、うんと深い所には赤い海藻が多いというふうに言われています。でも本当に深い所になっちゃいますと光が届きませんから、海藻は育つことができないんです。緑色のアオサが一番上の方にあって、中盤にヒジキとかワカメがあって、 一番深い所にところてんの材料のテングサが生えてるってことですね。
大村正樹
へぇ〜。これ昆布みたいなものがありますけど…。
一枚大きくて、ペラっとした茶色いのはなんですか?
  これはワカメと全く同じ色をしているように見えるんですけれども、カジメという海藻です。海の中ではアワビやサザエのエサになっているとっても重要な海藻なんですね。これ昆布じゃないですよ。実はワカメって、葉っぱの真ん中に背骨みたいな幅1センチぐらいの筋が入ってますでしょ?茎みたいな。ここがいわゆる茎わかめになるんですけど、これがあるのがワカメの特徴なんですよ。
カジメはよく見ると茎のようなものがないので、その違いがわかる。ですから一般の方でも、初夏に海に行かれたときに海藻がうちあがっていたら、茶色い色でわりと大きな葉っぱの真ん中に背骨のようなデザインがある海藻があったら、それワカメですから。拾って持ち帰って、天然味噌汁かなんかにしたらいかがですか?

ルーペくん

大村正樹
横山さん、何か実験の準備をされているようですが?
  はい。ちょっと実験をしてみましょうか。海藻は緑、茶色、赤と3種類ありますけれども、どれもちゃんと緑色を持っているんです。じゃあ、このワカメ見てくださいね。容器にお湯を用意していただきました。このお湯の中に入れてみますよ。いきますよ。よく見ててくださいね。
大村正樹
おーーーー!すごい!えっ!茶色いワカメが緑に。
このお湯何度ぐらい?沸騰しそうなぐらいですか、これ。
  そうですね。ポットのお湯ですね、これは。90度ぐらいでしょうか。お湯に入れたら緑になるんです。これで、「あ〜やっぱりワカメだったんだ!」ってわかりますよね?ワカメがワカメになりましたね!このように緑になったワカメを見ると、「あ、ワカメも確かに茶色の海藻だけれどもちゃんと緑の色素を持ってるんだ」ってことがわかりますよね。
大村正樹
なるほどね〜。じゃあ、ヒジキも緑になるってことですか?
お〜。ヒジキも緑になった。
  ヒジキも緑になりますよね?というわけで、やっぱり緑色を持っている。実は緑色というのは太陽の光を使って自分で養分を作りだす働き、これを光合成というんですけどね。光合成を行っている証拠なんですよ。植物っていう証拠ですね、はい。食べるヒジキはこれをさらにずっとクタクタになるまで煮ているので、この緑の色素もダメになっちゃって、みなさんご存知の黒いヒジキになるんですね。
大村正樹
テングサは赤いけど、これをお湯につけるとどうなりますか?
もしかして、ところてんになっちゃいますか?
  ところてんにはならないですけど(笑)これも緑色になれば、「光合成をみんなしてるんだぞ!」ということでつながりますけど、どうでしょうか。あっ、すみません。お湯の温度が低いです。温度が高ければ、緑になります。海藻は植物だから、熱を加えると全部、緑になるんですね。赤い海藻が緑色になるのは、やはり赤い色素がとけてなくなっちゃうので、隠れている緑色が見えてくる、そういう仕組みなんです。

ワカメ
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