過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2006 12月23日 放送分
「クリスマスの星座」
コーチャー/寺門和夫さん(サイエンスウェブ編集長)
大村正樹&寺門和夫
大村正樹
今日はクリスマスに関してうかがっていきたいと思うんですけど、みんなの家にはもちろんクリスマスツリーあるよね?クリスマスツリー、みんな見てみて!もみの木。ツリーの一番てっぺんには星がついてます。なぜクリスマスツリーのてっぺんには星があるのか。そこからちょっと今日は聞いて行きましょうかね。なんで星なんですか?
そうですね。実はこれ非常に意味があるんですね。このお星様というのは、イエス・キリストが生まれたときに出現した星だという風に言われてるんですね。これは聖書に書いてあるんですけれども、あるとき空に新しい星が出現したわけですね。それは東の方の国の占星術の博士3人が見つけてですね、はるばる旅をしてベツレヘムという町に行ってですね。
大村正樹
どこですかそれは。
  それは今のイスラエルですね。エルサレムのちょっと南の方ですけれども、そこに行くとマリアさんと、生まれたばかりのイエス・キリストがいたわけですね。そういうことが聖書に書いてありまして、そのときに現れた星がベツレヘムの星といいまして、これをずっとクリスマスツリーでは飾っているということなんですね。
大村正樹
イエス・キリストはイスラエル生まれなんですか。
  そうです。はい。イスラエルのベツレヘムという所で生まれました。今もその町はあって、地図に載っています。もちろん生まれたあととかは残っていませんけど。あと、もうひとつ。クリスマスは12月25日で、キリストの誕生日ということになってますけど、実はですね、歴史的に言うと、イエス・キリストが生まれたのはもうちょっと前らしいんですね。そのときにいろんな天文現象があってですね、それがベツレヘムの星ではないかということで、ずっとヨーロッパで天文学者まで巻き込んでいろんな説が出されてるんです。
大村正樹
キリストが生まれたのは今から2006年前ですよね?
  実際にはこよみの計算がちょっと違ってるみたいで、いろんな史実(しじつ=歴史上の事実)と照らし合わせてみますと、紀元前の5年とか6年とか7年とか、ちょっと前なんですね。2012年ぐらい前のようなんですね。
大村正樹
誰がそれ調べたんですか?
  イエス・キリストが生まれた時にイスラエルにいた王様の記録が残ってるんです。その王様がいた時にイエス・キリストは生まれてるんですけれども、その王様は紀元前の5年ぐらいで死んでるんですね。ですから、それよりも前にキリストは生まれたことになる。この王様のことは歴史的な事実で残ってますから、それは間違いないことなんですね。
大村正樹
すみません。
イエス・キリストは生まれた時からキリスト様だったんですか?
  いや、そうではなくて、「神の子」として生まれて、聖書にはそうかかれてるんですね。その「神の子」が生まれたということで、東の方から博士がたずねていくわけですね。
 
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大村正樹
へぇ〜。
今でいうとそのベツレヘムの星というのはなんの星なんですか?
  いろんな説があるんです。例えば、明るく輝く星なので、金星じゃないかという人もいるんですけど、金星っていうのは「宵の明星」とか「暁の明星」とかっていう風に、非常に明るいですね。
大村正樹
地球の隣の星ですね?
  そうですね。でもこれは周期的に出ている星ですからそう珍しくないので、そうではなくて、突然現れる星であろうという風に考えてる人がいっぱいいるわけです。突然現れる星ってなんだろうということですね。大体2種類考えられるんですね。ひとつは「超新星爆発」これは要するに、星が一生の最後に大爆発を起こして死んでいくわけですね。
その時に急激に明るくなるんです。突然出現するんですね。これがその頃起こったんじゃないかという説があります。それからもうひとつ、突然現れるということで言うと、彗星、コメットですね。一番有名なのは、ハレー彗星ですけども、これは76年に1回、地球に近づいて明るく輝きますね。そういった彗星が出現したんじゃないかという人もいます。
大村正樹
へぇ〜。
今日はね、寺門さんから提言があって、「キリストは世界中に異常気象を起こす」ってことを言いたいと。どういうことですか?
ちょっとビックリするかもしれませんけどね、エルニーニョっていう言葉聞いたことありますか?エルニーニョ現象。これは何かと言いますとね、太平洋の一番東の方、太平洋というとハワイとかがある、アメリカと日本の間の海の東。南アメリカ大陸の方ですね。太平洋の沿岸にペルーという国がありますけども、大体数年に1回、ペルーの沖合いの海で海水の温度が上昇する現象が起こるんです。そういった現象が起こると、魚が取れなくなったりですね、雨が降らなくなったりって、そういった異常が起こるんですね。そのために昔からペルーの漁民の人達はですね、そういう海水温が高くなるときにそういう現象がくるので、これをエルニーニョと呼んだんです。なぜかといいますと、ちょうどこの現象がですね、クリスマスの頃に起こるんですよ。それで、エルニーニョってどういう意味かと言いますと、スペイン語で「神の子」という事で、エルニーニョって名前つけてるんですね。
大村正樹
ペルーは公用語はスペイン語ですか?
  そうですね。それでエルニーニョってつけて「神の子」と。ところがそのあとずっといろいろと科学が進んで、観測が進んできますとね、実はその現象というのは単にそのペルーの沖合いで起こってるちょっとした現象ということではなくて、実は地球の反対側の日本の方にまでおよぶようなですね、世界的にちょっと気候のバランスが崩れるような、そういった現象だってことがわかったんですね。いろんな異常気象が世界中で起こるわけです。ですから地球の反対側まで実際に影響を及ばすような、そういった現象だということがだんだんわかってきたということなんですね。
大村正樹
確かに異常に冬あったかいときとか、「エルニーニョの影響で」とかいいますよね?でもそれでなんでエルニーニョを「神の子」と名付けたんですか?
その頃はそんな世界中に異常をもたらすような現象だとは思わなかったんでしょうね。要するに、クリスマスの頃に起こる出来事だったわけですね。ですからちょうどキリストっていうことと関連づけたんだと思いますね。ちょうどそのクリスマスの時期にそういう気象現象が起きるから「神の子」っていう。別にキリストの事を悪く言ってるわけではなくて、たまたまそのシーズンに、ということですね。それは昔からそういう風に呼んでたみたいですから。
大村正樹
あ〜。日本だったらそれにまつわる気象現象あるかな?昔話で。ヤマトタケルとかそういうのとくにないですよね?ペルーだけそんなこと言ってるんですか?
日本ではあまりないですね。ただいろんな身近な現象を、昔の人はそれなりに解釈しようとして、ちょうどクリスマスの頃に起こる現象だとかですね、いろんな形で自然を理解しようとしていたわけですね。例えば、古代エジプトの人はシリウスという星があがってくるようになると、農業の季節がきますとかね。そういう形で自分達の生活に関連することで、自然現象とか天文現象を関連づけて解釈しようとしたんですね。そういった中から出てきた言葉だと思いますね。
ルーペくん

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