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過去の放送分 過去の放送分 2006 12月16日 放送分
「動物園はこんなに面白いパート2」
コーチャー/小宮輝之さん(上野動物園・園長)
大村正樹&小宮輝之
大村正樹
やっぱり動物園というとね、象と並んで印象深いのはこれじゃないかなと思うんですね。キリンでございます。キリンはかわいいですよね。キリンって僕の知識だと、昔高い木があって、下の方にある果物を他の動物が食べちゃうから、キリンは上のものを取れるようにどんどん首が長くなった、だから首が伸びたんだよ、って習ったんですけど、それでいいですか?
そうですね。進化の話の中ではね。上野動物園にはね、元の原型のキリンがいるんですよ。オカピという名前の首の短いキリンです。聞いたことあります?オカピはキリンの祖先の形です。首がまだ短いでしょ?ジャングルで生活してたんですけど、それがサバンナに出て、木の高いところの葉っぱを食べるようになって。
大村正樹
上野動物園はオカピもオカピという名前で飼育してるんですか?
  ええ。しかもね、キリンの隣に。「これがキリンの祖先ですよ」、「これがキリンですよ」っていうことで。でも、そのオカピ達は、横にいるキリンを見て、「俺達もああなりたい」って言って一生懸命首を長くしたりはしません。オカピ達はちゃんとジャングルに生活してますから、低いところに葉っぱが沢山ある、そういう生活をしてたんですね。
大村正樹
でもなんかやだな。進化系が横にいて、オカピの立場からすると、「比べてるんじゃないよ!人間!」なんて思ってるかもしれませんね。
ああ、オカピにとっては「自分達の方が元のキリンだよ」ってきっと、有名なのはキリンでしょ?「こっちが本物だよ!」っていう風にオカピも思ってるかもしれない。
大村正樹
是非、上野動物園行ったらオカピね。キッズ達もね、今、手元に動物の図鑑があったら是非オカピ調べて見てね。ちなみにキリンって、オカピから進化したってことは、首の骨なんかはどうなんですか?やっぱり数が同じってことですか?それとも進化したから多めにできてるんですか?
実は同じなんです。オカピどころか人間とも同じ。7つですね。そのかわりひとつひとつが非常に長いっていうか、大きくなっているわけですね。人間もキリンもオカビも、首の骨が7つです。象とかサイとかも、みんな同じです。
大村正樹
えっ!そうなんですか?哺乳類はみんな首の骨7つなんですか?
  そうですね。例外的なのもいくつかありますが、大体みんなそうです。
キリン
 
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大村正樹
知らなかったですね〜。そうですか。よーし、じゃあ次の動物行きましょうかね。次はこちらだ!シロクマ!シロクマはかわいいですけどね、やっぱり凶暴なんですか?
クマの中ではシロクマ、ホッキョクグマは動物食なんですね。アザラシ食べたり。で、南の方の、まあ日本のクマはほとんど植物、どんぐり食べたりしますね。もっと南の方のマレーグマなんかは果物が大好きで。一番ホッキョクグマが一番大きくてやはり一番強いですよね。
大村正樹
ホッキョクグマが正式名称なんですか?
シロクマって言っちゃだめなんですか?
  子供達はね、みんなシロクマって言ってますよ。これ面白い話があってね、上野動物園に明治時代に日本で始めてホッキョクグマがきたんです。ところが、その前にシロクマがいたんです。なんだかわかります?いわゆる日本のクマの、白いアルビノ、上野動物園でずっと飼ってたんですよ。
大村正樹
日本にも白いクマがいたんですか。
  そう。今でも時々山にいますけど。それをみんながシロクマって呼んでたんで、本当の北極のシロクマが着ちゃったんでどうしようかと。それでホッキョクグマっていう名前をつけたんですよ。
大村正樹
シロクマっていうのは元々日本に白いクマがいたんだけど、本当はホッキョクグマが動物園でのシロクマなんですね? ホッキョクグマなんですね?正式には。もうシロクマっていう種類は日本の動物園にはいないんですね?本来のは。
いないんです。種類じゃなくて日本のクマ。いろんな動物で白くなっちゃうのいますでしょ?ウサギでも。アルビノって言って。それをたまたま飼っていたんです。突然変異で白いのが生まれて、珍しいっていうんで上野動物園に送られてきたんです。
大村正樹
なるほど〜。へ〜。
さあ、今週も小宮さんが問題出してくれるそうなんですけど、じゃあお願いします!
シロクマの毛の色は何色でしょうか?
大村正樹
白に決まってる!え?白に決まってるでしょうね?白ですよね?
  実はね、透明なんです。白じゃないんです。中が空洞でね、ひとつは、中に空気がたまるから暖かいでしょ?ちょうど空洞なのでうまく反射して、全体で見ると白く見えちゃう。で、皮膚の色はしかも黒いんですよ、あれ。
大村正樹
え、じゃあシロクマの毛を全部刈ったら黒い肌が出てくるんですか?
  そうです。真っ黒になっちゃう(笑)。
大村正樹
上野動物園で、そのホッキョクグマを間近に見ることはできるんですか?
  もちろんです。ですから、その透明な毛も確認できます。落ちてる毛を見れば透明だってわかりますね。
ホッキョクグマ
 
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大村正樹
それは展示してないんですか?
  今はしてないですけど、そういうことも是非やりたいですね。
大村正樹
是非やってくださいよ〜!「ホッキョクグマの毛は実は透明だった」って言って展示したら、子供達もきっと興味を持ってくれるかもしれないですね。ちなみにひとつ、質問なんですが、ナンキョクグマはいないんですか?
ナンキョクグマは残念ながらいないんですね。南極にもしクマがいたら、ペンギンはもういないかもしれない(笑)。
大村正樹
ちょっと待ってください!ていうことは北極にペンギンはいないんですか?
  いないです。
大村正樹
そうなんですか。
いや〜、あっそうか、いや、そうですか。ひと月くらい前にですね、南極に行かれた、朝日新聞の中山由美さんという記者の方がですね、南極の話を語ってくださったんですけど、ペンギンの話は聞いたんですよ。でもアザラシの話も聞いたんですね。
ええ。アザラシはいます。
大村正樹
あっ、アザラシは南極も北極もいる。で、シロクマは北極にしかいなくて、ペンギンは南極だけ。トドはどちらですか?
  トドは北の方ですね。北極っていうより、北海道からオホーツク海。あのへんですね。
大村正樹
そうなんですか。へぇ〜。ラジオ聞いてるみなさんもね、上野動物園って必ず行ったことが、ほとんどの子供達があると思うんですよ。で、最近は北海道の旭山動物園ていうのが有名で、わざわざお金かけてあそこに行くんだったら、上野動物園の方がはるかに規模も大きいし動物の数も多いわけですしね。上野動物園の今の目玉というか、この冬はどうですか?
今度ね、春に「クマ達の丘」って呼んでますけど、できたんですね。そこで今やろうとしてることは、みんなクマは冬眠するって誰でも知ってるでしょ?教科書にも書いてある。でも世界中の動物園のクマは実は冬でも起きてるんですね。今度はクマの本当の姿を見てもらうために、冬眠にチャレンジしてるとこなんですね。
大村正樹
冬眠を見せるんですか?
  見せて起きちゃうといけないんで、モニターなんですね。それでも起きなければ覗き穴もつけてあるんですよ。
大村正樹
へー。じゃあちょうど今は冬眠してるかしてないか微妙なときで、ひょっとしたら眠ってくれてるかもわからない。冬眠って、何ヶ月くらい寝てるんですか?
12月から4月ごろ。東北地方と近畿地方なんかで違いますけどね。まあ秋田あたりの温度を設定して、そういう温度も管理できる部屋で冬眠にチャレンジしてます。冬眠するクマを見てもらうというのは、世界で初めてになると思います。
    上野動物園についてもっと知りたいキッズは
上野動物園HPを見てね!
アザラシ
 
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