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2020年01月20日

吉井理人コーチの 佐々木朗希投手育成プラン

 1月20日放送
 『岩本勉のまいどスポーツ』のゲストは
 千葉ロッテマリーンズ
 吉井理人ピッチングコーチ。

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 球界を代表する“理論派”として知られる
 吉井コーチの指導法や
 大学院で学んだ
 コーチングの研究テーマなどを伺ったほか
 “最速163キロ”注目の高卒ルーキー
 佐々木朗希投手の育成プランについても
 語っていただきました。

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◆◆ 吉井理人コーチ プロフィール ◆◆

 1965年生まれ、54歳。
 和歌山県有田郡吉備町(現在の有田川町)出身。
 小学校から高校まで 東尾 修さんの後輩。

 右投げ右打ち。
 箕島高校時代、甲子園大会に2度出場。

 1983年、ドラフト2位で近鉄バファローズに入団。
 プロ5年目の1988年
 50試合登板「10勝 24セーブ」
 「最優秀救援投手賞」受賞。
 トレードでヤクルトに移籍後、
 先発で3年連続 2ケタ勝利。

 1998年、FA権利を行使し、ニューヨークメッツ入り。
 メジャーリーグでは5シーズン、3チームでプレー。

 2003年、日本球界復帰。
 2007年、42歳までオリックス、ロッテでプレー。

 プロ24年日米通算 121勝 62セーブ

 2008年~2012年に日本ハム、
 2015年ソフトバンク、
 2016年~2018年、日本ハム
 2019年~ロッテでピッチングコーチを担当。

 著書は
 『吉井理人 コーチング論 : 教えないから若手が育つ
 『最高のコーチは、教えない。』
ほか。

 (年齢・所属は 放送日時点)

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  吉井流 コーチ術

 かつて、ガンちゃん
 ファイターズのコーチ時代の
 吉井さんにインタビューを行い
 コーチとして意識していることを質問したことがあります。

 その際の吉井コーチの回答は
 「目からウロコがボロボロ」落ちるほど
 奥が深く
 強く印象的だったそうです。

 「コーチは“ベビーシッター”」

岩本 「ビックリした。
     教えるというより
     あやす的なことから
     入っていかないと
     今時の若い選手は
     こっちを向かないんじゃないかな、
     と思った
(解釈した)んです」


長 「赤ちゃんって自分が何して欲しいか
    直接言葉で言えないから
    こっちがしっかり見て
    観察しないといけないですよね」


吉井 「そうですね。
     あと、
     選手たちの中に【答え】があるんで。
     こっちから言うと、その答えが
     出なくなっちゃうかもしれないんで
     『ヨシヨシヨシ』って
     あやしてるうちに
     選手たちも色々考えて、気づいて、
     うまくなっていくっていう、
     そういうスタイルをとってます」


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岩本 「でも、どこかで壁で当たった
     選手たちが『吉井コーチ!』って
     ノックしてくる
(指導を仰ぐ)
     選手はいますか?」


吉井 「います。
     それがチャンスですね。
     自分らも選手の時って
     コーチに本当のことは
     あんまり言わないじゃないですか。
     本当に迷って、
     どうしようもなくなった時に
     選手は本当のことを言い出すんで、
     その時は
     頭も耳も開いてる
(相談に乗る)んで」


岩本 「まず(コーチの前で)強がるんですよ。
     コーチに質問されたりすると
     ウソじゃないですけど、
     “背伸びした自分”を
     表現するかもしれないですよね」


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  大学院でスポーツコーチング研究

 吉井さんは
 現役時代「コーチにだけはなりたくない」
 と考えていたそうですが、
 日本ハムからの要請を受け
 現役を引退した翌年=2008年から
 投手コーチに就任。

 その奥深さを実感し
 教えることに「ハマっちゃった」そうです

吉井 「選手に伝えるのって
     すごく難しいな、というのがあって
     これって野球だけじゃなく
     いろんなことに
     つながるんじゃないかなと思って。
     そこでコーチングに興味が出たんですよね」


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 2012年に日本ハムのコーチを退任すると
 筑波大学大学院
 スポーツコーチングを学びます。

吉井 「ファイターズで
     5年間コーチをして
     『こんなんじゃダメだ』と思ったんです。
     一からコーチングの勉強を
     しなきゃいけないなと思って、
     勉強するなら専門の、
     大学でやった方がいいと思って
     行くことにしました」


 動作、配球、トレーニング、考え方(心理)など
 野球に関する様々なことを学んだそうです。

 修士論文のテーマは
 ピッチャーの「クイックモーション」
 うまい(速い)人と
 ヘタな(遅い)人との違いを研究。

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 着目したのは、肩と腰の“ねじれ”の差

吉井 「速い子は、腰をねじらないで
     肩だけセカンド方向に
     ねじっていくんです。
     これが一番速いんですよ。
     そのかわり、上半身の力を
     かなり使わないといけないんで」


 足でパワーを溜め、
 肩でまたパワーを溜めるフォームの投手は
 クイックモーションが遅いとのこと。

吉井 「クイックと普通のモーションは
     運動の仕組みが違うっていうことが
     わかったんで。
     できない子は
     なかなかできないんですよ」


 選手に習得させるには
 子どもの頃から教える必要があり、
 プロ入りしてから取り組んでは遅い――
 と指摘します。

吉井 「これ(番組)を聴いてる
     アマチュアの人はね、
     いいピッチャーになるんだったら
     クイックをしっかり
     練習してほしいなと思います」


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  佐々木朗希投手 育成プラン

吉井 「オリンピックの体表に選ばれたら
     いいなと思ってるんですよ」


 大船渡高校からロッテ入りしたルーキー
 佐々木朗希投手に対して
 吉井コーチが描く は大きく
 東京オリンピック
 野球日本代表 侍ジャパン入りを期待。

 指導法に関する考えを伺いました。

 高卒でプロ入りした吉井理人コーチ、
 ガンちゃんも共に1年目ののキャンプで
 プロの先輩投手のピッチングを見て、
 気負いなども加わり
 自分の投げ方を見失ってしまいました。
 吉井コーチは感覚を取り戻すまで
 2年程度かかったそうです。

 そこで、佐々木朗希投手には
 まず高校時代の絶好調の時の
 投げる感覚を取り戻すことに
 集中してもらう予定。

吉井 「馬に例えると
     “放牧”で体を強くして、
     でも、そのうち人間を乗せたり
     “馴致”
(じゅんち)って
     いうのがあるんで
(徐々に慣れさせて)
     基本的なところはちょっとずつ
     教えていきたいと考えています」


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 吉井コーチが期待するのは
 交流戦(5月26日~6月14日)での
 1軍デビュー

 そして、コーチ自身の「夢」として
 東京オリンピック
 侍ジャパン 代表メンバー入り
 期待を寄せる胸の内を明かします。

吉井 「盛り上がりません?」

岩本 「盛り上がります!見たいです!」

吉井 「これは僕の夢ですけどね」

岩本 「梅雨時期、みんなが疲れた頃に
     すごい元気な
     佐々木朗希がいる――みたいな」


長 「この年でオリンピックに出たら
    またますます
    いい経験になって・・・」


吉井 「盛り上がりますよ、野球界が」

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  吉井理人コーチの著書

 『吉井理人 コーチング論
    教えないから若手が育つ
  (徳間書店/1,350円+税/2018年3月発売)
  (詳しくは こちら

 『最高のコーチは、教えない。』
  (ディスカヴァー・トゥエンティワンI)
  (1,500円+税/2018年11月発売)
  (詳しくは こちら

 吉井理人コーチのブログ
 吉井理人オフィシャルブログ こちら

投稿者 文化放送スポーツ部 : 2020年01月20日 18:30