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「22世紀の予言アイデア」(2)
コーチャー/木村政司(きむらまさし)さん(日本大学藝術学部教授)
大村正樹&木村政司

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、ラボでありながら先週はちょっと作文の朗読大会になりました。キッズにぴったりのユニークなコンクール、全国小学生対象「22世紀の予言アイデアコンクール」を取り上げますよ。これ、ほんとおもしろい予言がいっぱい来てたんです。ラジオの前のキッズも何かいいアイデアがひらめいたかな?お知らせの後、過去の作品を紹介していきま〜す。


大村正樹

今週のサイコーも、日本大学藝術学部教授の木村政司さんです。こんにちは。

こんにちは。


大村正樹

全国小学生対象の「22世紀の予言アイデアコンクール」が、どんなコンクールか改めておさらいします。全国の小学生キッズたちが対象で、100年後の未来のイメージを作文にしてもらいます。一昨年1回目のコンクールがあって、この夏2回目を開催するということです。部門は4つ−「健康と医療の未来」「宇宙開発の未来」「自然・環境・エネルギーの未来」それから「ロボットの未来」という4つのテーマから1つを選んで、400字以内の作文にしてもらいます。そして、入賞作品は日本大学芸術学部の学生さんがアニメーションにしてくれるので、とてもとても魅力的なお話です。先週いくつか作文を紹介しましたが、先生、2年前だとだいたい何歳ぐらいの子どもたちから何作品ぐらい集まったんですか?

作品は805作。


大村正樹

全国から?

はい、全国から集まりました。


大村正樹

そこからいくつか選ぶのはけっこうな作業ですよね。

そうですねぇ。


大村正樹

2年前優秀賞だったのは「一石三鳥、葉緑体」、廣瀬久実(ひろせくみ)さん。当時小学生5年生だった女の子の作品です。さぁ、いきます。「百年後の地球は温暖化の影響で気温が上がり、地球全体が暑くなり、生き物が住みにくくなります。また、食糧危機も深刻になり、食べ物が足りなくなる人も増えていきます。そこで、登場したのが『葉緑体を髪の毛の中に組み込めるヘアカラー』です。シャンプーをする時のように、髪につけて泡立て、簡単に洗い流すだけで緑色の髪になります。どんな良いことがあるかというと、一つ目は百年後のファッションに合わせて髪が緑色に染められることです。部分的に染める人もいれば、全体を染める人もいます。都会に住んでいても自然な感じがだせます。二つ目は、葉緑体が光合成をするので、二酸化炭素が減少し、地球温暖化が止められます。三つ目は、光合成によってでんぷんができて、髪の毛から血液の中に栄養を送り込んでくれるので、大変な思いをして食料を作ったり、買ったりしなくても良いので、生活が楽になります。この三つを合わせて、一石三鳥です」。−ほぉ〜! これ100年後にはげてる人がいないことが絶対条件ですね。

そうですね(笑)。


大村正樹

ハハハハ。いかがですか、先生?

これ、すごいアイデアですよね。葉緑体を髪の毛の中に組み込むという科学的な発想と、ヘアカラーで髪を緑に染めるというファッション感覚をつなげたところが女の子らしくてかわいいアイデアだとものすごく思いました。


大村正樹

ええ。

おまけに地球温暖化や食糧危機を救うことにつなげたのは、すごく頭が下がりますね。


大村正樹

はい。現実問題、今こうやってラボの中に男が6人いるけれど、みんな緑の髪の毛をしてたら気持ち悪いですよねぇ。

フフフフフ。


大村正樹

その時はファッションとして受けとめられてますかねぇ。みんながみんな、緑。

きっと緑ですねぇ(笑)。


大村正樹

いいですねぇ、光合成もしてもらいながら(笑)。二酸化炭素が減るし、地球温暖化も止められるか…。

“髪の毛が緑になったら地球が変わる”というのはすごいですよねぇ。


大村正樹

東京も緑が少ないとはいえ、都市部の緑化率は徐々に上がっているというじゃないですか。

ええ。


大村正樹

本当に地球上の人間みんながそうなれば、都市部の緑化に対して努力するよりも手っ取り早いかもしれないですねぇ。

そうですね。地球温暖化を防ぐことが髪の毛でできるという奇想天外な発想ですね、これも。


大村正樹

なるほど。では、次、いきますよ。大村拓司(おおむらたくじ)さん、受賞当時は小学校6年生で「未来のお弁当箱」。「ぼくは、未来にこんなんがあったらいいなぁと思いました。まず、どこにでもありそうな箱。しかし、たとえば、お弁当の中に、体に害のある成分がふくまれていても、そのお弁当を、その箱の中に入れれば、体に害のある食品てんかぶつや、食中毒をひきおこす病原菌などを、すべて取り除いてくれて、体に必要な成分だけが残ります。そうすれば、そのお弁当は、栄養満点のお弁当になります。これが、世界中の家に一つずつあれば、どんなに体に害のある物でも、この箱に入れることによって、体には無害な食べ物となり、全世界の人間や動物が、口から入る病気にはならなくなります。あと、最後にお弁当を箱の中に入れてから、栄養満点のお弁当になるまでは、一日もかかっては、かかりすぎなので、5分ぐらいで、できるようにしたら、とってもいいと思いました」。−今、レバ刺しが食べられなくなって、これがあればレバ刺しもバリバリ食えますねぇ。

そうですねぇ(笑)。


大村正樹

2年前ですねぇ。去年だってユッケの問題が起きたり食品衛生はすごく敏感で、地球上の人々の体質も変わってるのかなという。免疫力も弱くなってる感じがするじゃないですか。

ええ。


大村正樹

当時小学校6年生、何がきっかけでこれを思いついたんでしょうか?

食あたりしたんですかねぇ?


大村正樹

ねぇ(笑)。たぶんお父さんがお腹をこわしたとか。現実問題どうですか、これは?

いや、僕もこんなお弁当箱ほしいですねぇ。


大村正樹

うん。

お弁当の中身をつくってくれる人がいないとダメですけどね。


大村正樹

そうですよね。お母さんがつくって、これを入れて。しかも1日かかってるようじゃダメだ、合理的に5分ぐらいでと。そうすると家族4人分のお弁当は20分で処理できちゃうという…。

ええ。


大村正樹

実際、大村拓司くんはプレゼンテーションの時は来たんですよね?

そうですね。絵を描いてプレゼンテーションしてくれました。


大村正樹

どんな感じでした?

正々堂々、すごい意気揚々と楽しそうにプレゼンテーションしてくれたんで、そこがかわれたと思います。


大村正樹

へぇ〜。「22世紀の予言アイデアコンクール」の締切はいつですか?

8月17日です。


大村正樹

はい。あと1ヵ月ですよ。2つ目のお弁当箱、食中毒も気をつけなくちゃいけない時季なので、100年後、本当にこういう物が実現すればいいなぁと思います。先生から最後に、これからのキッズたちに何かイマジネーションの世界とか、こういうことをやっていくと奇想天外なアイデアが見つかるかも…というアドバイスはありますか?

そうですね。大人がアドバイスするよりも、自由に子どもの純粋な感覚でアイデアを出してもらえれば。あまり大人がアドバイスしたりしないほうが本当に大人がびっくりするようなアイデアが出てくると思っているので、もうそのままでいいですよ。そのままで!


大村正樹

そうですか。「これを読め」とか「これをしろ」ではなくて、「今、君たちがやってることをそのままやりなさい」ということですか?

「夕べ夢見たことをそのまま作文に書いてごらん」という、それでいいと思いますね。


大村正樹

いいですねぇ。わかりました。ぜひ2年前の800作品を超えるもっともっとたくさんの応募があることをお祈りしてますよ。

ありがとうございます。


大村正樹

今週のサイコーは、日本大学藝術学部教授の木村政司さんでした。ありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

このコンクールは、8月17日が締切になります。あと1ヵ月かな。これをヒントに何か突拍子もないアイデアがあったら作文に書いてみてね。応募先は「22世紀の予言アイデアコンクール」のホームページからチェックしてください。
http://22dreamkids.jp/index.html
応募先は、
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部研究事務課内
「22世紀の予言アイデアコンクール」係です。
日本大学芸術学部のほうに送ってくださいね。優秀作品には豪華商品、家庭用プラネタリウムとか図書券が用意されてます。また集まったらご紹介したいですね。とてもとてもいい作品が多かったです。
それでは、また来週も夕方5時半に会いましょうね。それじゃまた、バイバイ!