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「キッズの質問に答えます」(1)
コーチャー/寺門和夫さん(科学ジャーナリスト)
大村正樹&寺門和夫

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、いよいよ夏休みだよねぇ。ほんとウキウキしてると思うんだけれど、宿題もけっこうあるでしょ。サイエンスキッズも始まってもう5回目の夏を迎えるけれど、この番組は夏休みの自由研究のヒントが必ず見つかる番組なので、よかったら夏休みの期間、一生懸命聴いてください。今回はキッズからの質問特集です。ラボにはたくさんの興味深い、ちびっ子らしい質問が届いていま〜す。科学の素朴な疑問にサイコーがこたえてくれます。


大村正樹

今回のサイコーは、おなじみ科学ジャーナリストの寺門和夫さんです。こんにちは。暑いですねぇ。

こんにちは。そうですねぇ。


大村正樹

節電の夏になってますけれど、寺門さんは何か節電の工夫はされてますか?

なるべくエアコンは使わないようにしてますけれど、やっぱりお年寄りの方は熱中症の可能性があるので、必要に応じて使ったほうがいいですね。


大村正樹

なるほど。さぁ、今週はキッズからもらった質問に寺門さんがこたえてくださるということで、さっそくいきましょう。埼玉県のナオキ君、11歳の男の子から。「僕より年下の芦田愛菜ちゃんがドラマで大活躍しています。大村さんや寺門さんは愛菜ちゃんのことを知ってますか?」−寺門さん、知ってますよね。

いやぁ、知らない。


大村正樹

えぇ〜! 科学の人、変(笑)。芦田愛菜ちゃん、知らないんですか?『マルモのおきて』も知らないんですか?

そうですね。すみません(笑)。全然知らないですねぇ。


大村正樹

えぇ〜! 衝撃だぁ! ごめんね、ナオキ君。
「そこで気づいたことがあります。子どもの俳優がいるのに、何で子どもの宇宙飛行士はいないんですか?子どもが宇宙飛行士になったり、宇宙に行ったりするのは無理なんですか? ということは、子どもがいる家族は宇宙旅行ができないんでしょうか?」。宇宙への家族旅行はできないかということで、どうなんですか?

ナオキ君が大人になって、お父さんになって「自分の子どもと宇宙に行きたい」となったら、たぶんその頃は家族で宇宙旅行はできてると思うんです。


大村正樹

えぇ〜とで、どうなんですか?

ナオキると思うんです。


大村正樹

30年、40年後?

そうですね。たぶんそれは問題なくできると思います。ただし、今はまだ子どもが宇宙へ行くということにはなってない。


大村正樹

何でですか?

どうしてかというと、まだ宇宙に人間が行くことが始まったばかりですね。だからまだいろいろ危険もあって、宇宙船やロケットが完全に安全ではない。ですから飛行機で海外旅行するみたいな形で子どもが宇宙へ行くというところまできていない、ということが、まずひとつです。


大村正樹

はい。

それから、まだジャンボジェットみたいな大きな宇宙船も開発されていないので、たくさんの人が一緒に宇宙へ行くことはできないんですね。ですから、今のところはまだずーっと長い訓練を受けたプロの宇宙飛行士だけが宇宙へ行って仕事をしてくるという、そういった宇宙飛行が行われている。


大村正樹

そうか、訓練が必要ですよね。

今のところはそうですね。


大村正樹

ちびっ子にはかなり厳しい訓練ですか?

ちびっ子というか、宇宙に行くための訓練は、例えば今回宇宙ステーションに滞在している古川さん、やっぱり10年以上訓練をしてやっと行くわけですから、非常に高度な訓練が必要な段階であるということです。


大村正樹

なるほど。最終的にもし家族旅行ができるようになると、一度に何人ぐらいが宇宙に行ける時代が来るんですか?

宇宙船がどれぐらい大型化になるかでしょうけれど、おそらく20〜30人が乗れる宇宙船がそのうち開発されると思うんですね。


大村正樹

う〜ん。

例えばスペースシャトルがありますが、スペースシャトルもけっこう大きい乗り物です。今のところ人間は7人ぐらいしか乗れないんですが、どうしてかというとトラックと同じで荷台が大きいんですね。今のスペースシャトルの荷台の部分が客席と考えれば、たぶん20〜30人は乗れる宇宙船がつくれるはずです。


大村正樹

そうかぁ。今までは国際宇宙ステーションを組み立てるための部品を積んでた。でもシャトルって終わっちゃいましたよねぇ。

シャトルは終わるんですけれど、あのくらいの大きさの宇宙船は存在しているわけですから。


大村正樹

なるほど。

これから宇宙旅行用に、あのくらいの大きさの宇宙船をつくることは不可能ではないと思います。


大村正樹

ちなみにこれまでたぶん宇宙に行った人は何百人もいると思うんですが、一番若い人は何歳ぐらいですか?

調べてみないとわかりませんが、20代でもちろん行ってる人はいます。でも、宇宙飛行士は訓練が必要なので、初めて飛ぶ人でも30歳を超えてから飛ぶ人がけっこう多いですね。


大村正樹

なるほど。

それから、40代の宇宙飛行士もとてもたくさんいます。ですから、今はどちらかというと、若い人よりはある程度訓練を積んでいろんな経験がある人が宇宙に行ってるという段階ですね。


大村正樹

あと、宇宙は子どもには害はないんですか?

これは、まだわからないです。短期間であれば問題ないと思うんですけれど、宇宙は無重力の状態になるのと放射線がやっぱり地上よりは強い。子どもは成長の過程にあるので、今回の福島原発でもそうですが大人よりは子どものほうが放射能の影響を受けやすいといわれてますね。


大村正樹

はい。

ですから、ある程度長い時間宇宙に滞在していると、もしかしたら大人より子どものほうが影響を受けやすいので、何か工夫が必要かもしれません。これは、そこまではわかっていないんですね。


大村正樹

そこまでの研究などもまだ解明されてないので。

今、調査中ということですね。


大村正樹

ちびっ子が宇宙に行くには今しばらく時間がかかるけれど、ナオキ君がお父さんになる時には実現してるかも。

たぶん間違いなく実現してると思います。


大村正樹

すごい!お墨付きもらった。よしナオキ君、結婚して子どもができたら行ってちょうだい。ただお金もたくさん用意しないとダメだと思いますよね。

たぶんその頃は、もう少し安くなってると思います。


大村正樹

そうですか。続いて行きましょう。12歳のユリちゃん、小学校6年生ぐらいかな。「近所の犬がよく吠えてうるさいと、お母さんが文句をいってます。でも私は犬が好きなので、少しぐらいなら気になりません。これがもし犬ではなくて恐竜だったら、もっと近所迷惑だと思います。もしも生きたティラノサウルスが見つかったら、家で飼うことはできますか? どれぐらいの大きさの小屋をつくればいいでしょうか? エサ代はどれぐらいかかりますか?」って。子どもらしい、いい質問ですね。

そうですねぇ。飼ってみたいですよね。


大村正樹

ティラノサウルスって肉食ですよね。

そうですね。いろいろ大変なこともあると思いますけれど、まずティラノサウルスはけっこう大きいんですね。8メートルとか10メートルぐらい高さがあるので、やっぱり4、5階建ての建物がないとたぶん飼うことができないでしょうね。


大村正樹

キリンを飼うつもりでいないと、ティラノは飼えないということですね。

それから、やはり肉食なのでエサの心配をかなりしなければいけませんね。


大村正樹

何を食べるんですか?

実はティラノ自体はあまりよくわかっていない。もちろん生きた小動物をつかまえて食べてたということはわかってますが、意外と死んでしまった動物の肉を食べていた。つまり今でいうとハイエナみたいに、すでに死んでしまった死がいの肉を食べてたという説もあります。


大村正樹

はい。

生きたままの肉でなくてもいいかもしれないですが、そこもわかっていない。それから、食べる量も実はまだわかってない。肉食の動物はわれわれみたいに1日3回きちんとご飯を食べるという生活ではないので、つまりエサがたくさんある時にはたくさん食べて、ない時にはある程度長い期間我慢ができるという、そういったパターンの生物ですね。


大村正樹

ええ。

そうすると、毎日定期的にどれぐらいの量をあげたらいいかは、ちょっとわからないですね。でも、おそらく肉を1回に100キロとか200キロあげないと大変でしょうね。


大村正樹

スーパーで買えないですねぇ(笑)。

だと思いますね。ですから、お肉屋さんへ行っても大変だと思いますよ。


大村正樹

100キロ200キロの肉を買うには、お金が相当必要ですよねぇ。

ええ。どんな肉がいいのかわからないので、お金の計算もあまりできないですけれど(笑)。


大村正樹

僕もまったくできません。

ともかくエサ代はちょっとかかりそうですねぇ。


大村正樹

今生きてる生き物で、例えば個人がゾウとかキリンを日本で飼ってもいいんですか?

ゾウ

たぶん、それは今できないんじゃないかと。


大村正樹

できない。

そのあたりは決まりがどうなっているのか…。


大村正樹

ルールがあるわけですね。

そうですね。


大村正樹

わかりました。ゾウ、キリンがダメということは、たぶんティラノもきっと無理でしょうね。ユリちゃん、わかったかな?もうおしまい。寺門さん、まだ質問がいくつかあるので、来週またいいですか?

はい、わかりました。


大村正樹

来ていただいて、寺門さんの話をヒントに自由研究に役立ててもらったらいいかなと思ってます。じゃあ、今日はいったんここで。寺門さん、どうもありがとうございました。

どうも失礼しました。


大村正樹

話を元に戻しちゃうけど、寺門さんが芦田愛菜ちゃんを知らなかったというのは驚きだねぇ。でも科学の人ってそういうものかもしれないよねぇ。「餅は餅屋」という言葉があります。よかったら辞書とかインターネットで調べてみてください。寺門さんは「餅は餅屋」の人でした(笑)。ということで、みんなどうだったでしょうか?それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。みんなも夏バテしないでね。バイバイ!