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ネコの話(1)
コーチャー/加藤由子(ヨシコ)さん(作家)
大村正樹&加藤由子

大村正樹

キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、2月22日は2、2、2と並ぶのですが、何の日か知ってる? 2、2、2−ニャンニャンニャンという語呂合わせでネコの日だそうです。そこで今週はネコを取り上げます。キッズの中には「飼うんだったらイヌ!」「もうネコ飼っている」という人もいるかもしれないけれど…。「イヌ飼いたいなぁ」と思う人も、もしかしたら放送終わった後「あれ、ネコのほうがいいかもね」と思うかもしれないよ。お知らせの後、サイコーの登場で〜す。


大村正樹

今週のサイエンスコーチャー略してサイコーは、作家の加藤由子(ヨシコ)さんです。こんばんは。

こんばんは。


大村正樹

加藤さんはネコに関する書物がすごく多い。僕の助手が調べた限りで、PHP文庫から『雨の日のネコはとことん眠い』、ソフトバンククリエイティブから『ネコを長生きさせる50の秘訣』、学研マーケティングから『猫まるわかりフォト事典』などたくさん本を出されてるんですけれど。

けっこう出してますよ。


大村正樹

どれぐらい出していらっしゃるんですか?

たぶん40冊ぐらいだと思います。


大村正樹

40! 助手、全然ダメねぇ(笑)。ちょっと40冊!

まぁスペースがなかったんでしょう(笑)。


大村正樹

何年ぐらい前からネコに関する出版物を出されていますか?

25年ぐらい前からです。


大村正樹

四半世紀前から。

ちょっと年がばれちゃうんですが、そうなんです。


大村正樹

すごい! 人類でもっともネコに近い女性は、もしかしたら加藤さんですか?

いやぁ、そのあたりは何ともいえません。


大村正樹

でもネコのことなら、やっぱり相当詳しいわけですよね。

はっきりいって、ほんとにほんとに!最後の最後はわかりませんから、ネコのこと…。


大村正樹

はぁ〜。

だから私が「こうなんです」といい切ったら、誰も文句をいってこないので(笑)。


大村正樹

よくイヌの専門家の方って「イヌのことなら私に全部聞けよ」というんですけれど、ネコに関しては、やっぱりネコの専門の方でもわからないところもあるということですか?

やっぱり敵はネコですからねぇ。人間のことでも、私たちはわからないじゃありませんか。


大村正樹

はい。

ましてや種が違うほかの動物のことがわかるって、それは無理でしょうね。


大村正樹

なるほど。

わからない部分が残ってるところが面白いんですよ。


大村正樹

家で飼うペットというとやっぱりイヌとネコが両輪といわれていますが、最近はイヌのほうが多いような傾向が…。

それはイヌが目立つからですよ。外を散歩してますから見えるでしょ。ネコはほとんど今は室内飼いになってますから、飼ってるかどうかわからないじゃありませんか。


大村正樹

はい。

ネコのほうが多いと思いますよ、今。


大村正樹

そうなんですか。

ええ。


大村正樹

そうか、外で散歩している姿があるからイヌのイメージがあるけど、絶対数はネコのほうが多い?

イヌは登録していますよね。でもネコは登録制度がありませんから、推測するしかない。要するにキャットフードがこれぐらい売れている。ということは、このぐらいいるだろうという推測でしかないのですが、数字は忘れましたけど絶対ネコのほうが多いですよ。


大村正樹

へぇ〜。何を隠そう僕も子どもの時、ネコが家にいました。飼っていたのはおばあちゃんだったんですが、僕には全くなついてくれなかった。

はぁ〜。


大村正樹

ただそのネコ、本当にサザエさんのタマみたいな感じのかわいいネコで、おばあちゃんのひざにちょこんと乗っている姿が印象的だったんです。僕にはなつかなかったんで、手を差しのべると逃げる…。

はい。


大村正樹

それから、ほんとに目の前でジャンプする。僕の背の高さ以上にジャンプしたんで…。

絶対跳びます。ましてやその時、子どもでしょ。


大村正樹

はい。1メートル以上跳ぶと思う。

絶対跳びますよ。私、鴨居まで跳びあがったのを見たことありますもの。


大村正樹

鴨居まで!

後ろ足だけでピョンとジャンプ。


大村正樹

1.8とか2メートルぐらいということですよね。

ええ。垂直ジャンプしたのを目撃したことがあるんです。


大村正樹

だって、チータとかヒョウとかサバンナの生き物って、ネコ科ですよね。

みんな、ネコ科です。


大村正樹

ネコは、やっぱり運動能力が相当すぐれていると考えていいわけですよね。

ネコ科の動物みんな一緒と考えていいと思いますよ。


大村正樹

へぇ〜。

チータのほうが体重が多いから力も大きいでしょうけれど、大きな動物がそんなに跳ぶのって難しいじゃありませんか。


大村正樹

はい。

ネコは小型だから、それぐらい簡単に跳べちゃうんだと思うんですよね。


大村正樹

なるほど。じゃあ、イヌに比べたらネコのほうがはるかに瞬発力は…。

絶対そうです。エサのとり方によるんですよ。


大村正樹

えっ、何ですか、それ?

イヌは"追っかけていく"というとり方をするんです。イヌの祖先はオオカミですから、オオカミは群れをつくっていつまでもいつまでも追いかけていく。追いかけられている草食動物の中で「もうダメだ〜」というのが出るんですよ。「もう走れない…」というのが。


大村正樹

スタミナ勝負みたいなもんですね(笑)。

そう。それをみんなでとる。だから、ネコに比べてイヌは持続力があるんです。


大村正樹

はい。

ネコは1匹だけでどこかに隠れて待ち伏せをして、「来たな」と思ったら忍び寄っていって一気に跳びかかって延髄にかみついて殺す、というエサのとり方です。


大村正樹

へぇ〜。

ということは、元来、瞬発力で勝負してるんです。だから瞬発力がないネコは死んでいったと考えるべきでしょうね。これが進化ですよ。代を重ねるごとに瞬発力がいいの、いいのと生き残っていく。


大村正樹

じゃあ今、世の中にいるネコたちは、みんな瞬発力があるということですか?

それがダメで…。いい質問ですねぇ(笑)。何たって今のネコ、エサをとる必要がありませんから。


大村正樹

そうか。

「ニャン」といえば、飼い主がパカンと開けるんですから。だから、瞬発力がないネコも生き伸びられるようになったんです。


大村正樹

はぁ〜。

もともとの能力がありますから、私たちに比べたらとんでもなくいいですよ。でもやっぱり昔に比べたら、おバカなネコが増えましたね。


大村正樹

へぇ〜。

「こらこら」といいたくなるような。


大村正樹

加藤さん、ネコを飼ってるんですか?

飼ってますよ。


大村正樹

やっぱり。加藤さんが飼っているネコはどうですか?

「こらこら」の口ですね。


大村正樹

おバカなネコのほう?

おバカです(笑)。


大村正樹

ハハハハ。でも、ちゃんと能力を鍛えれば、ネコ本来の能力を持ってる?

いざとなったら、ほとんどのネコが出せるんだろうと思いますが、基本的な能力が若干ないものが今はいるだろうことは確かですよね。


大村正樹

へぇ〜。

昔だったら瞬発力がないものは、エサがとれないから飢え死にする。その他の理由で死んでいったと思うんですね。でも今は助けられてしまうわけですから生きてますよね。


大村正樹

ええ。

そのネコがまた子孫を残す。そしたら、瞬発力のない遺伝子が引き継がれていくわけですから、当然いるでしょうね。でも、全く困らないんですよ。


大村正樹

ネコって、どれぐらい寝るんですか、睡眠時間は?

いわゆるノラ猫、自分でエサを探さなくてはいけないとなったら、それでも15〜16時間は寝てると思うんですよ。


大村正樹

起きてる時間は、1日8時間から9時間。

いいとこ。でも飼い猫だと20時間寝てると思います。


大村正樹

いやぁ。

うちのネコは、どう見ても23時間寝てますねぇ。


大村正樹

寝てるか食べてるか、なんですか?

時々起きて、食べないと死んじゃうからじゃないですか、という気がしますねぇ(笑)。


大村正樹

何でそんなに寝るんですか?

元々ネコの睡眠時間は長いんですよ。動物によって睡眠時間は決まっています。


大村正樹

へぇ〜。

草食動物の睡眠時間は短い。


大村正樹

何でですか?

ご飯を食べるのに、時間がものすごいかかるんですよ。


大村正樹

草を食べるのが?

草を食べるのって、例えばゾウを考えると、ゾウは150キロぐらい1日食べないといけない。それを食べるのに1時間じゃ無理でしょう。


大村正樹

はい。

よく噛まなきゃいけないし。それをやってると寝る暇がなくなってしまう。


大村正樹

へぇ〜。

野生のゾウって2〜3時間しか寝ないんですよ。


大村正樹

じゃあ、ネコは肉食ということですか?

そう。


大村正樹

魚を食べるから?

魚を食べるのは日本のネコなんですよ。


大村正樹

外国のネコは何を食べるんですか?

肉。


大村正樹

へぇ〜! そういえば、前に誰かサイコーがそんなこといってた。

だって、もともとネコが住んでたところって海っぺたでも川っぺたでもない。


大村正樹

どこにいたんですか?

ネコの祖先は古代エジプト、半砂漠地帯といわれてますね。


大村正樹

へぇ〜。

いずれにしても、一番のエサはネズミですよ。


大村正樹

そうか、"トムとジェリー"ですもんねぇ。

そう。


大村正樹

そうか、そうか。

それが日本に入ってきて、日本ではまだキャットフードはなかったでしょう。当然人間が食べてるものを与えて、それが魚だった。


大村正樹

日本だからね。なるほど。じゃあ、日本人の固定観念ですね、"ネコイコール魚"は。

日本のネコだから、"おふくろの味"になっちゃったと思うんですよ。代々ずーっと魚ばっかり食べてきて。


最近、アメリカのネコがいっぱい日本に入ってきてるでしょ、アメリカンショートヘアとか。向こうで代々世代をつなげて来たネコたちは、やっぱり肉のほうが好きなの多いですよ。


大村正樹

そうか、へぇ〜。ちょっと、もうこんな時間。すみません加藤さん、この番組、時間が短いので。

ハハハハ。


大村正樹

ちょっとネコのこと、見直した今日。

そうですか、それは何より!


大村正樹

来週またお話をうかがってよろしいですか?

はい、わかりました。


大村正樹

今週のサイコーは、ネコにたいへん詳しい作家の加藤由子さんでした。ありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

イヌのルーツはオオカミで、集団生活でしょ。ネコのルーツはエジプト、ナイル文明の発祥の地のあのあたりなのかなぁ? で、単独で動くという。そうなのか、だからネコは瞬発力とか…。トラとライオンみたいなものかなぁ? ネコは1対1で手なずければ意外に大丈夫ということもよく分かったぞ。ということで、ネコを検討するのもありなのかな、と思ってしまいました。それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバ〜イ!