こころのビタミンタイム
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2010年05月06日
5月6日ご紹介

(荒川区・あんずっこさん)

去年亡くなった伯母は、私たち二人で立ち上げた店をとっても気に入ってくれていました。

うちの人が作る料理を「美味しいわ」と言っては平らげ、私が生けた花や、
作っているメニューを見ては関心してくれます。

白髪のオカッパ頭で時には和装の伯母は、私の店ではとても目立つ存在でチャーミングでした。
4年前のある日のこと、最近調子が悪くて困っているうちのパソコンを心配して、
調子を聞いてきた伯母。
「買い替えの資金もなかなか貯まらなくって」と言ったその時、少し膨らみのある白い封筒をカウンターにそっと置きました。
新札で20万円。
「毎日のお仕事に欠かせないものなんだから、これで使い勝手の良いのを買ってちょうだい」
伯母とはいえ子供でもない私たちにポーンと渡してくれた20万。ジーンとしました。

金額も去ることながら、私たち二人とこの店を心から応援してくれている伯母の気持ちが痛いほど嬉しかった。
お礼を言いながら、コック帽を脱いで胸に抱き、うちの人が涙を流しています。
彼は彼なりに、店を経営していくことの難しさに直面し、心を痛めていたに違いありません。
いつになく吟味してパソコンと複合機を選び、今それを毎日使っています。

いつか壊れてしまう日が来るのでしょうが、出来ることならばこのまま使い続けたい。
ハードディスクには、大好きな京都で撮影した桜の写真を添付して送ってくれたメールも残っています。

一人で天国へ旅立ってしまった伯母へ。
一人で共同墓地へ入ってしまった伯母へ。
お墓なんかなくったって、いつも想っています。仕事、頑張るから見守っていて下さい。
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投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2010年05月06日 18:17

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