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2007年06月13日

ニューヨークのラジオ局はやはり違う!? <担当★鈴木>

先日、NHKーBSでニューヨークのラジオ局を紹介
していたのですが、
かなりの驚きをもって興味深く拝見しました。
「同じラジオでも、やはりニューヨークの局は違うなあ」
という驚きではなく、

一言で言うと「ほとんど同じ」だから驚いたのです。
紹介されていたのは「1010WINS」という
ニューヨークの超ローカルのニュース専門のラジオ局。
誕生して40年の老舗のAM局ということで
文化放送の社員としては親近感を覚えずにはいられません。

黒電話やテレックスを囲んで背広姿の記者達が
談笑している40年前の写真も、
PCや編集機やテレビモニターに囲まれてラフな格好で
編集している今の映像も「文化放送とほぼ同じ」と
断言して良い風景で、ちょっと似過ぎじゃないかと。

現場記者たちが取材している風景に至っては尚更で、
銀色のマイクとソニーのMD録音機を持って、
ひとりぼっちで街を歩いて
道行く人にインタビューをし続けたり(時折逃げられたりもしながら)、
ちゃんと録れているかどうか録音機のカウンターを気にしつつ
テレビクルーの中に混じって現場で
マイクを突き出している姿までそっくり!
地球の裏側に自分と同じ仕事をしている人がいるのだと改めて実感し、
感動すら覚えてしまいました。

敏腕女性ニュースデスク、早起きの陽気なおじさんレポーターなど
(文化放送報道部にも該当者はいます)
個性的なスタッフたちが紹介されていましたが、
ミニドキュメンタリーの主役は、
うちにはいない79歳の大ベテラン記者!
局の創立時に新聞記者から転身して40年。
経営側に入らないかとの誘いも断って、
現場一筋でやってきた硬骨漢。

普段の根城はニューヨーク市庁舎の中にある記者クラブだそうで、
くどいようですがクラブの中の風景までそっくり!
置いてある備品からコンパクトな古ぼけた機材につながったマイク、
やや薄暗い部屋にラジオ各局が同居して、
各社のラジオマイクが並んでいるところまで
私が詰めている国会の中のラジオ社のクラブと同じ。
そう言えばインタビューに答える編集長の後ろの棚にも、
四谷時代に使っていた番組ジングルを出す機材と同じものが
オブジェ風に並んでいました!

違う点と言えば、日本の場合は大抵の局でそうなのでしょうが、
打ち合わせしたり作業したりする部屋と放送スタジオが
完全に分かれていて、
「放送するためにスタジオに入る」という感じが強いのに対して、
1010WINSでは、スタジオのドアのすぐ外で音をPCで編集したり
打ち合わせしたりしているだけでなく、
昼でも暗い(夜のバーみたくムーディーです)スタジオの中でも
常にスタッフがわさわさ動いていて、
パーソナリティの手元だけスポットライトが当たっています。
これが格好良くてたまりません!

「生放送が今まさに進行している空気感」で満ちあふれていて、
「何事も形から入る」私としては興奮の極み。
そして何と言ってもマイクがでかくて存在感たっぷり!
プレスリーが掴んでシャウトしていたのは
これくらいのデカマイクだったのでは?
大きなマイクに朗々とした声で言霊をぶつけるのは
ラジオならではの醍醐味だと思います。うらやましい!
テレビのピンマイクなんてつまらなくないのでしょうかね?

古い機材も残っている反面、
タイプライター文化を築いて来たアメリカだけあって、
Qシートや原稿が紙では無くPC上の画面でした。
キーを叩きながらアナウンサー(アンカー?)がニュースを読んだり、
レポーターを呼び出していました。
スタジオの外のPCと同期されていて、
最新ニュースを打ち込めば、即、アンカーの手元の画面も更新され
放送できるようになっているのかも知れません。
反射神経も鍛えられますね。

もうひとつうらやましいのは、ニューヨークという街が
舞台である点でしょうか?
同じ芝居を演じていても、舞台のセットが数段、豪華に見えると
テンションもあがりますよね(隣の畑は何とやらの話で..)。
外取材は、ひたすら躍動感あふれる街の息吹を
録音機に溜め込んで歩く作業のように思えました。

とは言え、東京も世界有数のメガロポリスなわけで、
もっともっと東京の魅力を拾い集めなければならないのでしょうね?
有楽町局や赤坂局に比べてより東京ローカル色の強い弊社なれば、
尚更のこと、手軽な装備で東京の街中を縦横無尽に走り回る
フットワークが大事な気がします。
私の意見にご賛同いただけるスポンサーのご協力を
切にお待ちしております!
そんな番組を一緒に作りましょう! 
面白いレポートしますよ! 

さて、あともうひとつ。
さっきも触れましたが、この79歳の超ベテラン記者が格好良い!
「1010WINS」の紙ロゴが巻かれたマイクを手に
少し猫背気味にコートの襟を立てて、白い息を吐きつつ
冬のニューヨークを走る姿はほとんど「刑事コロンボ」!

アメリカはCBSあたりに社会の木鐸たる80代、70代の
局の看板キャスター、レポーターが大勢いて
聴取者や視聴者に「安心」や「信頼」を与えていますよね。
大統領会見でもおじいちゃん、おばあちゃん記者が
ペンを手に持ったままブッシュさんに辛辣な質問をぶつけています。
あの光景って誰の目にも格好よく映るはずです。
これが日本の政治評論家だと「偉そう」に映るのですが、
アメリカだと「率直で威厳がある」ように感じるのは私の偏見でしょうか?

メディアの仕事は、人生の酸いも甘いも噛み分けた人たちにこそ
向いている職業と言う気がしてなりません。
日本の場合、ある程度年月が立つと、デスクワークに回って
「上がり」ということになります。
これでは、社会の空気も変えられない気がします。

ちなみにこの、1010WINS
「22分いただければ世界を差し上げます」というキャッチコピーで
通勤時間帯の聴取率は50局中トップだそうです。

東京より人口の少ない街で50も放送局があって
しのぎを削っているんですよ!
ニューヨークのダイナミックさが感じられます。
ニューヨークもロンドンも、香港も台北も。
活気ある都市ほど古いメディアとも評されるラジオが元気なのは
実に「興味深い驚き」だとも言えるのです。

             国会担当 鈴木びん


投稿者 : 2007年06月13日 23:39