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2007年03月08日
境界線(担当☆石森則和)
畳の香と
エキゾチックなお香が渾然となって
鼻腔をくすぐりました。
世田谷にある「アーレフ(旧オウム真理教)」の施設。
その中で、「上祐元代表らによる脱会会見」は行われました。

(会見の様子)
今回はおよそ60人が脱会し、
上祐氏は早ければ来月にも新団体(名称未定)を
立ち上げるとしています。
いつものハイテンションではなく、
言葉を選びながらの会見となりました。

(脱会届)
上祐氏は「本来は無いほうがいい団体」と自らを表現し
「解散も考えた」と言いました。しかし解散させなかった理由として
「今でも松本死刑囚を妄信し、反省していない信者が多く難しい」ことや
「(被害者らへの)賠償契約があること」
「信者の高齢化が進み、
身寄りのないお年寄りの生活扶助ができなくなる」ことなどを
挙げました。
また、今後も任意で観察処分をうけることと
管財人と新たな賠償契約を締結し
元の団体における構成比率に基づいて2割弱を賠償目標額とすることを明らかにしました。
「増収、拡大してはいけない状況の中で賠償するのも今はこれが限界」といいます。
今回注目すべきは「麻原色を完全に払拭した」ことのアピールです。
施設内に麻原(松本死刑囚)の絵や写真、書籍などは見当たりません。

(道場)
食事も「水煮」が中心の、いわゆる「オウム食」ではなく
普通の食事に近いものになります。
(厨房)
ヘッドギアも無く、ユニフォームも新たなものになるといいます。
修行も叫んだり、とびはねたりもしないと。
(新ユニフォーム)
会見後、本部施設内にある上祐氏の居室に入りました。
(石森の質問に答える上祐氏)
「いつもの会見と口調が違いますね」
「ええ、こういう内容ですから」
苦笑いした上祐氏は
紺色のスーツに白いワイシャツ、薄紫のネクタイ姿。
「改装したんですか?」
「以前は道路側の窓は狙撃防止のために板をはっていたんですが、
剥がしました」眩しそうに外をみます。
「新団体には教祖はいないと?」
「はい、いません」
・・・新団体は「特定の人間を神格化せず、
すべての人の中に神を見出す」としています。
では、住民や被害者は今回の「脱会」を
どのように捉えているのでしょうか?
「本部の場所は変わらないし、
上祐代表の本音が見えないので不安は変わらない」と口を揃えます。
また、麻原色を払拭したのは「監察逃れではないか」との見方もあります。
(法律上は監察されなくてもよくなるが、当面は任意で協力する方針)
さらに、松本死刑囚の死刑執行後のことを心配する声もありました。
上祐氏は会見の中で「現在は松本死刑囚の家族とは断絶している」としていますが
「反上祐派が松本死刑囚の死後、妻や娘を教祖にする」ことを恐れていると言いました。
その意味でも、少しでも反上祐派を「改宗」させて上祐側にとりこみたいのです。
・・・しかしこの動きに「反上祐派」がどう反応するのか?
実は去年の夏ごろから、本部(複数のマンションで構成)は
狭い道を挟んで片側が上祐派、もう片側が反上祐派となっていて
すでに経理関係も別になっていました。今後も、このままとなります。
上祐派は「暴力的な行為」を否定していますが
「道を挟んで緊張状態が続くのではないか?」
「何が起こるかわからない」と心配する人もいるのです。
この本部があった場所には、昔は幼稚園があったそうです。
昔から人情の厚い地域で、
本部前で待機していると通行人から「風邪引くなよ」と声がかかります。
「昔は何も心配せずに暮らせたのに」という年配の女性の肩には
黄色いタスキがかけられていました。
そう、上祐派と反上祐派のマンションの間を通る道、その「危うい境界線」では
今でも毎日、年配のかたを含め住民による監視活動は続いているのです。
年配の住民のひとりは
「これからは、反対運動も
両方にいかなくてはならないんだよ、苦労が倍になるね」と
ため息をつきました。
投稿者 : 2007年03月08日 19:14