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2006年11月30日

BIG BOY BLUES(担当☆石森則和)

取材の現場では、記者ひとりひとりがライバルであると同時に
例え放送局が違っても、時には助け合う仲間にもなります。

そんな1人、F君とは「裁判所の記者クラブ」で一緒の部屋。
取材に来ていた彼に、
石:「きょうの裁判、会社の人は傍聴にいらしてないの?」
F君:「僕1人で、200人以上の気持ちを背負っているんです
・・・なあんてね」

そう、
冗談交じりに笑う彼は
「ニッポン放送」さんの記者。

きょう、
「ニッポン放送」をめぐるインサイダー取引事件で
証券取引法違反の罪に問われている
「村上ファンド」前代表の村上世彰被告と
投資顧問会社「MACアセットマネジメント」に対する初公判に
一人で取材に来ていたのです。
murakami.jpg


おととしの11月、
「ライブドアがニッポン放送株を
大量に取得しようと計画している」ことを、
ライブドアの幹部から「きいちゃった」村上被告。

その情報が公表されて株価が上がる前に
「ニッポン放送株」を買い増して、
株価があがったら株をどーんと売って大もうけした罪、
・・・に問われたわけです。
(村上被告は全面否認)

でも、
難しいのは、
これが「インサイダー取引」だったかどうかです。

村上被告が
ライブドアが株を大量に取得するという情報を「聞いちゃった」
・・・とされる11月に、

この情報がただの「願望」や「大言壮語」ではなく
「ライブドアが会社として
大量にニッポン放送株を取得することを
正式に決定していたかどうか」
これがポイントになるんですが・・・

んが。

この「ライブドア」という会社の場合、
何をもって「会社として決めた」とするのかが
判断しづらい。

例えば、きょうの公判で検察側の証人となった
ライブドアの前取締役、宮内被告の証言では
9月に村上被告から
「緊急の提案があるので会いましょう」というメールが届き、
「N社(ニッポン放送)について」という極秘資料を
提示されたといいます。

そして
「今ならニッポン放送の経営権をとれるぞ、
ニッポン放送株を3分の1取得すれば、自分の持っている株とあわせて
過半数だ、フジテレビの経営権を取れる可能性もある」と
持ちかけられたというのです。

さて、どうするか。

こんな重要な案件、普通の会社なら幹部らが会議を開き、
検討するものなのでしょうが・・・
「メディア」が欲しかった「掘江社長」は
興奮して「是非やらせてください!」と言い、
更に村上被告はその場で
「おたくの会社に、うちの社員と同じゼミの子がいるから
その子と一緒にやれば?」と提案。

なんと、会議直後に
関係会社の社員らに資金調達の命令が下っているというのです。
まあ、あくまで「検察側の証言」ですが
「この軽さ」には驚きです。

で、おかしいのは
この頃の「堀江社長」のはしゃぎっぷり。
horiekaitei.jpg


事前に漏れてはいけないこの重要な情報を
スイスの銀行から資金調達までして
「死守したい」宮内被告に対し、
証言の中に垣間見えるその「こどもっぽさ」に
傍聴席からも失笑が漏れました。

~その1~
検察側から示された証拠のひとつ。
まず9月15日の堀江被告のブログ「社長日記」のコピー・・・

「朝から某投資会社社長と会議、おもしろいプロジェクトである」
・・・とある。
検察官:「宮内証人、このブログを見たときにどう思いましたか?」
宮内被告「書くなよっ!」
(法廷、笑いに包まれる)

~その2~
検察官:「こ・・・これ以外にこうしたことは?」
宮内被告:「球団買収の夢が破れた時、TVを見ていたら
居酒屋で堀江がよっぱらっているシーンが映っていて
カメラに向かって
『今度は本丸(フジテレビ)とりますからっ!』と叫んでいました」

検察官:「(ちょっと笑いをガマンしながら)
そのとき、どう思いましたか?」

宮内被告:「それ以上、言わないでくれええええって」
(法廷:笑)

さらに堀江被告に「N社について」の極秘資料を渡すと
デスクの上に「だしっぱなし」にするので
即刻回収した・・・などのエピソードが。

おこちゃまかっ!


(ただ、堀江被告自身の裁判は続いており
宮内被告はそこでも証人として証言していますから
そのあたりへの影響を意識した発言と穿った見方もできます
尚、これはあくまで検察側の証人の証言、
村上被告側は、
大量買い付けの情報を正式に認識したのは
翌年1月と主張し、無罪を主張しています)


法廷で
「心が捻じ曲がってる」
「悔い改めたほうがいい」
「言い過ぎじゃねえか、みたいな」
「揚げ足とり以外のなにものでもない」
などと発言する堀江被告、

そりゃあ、意に反することも裁判だからあるでしょうが
ものには言い方ってものがある。
これじゃあ
「子ども部屋で口尖らせている
内弁慶な中学生」と変わらない。


それどころか
こんな言い方では
「伝えたいこと」を聞いてもらえなくなる。
YES MANの部下ならともかく。

社会の中で人と真剣に向かい合ってきた大人なら
誰でもわかりきっていることです。

きょうの宮内被告も
「ざっくり言うと、そういうこと」などという言葉遣いをし、
村上被告も、逮捕前の会見で
「僕を嫌いなのは僕が金持ちだからでしょう」と真顔で言い放つ。
善悪は裁判で明らかになるとしても、
大人の態度とは思えない。


裁判官も、証人も傍聴人も
君たちのパパやママではないのだ。


僕は
真面目に会社で働いてきた人たちの人生を
「この軽さ」で変えてしまった「おこちゃま」たちの「独特の持論」を
隣の席で真面目にメモを取り続けるF記者がどう受け止めたのか、
ついに尋ねることはできませんでした。


いかなる理屈をこねても
論破することでは
人はわかりあえないんだぜ、

BIG BOY。

※この「村上ファンドのインサイダー取引問題」
詳しくは、高尾記者が、このあとのブログと
あす12月1日(金曜日)朝7時20分ごろの
「吉田たかよしプラス!」内「特集プラス」で
レポートしますので是非
チェックしてください。

投稿者 : 2006年11月30日 19:44