« 渋谷・女子大生誘拐事件から10日 ドキュメント 担当☆扇一平 | メイン | 引越し秒読み<担当★健司> »
2006年07月06日
どんな人生も(担当☆石森則和)
きょうの報道部は、
「北朝鮮のミサイル発射問題取材班」と
「拉致問題(国内)取材班」の
2班に別れて飛び回りました。
・・・僕は「拉致問題取材班」っ!
ひとりだけど。
くすん・・・
さて、
北朝鮮のミサイル発射問題で緊張が高まる中、
日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とされる
金英男(キムヨンナム)氏が、
きょう午前、平壌市内で
「初めて」日本人記者団と会見しました。
前回はヒトゴトのように
手元のファイルを読み上げる会見でしたが
今回は別人のように「愛を語った」会見。
娘のウンギョンさんまで後半ドラマチックに登場しました。
めぐみさんの父親、横田滋さんはこの豹変ぶりについて、
「北朝鮮は、前回の説明で日本を納得させられるだろうと思ったのに
むしろ逆に日本の人々を怒らせてしまった」
・・・だから、
「敢えて英男さんのキャラを変えたのでは?」
と苦笑いしていらっしゃいました。
しっかし
英男氏、
キャラ作りが両極端だなあ。
でも、キャラは変えても
金英男氏の会見は、相変わらず、
「これまでの矛盾点を取り繕うような発言」が目立ちました。
例えばね。
「めぐみさんの死亡時期」を、93年から94年に訂正
死亡してから2年後に火葬したと言っていたのに
きょうはまた変わって
97年に火葬したと発言。
ありゃりゃ。
そもそも「妻が亡くなった年」って忘れるものなの?
結婚記念日を忘れることはあってもさ。(どきっ!)
少なくともそんなに何度も強調するほど
「幸せな結婚生活」で愛していたなら
また、幼い娘がいたなら
愛する人との別れは
あなたの人生をも変えるでしょう?
(だいたい97年は初めて日韓で大々的に報道され、
国会でも取り上げられた年だぞ?
・・・ということは?
滋さんは
この年、北朝鮮が
「誰かを焼いて骨を作った(!?)」という
可能性を指摘。怖っ!)
でもね
皆が怒りでヒステリックになりがちな中、
当事者の滋さんは、
僕らに
驚くほど冷静に話しました。
めぐみさんが夫に
「父は銀行員なの。
弟がほしい!とせがんだら
双子の弟ができたわ。」と
話したとされることについては
横田さんは、
「それは本当ですよ」
・・・と前置きしながら
「ちょうど、ここのところ
めぐみの写真展を各地でやっていたんです。
幼いころのめぐみと家族の写真もあってね、
その写真に、「そういう文章」が添えてありましたからね」
と笑いました。
・・・あらら。
ほかにも「矛盾の取り繕い」と思われても
仕方のない発言が。
金英男氏の家族が、
再会したときに英男氏から聞いたという
「火葬場でほかの人の骨がまじったかも」という言葉。
これを英男氏
自ら、あっさりと否定、
同様に家族に再会した時、
「めぐみさんは幼いころ交通事故にあい
それがもとに鬱になった」と語ったとされることについても
それを受けてその後、
横田夫妻が
「めぐみは交通事故にあっていない」
と証言すると、
一転して
「交通事故だったかどうか、わからない」
と翻す発言。
(でも金英男さんのお姉ちゃんは
「あんた、あの時確かにそういったじゃんよ!」と
怒らないのかな?)
さぞ、横田さんはお怒りかと思ったら
「間にワンクッション、家族が入っているのだから
話が正確に伝わらないこともあるのでしょう」と、
微笑みを湛えておっしゃった。
大人だ。大人すぎる・・・・
なぜ、こんなに泰然と構えていられるのか?
実はね、
今回の金英男氏の会見は、
もともと北朝鮮サイドから数社のメディアに対し、
「会見できるよ、やらない?」と
「提案」してきたものなのです。
つまりね。「拉致問題は解決済みだ」とする北朝鮮が、
従来の姿勢を
「金英男氏の口を借りて、重ねて強調した」可能性が高い。
だから
「それについて一喜一憂すること自体が無意味」だと
滋さんご自身が、一番よくおわかりなのでしょう。
うんざりするほど
矛盾点ばかりが明らかになるこの問題。
でも、それは悪いことばかりでは
ないかもしれません。
なぜなら、
これらを検証することで、
日本政府としては
北朝鮮側を追求する根拠が増えたとも言えます。
きのう発動された経済制裁の根拠に
「ミサイル発射」だけでなく
「拉致問題」が加えられたことで
「解決なくして制裁解除」なしという強行姿勢になりました。
それについて
「滋さん御自身はあっ!
制裁の根拠に拉致問題が加わったことをっ!
どう思いますかあっ?!」と
会見場の一番後ろから(マイクのコードの関係なの・・・)
石森の腹式呼吸で(でけえぞ)シャウトすると
「ミサイルだけを根拠に制裁したらっ!
むしろマイナスだったと思います!」と
滋さんとしては珍しく
「大きな声」で
答えてくれました。
会見場を出たところのロビーで
救う会の幹部に
「でもねえ、
制裁を発動することで
対話をする場が失われ、
解決が遠のくのではないかと思うと
心配じゃありませんか?」
と伺うと
「うん・・・
でも、もともとね。
もう対話だけで解決するとは
誰も期待していないんだ」
そしてふと表情を緩めて
過激に聞こえた?というように
「子どもを誘拐されたのに
身代金を払い続けても
解決にはならないでしょう?
そういうことなんですよ」
「拉致」というけれど、
これは
「誘拐事件」なんですと。
ミサイルは本当に脅威。
あの日、宿直だった僕と吹野記者(デスク)は
チームワークで
一報が飛び込んでから
ニュース速報や解説をなんども入れながら
2人とも正直、
心の片隅に
「もし本土に飛んできたらどう対処しようか?」
という考えがありました。
でも、発射40秒後に海の藻屑と消えた
テポドンもアレだけど、
かけがえのない家族の未来を
「粉砕」したこの問題の罪深さを
僕らは知らなければならないと思います。
ところでさ、
突然だけど
これを詠んでいるあなたは幸せですか?
子どもの頃に
望んだ大人になれましたか?
(・・・僕は60点かなあ?)
めぐみさんは当時13歳。
どんな人生も
選べたのに。
投稿者 : 2006年07月06日 20:12