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2006年07月05日

ミサイルが飛んで来た <担当★鈴木びん>

飛んできました、北朝鮮のミサイル。
私は今日、ニュースパレードのデスクとしてバタバタしました。

率直に思うのはアメリカや日本を怒らせるのは
北朝鮮常套の瀬戸際外交としても(今回はやり過ぎですが)
どうしても気になるのが、着弾地点。

地図の上ではどう見ても日本海というよりもロシア沿岸。
軌道を追えばアメリカに到達するコースとの事ですが
ロシア当局も怒りのコメントを発表しています。
加えて六カ国協議の議長国、中国の顔も潰しました。

どちらも事前に北朝鮮からの通知が無かったとのこと。
もちろん、国際情勢は不可解なので、
ロシアや中国が本当に知らなかったかどうかは
怪しむ余地も大いに残されていますが(特にロシア)。
とにかく国際的枠組みの中で北朝鮮の兄貴分だった
ロシアや中国が表立って弟を擁護しずらくなるのは事実。

邦丸ワイドの中でも「ロシアが気になる」と発言したのですが、
水曜コメンテーターの日刊ゲンダイの二木編集長も
大きく頷いてくれました。

「ミサイルを飛ばせるぞ」とアピールすることが
ひとつの外交カードと見ることもできますが、
経済制裁の引き金をも引いてしまえるだけの
国内の安定は本当にあるのか?はなはだ疑問です。

2年前に日朝首脳会談の取材で平壌を訪れました。
明かりの無い真っ暗な地下道。
燃料不足で止まってしまった地下鉄。
日本人メディア向けにセッティングされたと思われる
突然前から歩いてくる幸せそうな新婚カップル達。
一般市民は買う気配の無い屋台が並ぶ。
車も人も少ない人工的な侘しく乾いた町並み。
埃っぽい基幹道を延々と歩き続ける老人達(自転車も無いのか)。
ショーウィンドウ都市の平壌にしてこれです。
正直言って思っていた以上の貧しさでした。
地方都市の困窮はいかほどのものか。

いやー韓国も辛いでしょう。
京畿線と東海線の縦断鉄道の開通も先送り。
金大中氏の訪朝も不透明。
何度もラブコールを送って(しかもこちらの方が器量良しなのに)
毎回、愛しの恋人に袖にされてきた韓国にとって、
裏切られたという思いは強いでしょう。
日本の経済制裁以上にダメージの大きい、
韓国の食料支援の見直しが始まりそうです。

インサイドラインの歳川隆雄さんにもご出演いただきましたが、
燃料を機体に入れたままでいられる限界を迎えてしまったので、
軍部の判断でやったとの見方でした。同感です。
アメリカの独立記念日を意識したとはあまり思えない
というのも私と同意見です。

拉致問題で平壌を訪れている日本記者団に対し、
北朝鮮の外交官も「軍のやることは外交官は分からない」
と言っていました。ある意味、本音かも知れません。
とすれば、全てが金正日の判断で国が動いていたはずの北で
何か変化が現れようとしているのでしょうか?

2年前の事で思い出すのは、
バスの中からみんな笑顔で手を振ってくれた明るい女子生徒たち。
悪いのは政治体制であって人民ではありません。
困窮が人心の荒廃を招くことはあるかもしれませんが、
それも政治の責任です。どこの国でも同じです。
罰せられるべきは為政者であって、国民であってはなりません。
イラクにしても然りです。

それにしても今回の日本政府の対応は迅速でした。
すぐに麻生大臣はライス国務長官に連絡して
国連安保理にはかってもらう事になりました。
シーファー大使も即談話を発表。何て心強いアメリカ。
まさに日米同盟ここにありきです。
流れてくる情報はアメリカと強く連携し
今回の問題に対処するという姿勢ばかり。
ロシアや中国や韓国にはどんな話をしているのか
あまり具体的には出てきません。
為政者には常に思惑がありますので注意も必要です。

心痛めるのは、家族会の受け止めの温度差。
増元照明さんたちが、どんな形であれ経済制裁は
有効と感じているのに対し、横田滋さんは
「こんな形での制裁は望まない
(らちとは違うベクトルでものが動いてしまう心配もあります)
と複雑な胸中を覗かせています。
どちらが正解で不正解ということはありません。
どちらも正解なのです。

今回のミサイル騒動で改めて実感したのが
小泉総理の影の薄さ。
アフガニスタンのカルザイ大統領ら要人との会談などで
一日追われた訳ですが、
こういった危機管理における総理のリーダーシップというものは、
実は阪神大震災の時の村山総理から
ほとんど進歩していないのかも知れません。
総理の立場としてあえて冷静に振る舞っているのであれば
ずいぶんイラクの時とは違うではないですか。

国のピンチには官房長官と防衛庁長官と外相の連携で
着実に対処が進むのであれば、
やはり小泉さんはスタータレントであって
リーダーでは無かったのかもしれません。

8発目は打つなよ、北朝鮮!!

                国会担当 鈴木ビン

投稿者 : 2006年07月05日 22:11