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2006年04月26日
壊すことと作ること ★ 嶺岸
小泉政権が誕生して5年が経ちました。
今日は国会取材担当の私、嶺岸に、デスクからのレポート要請あり?
と勝手に思いきや、「姉歯容疑者ら8人逮捕!!」のビッグニュースの前に
「小泉政権5年の功罪を検証!」などという、
嶺岸の勝手なレポート構想は泡と消えたのでした。
姉歯氏らはどこから出頭するのか、いつ警視庁に入るのかーー
警視庁や築地署などを奔走する社会班記者(今日は扇・高尾・石森記者)を尻目に、
私の一日は、
民主党議員のオフレコ取材(直接、記事にはしない取材のこと)、
粛々と続く委員会の審議ながめ、
国会や官邸周辺のぐるぐる歩きという、
のんびりムードいっぱいのものとなったのでした。
しかし、一日国会内外を歩きまわるだけでも、この5年間の移り変わりをまざまざと
見せ付けられました。
まずは、下図の左がわ、旧総理官邸と右の4年前に完成した現総理官邸。
遠景なので、違いがよくわかりませんが、
中身は大違いです。
旧官邸では、2階にあった総理大臣の執務室まえに、
記者はいつでも貼りつくことができ、
総理の出入りの時には、話し掛けたり、表情を
読み取ることができました。
現在の官邸では、記者はあらかじめ取材を許された場合に、
その会場や部屋に通されるのみ。
官邸の出入り口は複数あるので来客も把握しきれず、
二重の廊下が存在するなどの設計を施しているため、
総理の行動はほとんど読み取れません。
毎日マスコミの前で短くコメントする「総理ぶら」のおかげで、
一見、総理の存在が身近に感じられるように思いますが、
実際には以前より取材のしにくい遠い存在になっていることは事実です。
次の一枚は、今日の国会審議の一幕。
参議院の行政改革特別委員会の模様です。

紫の洋服の女性は
自民党の川口順子議員。
左側に座るのが小泉総理。
川口議員は小泉内閣発足時に環境大臣、外務大臣をつとめたあと、
今は、席を答弁側(左)から質問側(右)に移しての政治家生活。
5年の変遷を感じさせます。
最後の一枚は、永田町にある自民党津島派(旧橋本派)の事務所前。

毎週水曜の昼時に、津島派の幹部会があるため、
終了後、出てくる派閥議員に記者が幹部会の様子を聞いている光景です。
かつて旧橋本派に野中広務氏や梶山静六氏が所属していたころ、
この場所は政権を動かす中枢の場所として
取材におしかける記者でごった返したものでした。
小泉内閣5年間で、確かに自民党の派閥の勢力図は変わりました。
が、派閥がなくなったわけではなく、
文化放送にレギュラー出演している田中真紀子代議士いわく、
「利権の権力構造が左から右へ移った、つまり森派にシフトしただけ」。
また、例え派閥がなくなったとしても、
それが国民にとってプラスに働くことにならなければ
意味がありません。
5年前、国民は確かに、
「官僚に依存せず、派閥の意向に左右されない強い総理大臣」の誕生を望みました。
でも、その5年後の記念すべき日のニュースが、規制緩和を背景とした
耐震偽装関連のニュースにかすんでしまったことは、
奇しくも小泉政権の功罪を象徴した出来事に思えます。
建築確認を民間に代行させるようにした8年前の法改正――。
小泉政権が決めたものではないとしても、
これを放置しつづけたことは事実ですから。
制度を壊すことも大事ですが、私たちにとって一番大事な
「安全」や「平和」を作る作業が
5年の間に埋もれてしまっているような気がしてなりません。
投稿者 : 2006年04月26日 23:29