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2020年07月20日

スポーツライター・二宮寿朗さんに聞く 再開後のJリーグ

 7月20日放送
 『岩本勉のまいどスポーツ』
 スポーツライターの
 二宮寿朗さんがリモートでご登場。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により
 約4か月半の中断期間を経て
 今月7月4日にリーグ戦を再開した
 Jリーグ/J1について
 観客不在のリモートマッチが
 選手のプレーに及ぼした影響、
 今シーズンの特例ルールが
 有利となるかもしれないプレースタイルなど
 コロナ禍のJリーグの注目ポイントを伺いました。

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◆◆ 二宮寿朗さん プロフィール ◆◆

 1972年5月生まれ。愛媛県出身。

 日本大学卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。
 格闘技、ボクシング、ラグビー、サッカーなどを
 担当し、2006年に退社。
 文藝春秋社「Sports Graphic Number」編集部を経て
 独立。

 主な著書は
 『岡田武史というリーダー』
 『闘争人 ~ 松田直樹物語』
 『松田直樹を忘れない』など。
 近著は
 Jリーグ 川崎フロンターレ・中村憲剛選手、
 プロ野球
 福岡ソフトバンクホークス・和田 毅投手など
 1980年生まれ“松坂世代”の
 一流現役アスリートたちの考え方に迫った一冊
 『鉄人の思考法
   ~ 1980年生まれ、戦い続けるアスリート』

 (集英社/1,500円+税/2020年1月発売)

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  リモートマッチのプレーへの影響

 Jリーグはプロ野球と同様、
 観客不在の“リモートマッチ”を経て
 制限付きで観客を入れる試合の開催が
 始まりました。

 『サポーターは12番目の選手』とも言われる
 Jリーグにおいて
 リモートマッチでは、
 『練習試合に近い雰囲気』――と
 感じた選手もいたようです。

二宮 「声援の力がないだけで
     選手の“後押し感”がない。
     プレーの強度とか見てても
     観客が集まらない影響って
     あるのかなって感じました」


岩本 「拍子抜け的なものが
     あるのかな・・・?」


二宮 「違和感みたいなものが
     あったんじゃないかな
     という感じはしましたね」


 

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  2020年と「パスサッカー」

 リーグ中断中の
 選手の「トレーニングの再開」
 ガイドラインにより
 段階ごとの手順が示されました。

 ① 個人の在宅トレーニング
 ② 練習場での個別練習
 ③ 少人数のグループ練習
 ④ チームでの練習


岩本 「『個人で練習しておきましょう』
     というのは、スキルアップには
     影響しにくいというか
    
(状態が)上がってこないですよね」


二宮 「みんなでボールを回さないと
     感覚も掴めないし、
     影響は少なからずあると思います」


 ガンちゃんは開幕直後のプロ野球でも
 チームプレーのミスが目立ったいたことを指摘。

岩本 「二遊間のコンビネーション、
     エラーが、
     開幕してから多かったんです。
     阿吽の呼吸で知り尽くしていると思いきや
     鈍っている部分ってあるんですね」


 

二宮 「Jリーグも一緒です。
     パスサッカー中心のチームは
     パスミス、連係ミスが目立つとか・・・」


 

 一方で、連戦が続く今後は
 パスサッカーのチームが有利
 という見方もあるそうで、
 二宮さんも“今シーズンの展望”として、
 語る機会が多いそうです。

二宮 「人が走るのとボールが走るの、
     どっちが疲れますか?
     ボールを走らせた方が
     体力的疲労ってないじゃないですか。
     相手の方を走らせて
     自分たちは走らずにボールを走らせますよ、
     っていうところなんで。
     パスサッカーでボールを走らせてる方が
     体力的には有利になってくるのかな
     って感じはあります」


 

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  特別ルール 5人交代制

 国際サッカー連盟(FIFA)は
 今季限定の特別ルールとして
 1試合の選手交代枠を
 通常の3人から5人に増やすことを認め
 Jリーグもこれを導入。

 6月27日のJ2第2節「愛媛対徳島」では
 前半終了時0-3とリードされた愛媛が
 後半に入ると同時に3人交代。
 試合の流れが変わり
 愛媛が逆転勝利を収めました。

二宮 「つまり、フレッシュな人間を
     入れたりすることによって
     全然違う展開に持っていける・・・」


 従来の3人交代制では
 なかなかできないような大胆な手を
 打つことができた――ともいえそうです。

長 「今年ならではの戦い方に
    なるのかもしれないですね」


 

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  注目チームは 川崎フロンターレ

 二宮寿朗さんが注目するチームは
 川崎フロンターレ

 パスサッカー

 選手層の厚さ
  5人交代制により
  一線級の選手をフル活用できる。

 連戦に慣れている
  フロンターレは、秋に集中開催される
  AFCアジアチャンピオンズリーグに
  2017年から3年連続出場し
  連戦慣れしている上、今年は不出場。

二宮 「分厚い戦力をシーズンだけに
     集中してやれる、と」


岩本 「選手層だけ言うと
     去年のソフトバンクホークス
     みたいな感じかな!?
     出てくる選手
     『これも一流!これも一流!!』みたいな」


二宮 「(その上)若手もいますし」

 

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  二宮寿朗さんの最新情報

 課金制スポーツサイト『SPOAL』

 二宮寿朗さんは去年11月
 新たなメディアとして
 課金制スポーツサイト
 「SPOAL」(スポール)を起ち上げました。

 文章、写真、デザインすべてにこだわり、
 コンセプトは
 ひと味違ったスポーツ記事を
 「作品」として楽しんでもらうこと。
 まるで映画やドキュメント番組を
 見ているような感覚で
 記事を読んでほしいと考えたそうです。

 「SPOAL」ウェブサイトは こちら

  二宮寿朗さんの著書

 『鉄人の思考法
     ~ 1980年生まれ、戦い続けるアスリート
  (集英社/1,500円+税/2020年1月発売)

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 Jリーグ 川崎フロンターレ中村憲剛選手、
 プロ野球 福岡ソフトバンクホース和田 毅投手といった
 1980年生まれ“松坂世代”
 一流現役アスリートたちの考え方に迫った一冊。

二宮 「今年40歳になる方ですので
     自分の哲学みたいなものが
     あったので
     だいたい考え方が整理されている
     というところがありました」


岩本 「取材してても、
     こだわりをしっかり
     自信を持ってコメントしてくれるので、
     こっちも惹き付けられるというか
     吸い込まれますよね」


二宮 「長くやれてるんだなと 
     すごく感じましたね」


 収録アスリートや内容など
 詳しくは 集英社のサイト
 または  集英社「よみタイ」 をご覧ください。


 
二宮寿朗さんの前回2014年9月29日
  ご出演
の模様は こちら

投稿者 文化放送スポーツ部 : 18:30

2020年07月06日

室井昌也さんが選ぶ 韓国プロ野球 注目トピックランキング

 7月6日放送
 『岩本勉のまいどスポーツ』
 今年5月18日に引き続き
 “韓国プロ野球の伝え手”
 室井昌也さんがリモートでご出演。

 先月、制限付きでの観客の入場を認める方針が
 発表された(※) 韓国プロ野球の現状や
 開幕(5月)からここまでのシーズンで
 室井昌也さんが注目した話題・選手
 ベスト3を教えていただきました。

 (※)韓国の文化体育観光部 中央災難安全対策本部 発表

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  観客の入場解禁 決まらず

 日本のプロ野球は今月10日から
 最大5千人の観客を入れて試合を開催します。

 一方、韓国プロ野球 KBOリーグは
 日本より先に開幕したものの
 ソウル市内で集団感染が確認されたこともあり、
 観客を入れる公式戦開催日は未定。

 すでに
 観客入場が解禁になった場合の受容数や
 応援の規制などの準備は整えており、
 正式決定を待つ状況となっています。

室井 「プールとか、そういったところは
     営業を再開しているところが
     あるんですね。
     『なんで野球は まだなんだよ』って
     もどかしい気持ちを
     持っている人たちが多いですね」


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 なお、開幕直後は
 “ソーシャル・ディスタンシング”が重視され
 選手は試合中、極力接触を避けていましたが
 現在は
 ハイタッチハグも行われているそうです。

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  2020 韓国プロ野球 注目ランキング ベスト3

 ★第3位 9年ぶりの日本出身選手
      『早実の腕立て王子』が奮闘中

 2010年、夏の甲子園大会、
 ネクストバッターズサークルで腕立て伏せを行い
 「腕立て王子」として話題になった
 当時・早稲田実業2年の
 安田権守(やすだ・こんす)選手が
 今シーズンから斗山(トゥサン)ベアーズでプレー。
 (27歳/右投左打の外野手)

 在日韓国人3世で
 韓国KBOリーグでの登録名は、アン・グォンス
 外国人枠ではなく一般の選手と同様
 ドラフトを経てベアーズ入り。

 日本出身選手が韓国球界でプレーするのは
 2011年の門倉 健投手(サムスン・ライオンズ)
 金村大裕投手(SKワイバーンズ)以来
 9年ぶりです。

 安田権守(アン・グォンス)選手は
 足が速く、守備がうまいタイプの選手で、
 試合終盤に代走や守備固めで登場する機会が多く
 細かい野球をする 
 ベアーズのチームカラーにもマッチ。 

室井 「“大活躍”ということではないと
     思うんですけど
     ゲームの大事な場面で欠かせないような、
     試合の“スパイス”になるような
     選手だと思いますね」


 活躍が続けば
 いずれNPB入りの可能性もあるでしょう。

 

 ★第2位 元・阪神の守護神
      日・米・韓で通算400セーブ達成

 2014年、15年に阪神で通算80セーブを記録し
 メジャーリーグを経て
 昨季途中、韓国に復帰した、
 オ・スンファン(呉昇桓)投手(37歳/サムスン・ライオンズ)
 6月16日、日米韓通算400セーブを達成。

岩本 「“石直球”ですよね」

 ※ セーブの日本記録は
   元中日・岩瀬仁紀投手の407

 室井さんは、オ・スンファン投手が
 37歳(今月15日で38歳)という年齢を感じさせずに
 球の力をキープしている点に注目。

室井 「キャッチボールしていても
     一切、山なりにならないんですよね。
     三塁のベースの前で守備練習をして
     一塁に投げる球も一直線!」


岩本 「“石直球”は打者発信らしく
     バットにボールが当たった時
     石のように重たいんだって。
     ズドン!と」


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 ★第1位 新たな日本キラーになりそうな
      サウスポー 登場

 これまでの国際大会では
 ク・デソン(2000年 シドニー五輪)
 キム・グァンヒョン(2008年 北京五輪)
 ポン・ジュングン(2009年 WBC) といった左腕投手が
 日本の前に立ちふさがりましたが
 韓国の新たなサウスポーエースとして
 期待を寄せられているのが
 ク・チャンモ投手(23歳/NCダイノス)です。

 2017年に開催された、24歳以下を中心とした
 「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で
 初めて代表入り。

 初球、バッターの手が届きにくいところに
 直球でストライクを取り、
 その後、
 ストライクゾーンからボールになるような
 カーブ・スライダーで空振りを取れる投手。

室井 「今、侍ジャパンと対戦させたいな、と
     魅力のあるピッチャーですね」


 侍ジャパン・稲場監督が去年9月、
 韓国を視察した際に
 「プレミア12」で代表入りするか
 注視したことも話題になりました。

室井 「昨年よりもさらに
     グレードアップしているので
     今の状態を稲場監督が見たら
     どう思うのか、聞いてみたいですね」


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  サスペンデッドゲーム実現

 注目トピックス ベスト3以外の話題は
 35年ぶりにKBOリーグ最多連敗記録に並んだ
 ハンファ・イーグルス18連敗や、
 開幕の遅れに伴い
 過密日程を避けるために立てられた施策の一つ
 「特別サスペンデッドゲーム」の実現などを
 ご紹介いただきました。

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 ハンファ・イーグルスの
 連敗ワースト記録がかかった
 6月13日のトゥサン・ベアーズ戦は
 試合中に雨が降り続け
 3回裏ノーアウトの場面で
 「サスペンデッドゲーム」となりました。

 従来のように「ノーゲーム」にはせず
 ゲームは翌日、中断した時点から再開
 (5回まで進み試合が成立した場合はコールドゲームで試合終了)

 イーグルス対ベアーズは
 翌日も同一カードが予定されていたため
 再開したゲームと合わせて
 ダブルヘッダーが実施されました。

 なお、再開された試合は
 イーグルスがサヨナラ勝ちを収めて
 2日がかりでの連敗ストップを果たし
 記録更新を免れています。

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  室井昌也さんの最新著書

 『韓国プロ野球観戦ガイド
         &選手名鑑2020』
  (論創社/1,550円+税/2020年6月発売)
  (詳しくは こちら

 韓国プロ野球の最新情報は
 室井昌也さんが配信している
 Yahoo!ニュース(個人コーナー)や
 室井さんが手掛けている
 韓国プロ野球応援サイト「ストライク・ゾーン」
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 室井昌也さんの過去のご出演
 ・2020年05月18日

 

投稿者 文化放送スポーツ部 : 18:30