2007年01月16日
それでもボクはやってない

(c)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝
これまで学生相撲や修行僧、そして社交ダンスと、独自の視点と切り口でエンタテインメント作品を発表してきた周防正行監督が、11年ぶりの映画に選んだテーマは、“裁判”。
それも、深刻な社会問題となっている“痴漢冤罪事件”。
100%社会派ドラマなので、これまでのような笑いの部分は全くありません。痴漢に間違えられたひとりの青年の裁判を通して、日本の刑事裁判制度の問題点を明らかにしていくのですが、裁くのも裁かれるのも人間であるというこわさを実感します。
旬の俳優加瀬亮のリアルな演技、役所広司の巧さで、最後まで緊張感あふれる展開です。(Neriのおすすめ)
それでもボクはやってない
1月20日よりシャンテ・シネほかほかにてロードショー
監督:周防正行
出演:加瀬亮、瀬戸朝香、役所広司
配給:東宝
公式サイト:http://www.soreboku.jp
(c)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝
2007年01月08日
金田一耕助の冒険
今やTVに映画に文庫本ベストセラーと、押しも押されぬ人気スターとなった、名探偵・金田一耕助と、その良き相棒・等々力警部。もじゃもじゃ頭に着物、袴の金田一は古き良き犯罪捜査を夢みるロマンチスト。等々力はそんな金田一をもてあましながらも、しぶしぶと付き合ったりしている毎日でした。
今日もスケジュールの合間をぬって二人そろってCFに出演することになり、カメラの前で何とかポーズをつけようと必死になります。ところが旧式カメラに仕組んであった爆弾が大爆発!
誰かが金田一&等々力の名コンビの命を狙おうとしているのでした。
ギャグやパロディをふんだんに盛り込み、当時の文化や風俗を感じることができることも楽しみのひとつ。(杉山亮一さんのおすすめ)
金田一耕助の冒険 1979年
監督:大林宣彦
出演:古谷一行 田中邦衛 仲谷昇 吉田日出子
DVD発売中 価格:4,935円 (税込)
販売元:角川エンタテインメント
「日本以外全部沈没」DVD
この夏に本家「日本沈没」に続いて公開されたパロディ小説の映画化作品。
単館レイトショーで大ヒットしてロングラン、一部の劇場では昼間も上映されるなど話題になりました。
この番組では村野武範さんをゲストにお迎えしたり、さんざん紹介してきたので、あらためて内容はご紹介しませんが、早くもDVDがリリースされました。
この特典のコメンタリーがめちゃめちゃ面白いのです。河崎実監督と村野武範さんが、全編喋っていて、撮影裏話や村野さんについてなど、とにかく二人のトークに笑っちゃいます。河崎監督の、細部にわたるこだわりにも唸るばかり。
この他にも、お遊び精神満開のおまけがついています。
映画を見た方はもちろん、まだ見ていない方にもぜひお薦めです。(Neriのおすすめ)
監督:河崎実
出演:小橋賢児 柏原収史 藤岡弘 村野武範
1月1日発売 4,935円 (税込)
販売元:角川エンタテインメント
公式サイト:http://www.all-chinbotsu.com/
2006年12月30日
大奥

(C)2006フジテレビジョン 東映 FNS27社 東映ビデオ
時は七代将軍・家継の時代。大奥では、先代将軍の正室・天英院と、将軍の生母・月光院の間で熾烈な女の闘いが繰り広げられていました。
若くして大奥一の実力者となった絵島は、月光院の信頼が厚かった分、天英院派の不満の矛先となります。そんな折、天英院に、月光院と家継の後見人・間部詮房の許されぬ恋の噂が届きます。 この機を逃さない天英院は、間部を忌み嫌う老中らと結託し、ある策略を巡らそうとするのでした・・・。
寺社詣の帰りに寄った歌舞伎観劇で、生島新五郎という看板役者に出会う絵島。大奥という女の園一筋で、男を知らずに生きてきた絵島は、忽ち生島に魅了されてしまいます。
激しく燃え上がる恋の炎、そして禁断のハーレム=大奥に渦巻く、女同士の壮絶な情念と意地のぶつかり合い。物語は、激しく、狂おしく、愛おしく、劇的な結末に向けて走り出します。
華やかな大奥絵巻、お正月にぴったりです。(松本志代里さんのおすすめ)
大奥
12月23日より全国東映系にてロードショー
監督:林徹
出演: 仲間由紀恵 井川遥 西島秀俊 及川光博
配給:東映
公式サイト:http://www.oh-oku-movie.jp/
クレージーキャッツ 大作戦ボックス

クレージーキャッツの人気「作戦」シリーズのBOX第2弾。『無責任遊侠伝』『クレージー大作戦』『クレージーだよ天下無敵』の3作品を収録しています。
クレージーキャッツの数々の作品は、昭和のあの当時にしては、たいへんソフィストケートされた映画でした。それというのも、先日亡くなった青島幸男が大きく関わっていたからです。軽妙な歌と明るいギャグ…そう、下ネタは一切なく、品位のあふれるコメディで、めちゃめちゃ面白いのです。
この他にも「日本一ボックス」「無責任ボックス」「時代劇ボックス」などがありますが、どれもお薦め。
クレージーキャッツなんて知らない、という世代の方にもぜひ見ていただきたいですね。(Neriのおすすめ)
クレージーキャッツ 大作戦ボックス
発売中
■価 格:12000円(税抜)12600円(税込)
■発売元:東宝
■販売元:東宝
公式サイト:http://www.toho-a-park.com/video/new/crazy/d-index4.html
2006年12月15日
酒井家のしあわせ

伊賀上野に済む酒井家は、両親と地陽南・長女の4人家族。一見普通の家庭ですが、長男は妻の連れ子、二人の子供は異父兄妹ということになります。
中学生の長男は、年頃のせいもあり、そんな家族をちょっとうざいと感じていました。
そんなある日、突然父が家出。理由は好きな男ができたからだという…。
淡々と綴られる日常、そこで右往左往する家族を、暖かい視点で描いています。
ユースケ・サンタマリアの飄々とした味と友近の演技力が、絶妙のバランス。
少年の微妙な心情も無理なく表現し、ほどよい涙とほどよい笑い、この感覚は新人監督にしては見事!
決して100%明るい結末ではないにもかかわらず、爽やかな後味に仕上げて、家族の絆を再認識させてくれます。(松本志代里さんのおすすめ)
酒井家のしあわせ
12月23日より渋谷アミューズCQN他全国ロードショー
監督:呉美保
出演:ユースケ・サンタマリア 友近 森田直幸
配給:ビターズエンド
公式サイト:http://www.sakaike.jp/
2006年12月04日
赤い鯨と白い蛇

テレビの名ディレクターとして数々の名作ドラマを世に送り出してきたせんぼんよしこ監督が、齢70を超えて映画に初挑戦し、世代も生きかたもまるで異なる女性たちの出会いと別れを、深い慈しみを込めて描く作品です。
海辺の町の、古い茅葺きの家に集った五世代の女性たちは、2泊3日という短い中でそこで互いの人生を交差させながら、自分の胸の中の本当の想いを、いま一度見つめ直していきます。
そのかけがえのない出会いにより、彼女たちは再び未来に目を向けるようになるのでした。
静かで、大事なことがいっぱい詰まっている映画で、自分を殺して生きて行かなければならなかった戦争という時代へのメッセージも含まれています。
舞台となる古い民家がとても味わいがあり、それを見るだけでも心がいやされるます。(松本志代里さんのおすすめ)
赤い鯨と白い蛇
11月25日より岩波ホールにて公開中
監督:せんぼんよしこ
出演:香川京子 浅田美代子 宮地真緒 坂野真理 樹木希林
配給:東北新社
公式サイト:http://www.asproject.jp/
2006年11月24日
気球クラブ、その後

“気球クラブ・うわの空”。このサークルには、本当に気球が好きな人、寂しさを紛らわしたい人、恋愛や友情を求める人・・、さまざまな想いを抱いた若者たちが集っていた。5年後――。ガールフレンドのみどり(川村ゆきえ)と微妙な関係を続けている二郎(深水元基)のもとに、かつての仲間から1本の電話が入る。村上(長谷川朝晴)の突然の事故。そして、このことをきっかけにバラバラになっていたメンバーが再び集まり、村上を偲んで大宴会が行われることになった。
だが彼らは気付いていた。これが最後の、一夜限りのバカ騒ぎだということに。そして二郎はそこで、美津子の村上への深い想いを初めて知ることになる・・・。
園子温監督が、自分の気球を整理するために作ったという、さわやかな青春映画。こんなものを作ってしまいました…というところを、ぜひ見てください。(今週のおすすめ 茂田井美香)
気球クラブ、その後
監督:園子温
出演:深水元基 川村ゆきえ 長谷川朝晴 永作博美
エム・エフボックス
http://kikyuclub.com/
暗いところで待ち合わせ

乙一原作の映画化で、主演は田中麗奈と2度目の共演となる台湾の陳柏霖(チェン・ボーリン)です。
只一人の家族である父親を突然失ったヒロインは、目が不自由ということもあり、ますます家に引きこもりがちになります。
そんな彼女の家に、ある日殺人の疑いをかけられた青年が忍び込み、音をたてずに身を隠していました。
心の隙間を埋め合うようにしだいに近づく二人でしたが、予期せぬ危険が忍び寄ってくるのでした。
孤独な二人の心が通い合うのと平行して、事件の影が大きくなってくるサスペンスが、とてもよく練られた脚本で展開します。
陳柏霖(チェン・ボーリン)はこれが初の純日本映画の主役で、終盤の長台詞も日本語できちんと喋っています。金城武のようにはいきませんが、役の心はしっかりと伝わる演技で、成長ぶりが見られました。
全盲の役の田中麗奈も、心を閉ざしたヒロインが一人の青年によって徐々に開放されていく過程を丁寧に演じています。(今週のおすすめ Neri)
11月25日よりシネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋他全国公開
監督:天願大介
出演:田中麗奈 陳柏霖(チェン・ボーリン) 宮地真緒 井川遥
配給:ファントム・フィルム
http://www.kuraitokorode.com/index.html
2006年11月17日
アジアンタムブルー

アダルト雑誌の編集者と新進女性カメラマンの、泣けるラブストーリーです。
仕事にも行き詰まり、友人の妻と不倫を重ねる主人公(阿部寛)が、瑞々しい新進女性カメラマンと出会い、紆余曲折の末、心の渇きを癒される彼女と新しい生活を始めます。
しかし、その幸せな日々に、彼女の末期がんという悲劇がおそいかかります。
残りわずかな恋人のいのち。主人公は仕事を辞め、彼女が行きたいというニースの柔らかな光のなかで過ごそうと決めるのでした。
“アジアンタム”とはシダ科の観葉植物。涼しげにハート型の葉を揺らすその姿は若い女性に人気ですが、枯れはじめると手の施しようがない、そんな繊細さを持っています。その状態は“アジアンタムブルー”と呼ばれますが、ごくまれにその“憂鬱”を抜けだし、再び青々とした葉を茂らせることがあるという。
悲劇的な状況を抜け出し、ひたむきに愛を奉仕しあう“大人の恋愛物語”のタイトルとして、こんな意味がこめられています。(今週のおすすめ Neri)
11月18日より[恵比寿ガーデンシネマ]ほかにてロードショー
監督: 藤田明二
出演:阿部寛 松下奈緒 小島聖 佐々木蔵之介
配給:角川ヘラルド映画
http://kadokawa-herald.co.jp/official/adiantumblue/
2006年11月12日
ハザード

平凡な学生生活を送っていた主人公は、大学の図書館「地球の危険な歩き方」というニューヨークの犯罪都市「HAZARD」について書かれた本を目にします。
その本を手にHAZARDへ飛び、自ら危険を求め、さまよい歩き、仲間と出会います。
彼らとの日々は刺激的で危険に満ち、憧れていた狂気と隣り合わせの世界でしたが、現実はそう簡単に彼を受け入れてはくれないのでした。
主演は人気実力とも今最も注目を集める俳優オダギリジョー。
脇を固めるのは、 園監督の待機作「気球クラブ、その後」で主演を務める若手注目俳優の深水元基、個性派俳優としてCMや映画で活躍を続けるジェイ・ウエスト、演技力と存在感が高く評価される実力派俳優池内博之。
全編ニューヨークにて撮影され、ブルックリンやハーレム地区ではゲリラロケを敢行しています。
手持ちカメラの使用、1シーン1カットの多用により、緊張感とスピード感のあるドキュメンタリータッチの映像を実現。
各国の映画祭で賞賛された本年度公開作「紀子の食卓」を手掛けた鬼才・園子温監督の衝撃の問題作です。(今週のおすすめ 茂田井美香)
11月11日よりシアターN渋谷にて公開
監督:園子温
出演:オダギリジョー ジェィ・ウエスト 深水元基 池内博之
配給:アンプラグド
http://www.hazardmovie.com/
2006年11月03日
手紙

(C)2006『手紙』製作委員会
最近は泣ける映画のブームですが、東野圭吾の原作のこの作品にも泣かされました。
弟と二人暮らしで、生活の為、弟を大学へ進学させる為に盗みに入り、強盗殺人の罪で服役している兄。
兄と弟はひんぱんに手紙のやりとりをしていましたが、兄の罪によって職場も恋人も、そして自分の夢まで諦めざるを得なかった弟は、自分の為の罪とはいえ、ようやくつかんだささやかな幸せの為、兄を捨てることを決意しました。
人と関わらず社会の片隅で生きていこうとしますが、恋をし、お笑い芸人を目指し、そして差別と偏見にさらされ、苦難の道を歩む弟役を山田孝之が熱演。
陰になり日向になり、彼を支える沢尻エリカ、そして出番は少ないものの印象的な演技でみせる玉山鉄二と、若手俳優のバランスがとても良いです。
表面的な悲劇ではなく、人間の深層を深く描き、そして“生きていくこと”の意味を鋭く衝いた感動作です。
(今週のおすすめ Neri)
監督:生野慈朗
出演:山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ
11月3日よりサロンパス ルーブル丸の内 ほか全国松竹・東急系にてロードショー
配給:ギャガ・コミニュケーションズ
http://www.tegami-movie.jp/
2006年10月31日
武士の一分
山田洋次監督による、藤沢周平時代劇映画三部作の完結編、真田広之、永瀬正敏に続く主人公は木村拓哉です。
下級武士の主人公は、妻との平穏な暮らしに満足しつつも、毒見役という仕事が嫌でたまりませんでした。
ある日、毒により失明しましたが、藩主の温情で生活は変わらないことになったのですが、妻の行動に疑惑がおきます。
それぞれの「一分」をまっとうする潔さと、夫婦愛をバランスよく描いた感動作です。
木村拓哉は庄内弁で下級武士の悲喜こもごもを好演、剣道の心得があるだけに殺陣も美しいです。妻役の檀れいも気品に満ち、その健気さに涙腺が緩みます。
今回悪役の坂東三津五郎、さすがの巧さと存在感で、少ない出番ながら作品を締めます。笹野高史は相変わらずのいい味を出していました。(今週のおすすめ 細川朋子)
監督:山田洋次
出演:木村拓哉 檀れい 坂東三津五郎 笹野高史 桃井かおり 緒形拳
12月1日より全国ロードショー
配給:松竹
http://www.ichibun.jp/
2006年10月20日
フラガール

昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていました。
そんな町を救うため、この北国に“楽園ハワイ”を作り上げるという起死回生の一大プロジェクトが持ち上がります。目玉はフラダンスショー。
盆踊りしか知らない炭鉱娘にフラダンスを教えるため、東京からダンス教師が呼び寄せられました。元花形ダンサーで気位の高いその女性は、最初は炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿にしますが、やがて少女たちのひたむきな熱意に、忘れかけていた情熱を再燃させるのでした。
常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡の実話です。(今週のおすすめ 細川朋子)
監督:李相日
出演:松雪泰子 豊川悦司 蒼井優 山崎静代 岸部一徳 富司純子
Bunkamura ル・シネマ にてロードショーにてロードショー中
配給:シネカノン
http://www.hula-girl.jp/
2006年10月01日
13の月

俳優、そしてモデルとしても活躍する池内博之が初めて映画監督に挑戦した作品です。
脳腫瘍により余命3ヶ月を告知され、故郷の小さな町に戻ってきた吉岡佑(柏原崇)。そこで、12年前に思いを寄せていた唯子(大塚寧々)が結婚することを聞かされます。
かつて、唯子は吉岡の先輩の恋人でしたが、その目を盗んで関係を持っていました。しかし、そのことを知った恋人は怒りの余り車で暴走、彼は事故死、唯子は自己の後遺症と悔恨で心の病に冒されることになります。
お互いへの思いを残しながら再開した二人は…。
池内博之の体験をもとに作られたというこの作品、思いを残しつつ、それを言い出せない二人の微妙な心模様を丁寧に描いていて、新人監督ながらかなり健闘しています。
演技力では弟の方が一歩リードしていると思っていた柏原崇ですが、今回は押さえた中にもあふれ出てくる感情のバランスが秀逸です。
大塚寧々も、たおやかさの中にきりりとした強さを秘めたヒロインを好演、ミッキー・カーチスが持ち味を生かしたいいキャラで脇を締めています。
13の月
9月30日よりシネマート六本木にてロードショー
監督:池内博之
出演:柏原崇 大塚寧々 津田寛治
配給:シネマパラダイス
公式サイト:http://cinemaparadise.co.jp/jusannotsuki/
2006年09月23日
風のダドゥ

不登校を続ける歩美は、孤独に耐えきれずに家を飛び出し、阿蘇山で自殺を図ります。
意識を失い倒れていた彼女を見つけた装蹄師の桜田は、自分が働く「阿蘇ふれあい牧場」へと歩美を連れて帰りました。
牧場では、かつて競馬界で名調教師として名を馳せた男とその家族、こころに傷を負った元高校教師、失声症を患う少年が暮らしていました。
一命を取り留めた歩美は、そこで生活するうちに阿蘇の雄大な自然やの誠実な人々にふれ、元競走馬メイワジョニーとの出会いを通して、次第に心を開いていきます。
そんな矢先、桜田の死の知らせが入り、生きる希望を見失った彼女に、再び生きる力を与えたものとは…。
阿蘇の雄大な大自然の素晴らしさ、あたたかい人の心、そしてテーマとなっているアニマルセラピー・・・本当に癒される作品です。
風のダドゥ
9月23日よりキネカ大森にてロードショー!
監督:中田新一
出演:木村文乃 榎木孝明 萬田久子
配給:角川ヘラルド映画
2006年09月15日
シュガー&スパイス 風味絶佳
山田詠美の小説「風味絶佳」の映画化です。
基地の街・東京―福生、高校卒業を間近の主人公は、大学進学に意味を感じることができずに、自由奔放に生きる祖母の応援が功を奏して、両親の反対を押し切ってガソリンスタンドに就職します。
そして、アルバイトで入って来た女子大生に憧れ、次第に親しくなっていきます。壊れそうな恋に悩む彼女は、彼の優しさに安らぎを見つけ、新しい恋が始まったのすが・・・。
「女の子はね―――シュガー&スパイス。優しいだけじゃ駄目なんだよ。」戸惑い、傷つき、恋によって成長していく主人公を柳楽優弥が好演。
70歳で孫に近いボーイフレンドを持つ祖母役の夏木マリは、ちょっとオーバーアクションなのが気になるところ。若いボーイフレンド役も、陳柏霖(チェン・ボーリン)である必要があったのか、疑問が残ります。
全体にはさわやかな青春映画として楽しめたのは、やはり柳楽優弥という素材の魅力でしょう。
シュガー&スパイス ?風味絶佳?
9月16日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー
監督:中江功
出演:柳楽優弥 沢尻エリカ 夏木マリ 陳柏霖(チェン・ボーリン)
配給:東宝
http://www.sugarandspice.jp/
2006年08月18日
日本以外全部沈没

(c)2006 映画「日本以外全部沈没」製作委員会
小松左京原作の「日本沈没」のパロディ小説を映画化」したもので、著者は筒井康隆。
この二作は同じ年に出版されて、それぞれ受賞するという珍しい現象が起きました。
今回の映画化は、もちろん本家の「日本沈没」31年ぶりのリメイクにあやかったもので、当時の主役を演じた藤岡弘と、テレビシリーズの主演村野武範が重要な役で出演しているところが、まず凄い。
この二人のベテランと、小橋賢児、柏原収史ら若手の演技のバランスが面白く、ある種のチープさがたまりません。
このご時勢に、人を喰ったような筒井康隆のパロディ精神と毒が見事に生かされています。
村野さん演じる首相が踊る「日本音頭」は必見です。(今週のおすすめ Neri)
日本以外全部沈没
9月2日よりシネセゾン渋谷にてレイトショーほか全国順次公開
監督:河崎実
出演:小橋賢児 柏原収史 松尾政寿 村野武範 藤岡弘
配給:クロックワークス+トルネード・フィルム
http://www.all-chinbotsu.com/
2006年08月11日
紙屋悦子の青春

黒木和雄監督の遺作になってしまった、戦争三部作の最後の作品です。
終戦間近の鹿児島で、両親を東京大空襲で亡くし、兄夫婦とつつましく暮らすヒロインに縁談が持ち上がります。
相手は、密かに心を寄せる兄の後輩が紹介する同僚ということで、複雑な思いを抱きつつも会うことに。朴訥で善良な青年に好感を持ち、彼の気持ちを受け入れると決めた時、思う人が出撃のあいさつに来るのでした。
原作の戯曲を生かして、役者の演技力が試される作りですが、永瀬正敏、小林薫という巧い役者の中で、本上まなみのがんばりにびっくり。ヒロイン原田知世の演技の成熟ぶりも、見ごたえあります。
シンプルすぎるストーリーに、ほとんどが茶の間でのやりとり。動きの少ないシーンで、時に笑わせ、泣かせるダイアローグといい構成といい、とても練られた良い脚本で、静かな反戦を演出する黒木監督の意志が、感動となって伝わってきます。(今週のおすすめ Neri)
紙屋悦子の青春
8月12日より岩波ホールほか全国順次ロードショー
監督:黒木和雄
出演:原田知世 永瀬正敏 小林薫 本上まなみ
配給:パル企画
公式サイト:http://www.michael-movie.com/
投稿者 neri : 18:19
2006年07月17日
笑う大天使

(c)2005Michael Partners
伝説の少女漫画の映画化です。
突然母の死で、17年間生き別れになっていた兄と一緒に暮らすことになった主人公は、名門のお嬢様学校に通うことになります。
慣れない言葉遣いや行動にとまどいながら過ごすうち、同じような庶民派を発見。思いっきり猫をかぶりながらお嬢様を演じて楽しむ3人は、名門令嬢ばかりを狙う誘拐事件に遭遇します。
彼女たちは、それぞれの特技でこの事件に立ち向かうのですが…。
「スウィングガールズ」「亀は意外と早く泳ぐ」などでグングン成長している上野樹里が、またまたスマッシュ・ヒット!ほんわかした雰囲気を保ちつつ、見事なアクションを見せてくれます。このアクションは谷垣健治がつけているので、なかなかのチャリエンぶり。
そして、優雅な兄役は、今年の日本映画はこの人!伊勢谷友介です。暖かさと柔らかさにちよっとトボケた味もうまく出して、お見事。
ファンタジー、笑い、アクションのバランスが良く、映像も面白い。もちろん脚本も無理がなくて、独特の雰囲気を出しています。(今週のおすすめ Neri)
笑う大天使
監督:小田一生
出演:上野樹里 関めぐみ 平愛梨 伊勢谷友介
7月15日よりシネ・アミューズ、シネ・リーブル池袋にてロードショー
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:http://www.michael-movie.com/
投稿者 neri : 00:59
日本沈没

(C)2006 映画「日本沈没」製作委員会
小松左京のベストセラーを、33年ぶりにリメイク。
日本海溝近辺の大規模な地殻変動により、日本列島のほとんどが海中に沈没するという驚愕の予測が下ります。
各地の火山が噴火、大地震が次々と起こる中、政府は諸外国に日本人受け入れの要請と同時に、沈没を最小限に食い止める為のプロジェクトを立ち上げます。
そんな中で潜水艇のパイロットと女性レスキュー隊員が、使命と恋との間で揺れ動きます。
極限の中での愛と信頼、勇気を真正面から描いて、草なぎ剛と柴咲コウが好演。
危機管理担当大臣を演じる大地真央の表情が乏しく、演技の質がやや浮いていました。宝塚の男役出身女優としては、「踊る大捜査線」で見事に個性を生かした真矢みきが圧勝。
しかし、監督は樋口真嗣ですから、CGや特殊技術は安心して見ていられますね。
日本沈没
7月15日より有楽座系ほか全国東宝系にて公開
監督:樋口真嗣
出演:草なぎ剛 柴咲コウ 及川光博 豊川悦司 大地真央
配給:東宝
公式サイト:http://www.nc06.jp/
投稿者 neri : 00:55
2006年07月08日
ゆれる

(C)2006『ゆれる』製作委員会
カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された、西川美和監督の第二作です。
東京で写真家として活躍する主人公は、母の一周忌の為に実家に帰ります。
家業のガソリンスタンドで働く兄は、父との折り合いの悪い弟を何かと気遣い、久々に帰った弟を幼なじみと一緒に懐かしい渓谷へ誘います。
この幼なじみに心を寄せる兄でしたが、肝心の彼女は弟に気があり、兄の気持ちを受け入れようとしません。一人河原へ降りた主人公は、吊り橋から彼女が落下するのを目撃し、衝撃を受けます。
事故から事件へと様相を変えていく幼なじみの死に、兄と弟の複雑な感情がからみ、見ている方も迷宮の奥深くへと連れ込まれていきます。
いゃぁ、深いです。信頼と裏切りは紙一重、絆が強いほどそこに生まれる感情は不安定な逡巡を繰り返すのかも知れません。
香川照之の巧さ、オダギリジョーの存在感が、奥深い心理ドラマを最後まで引っ張ります。
ゆれる
7月8日より渋谷アミューズCQN、新宿 武蔵野館ほか全国にてロードショー
監督:西川美和
出演:オダギリジョー 香川照之 伊武雅刀 新井浩文 真木よう子
配給:シネカノン
公式サイト:http://www.yureru.com/splash.html
投稿者 neri : 01:00
2006年06月09日
やわらかい生活

芥川賞作家、絲山秋子の原作の映画化です。
一流大学卒から大手企業の総合職と、キャリア街道を突き進んできた主人公ですが、両親と親友の突然の死をきっかけに、うつ病になってしまいます。
仕事をやめ、出会い系サイトで知り合った趣味の良い痴漢やうつ病のやくざ、元同級生でEDの議員、そして再会した訳ありのいとこたちとのふれあいで、少しずつ心が解けていくのでしたが…。
30代の都会に住む女性の孤独と不安を、これ以上の適役はないというくらいの寺島しのぶが、リアルに演じています。
豊川悦司のたまらないやさしさ、こんな役を!の妻夫木聡など、ヒロインをとりまくキャストも魅力的。
「ヴァイブレータ」の監督・脚本・主演が再び顔を揃えていますが、このトリオ、素晴らしいですね。廣木隆一にしても荒井晴彦にしても、なんて女性を描くのが旨いのでしょうか。
廣木隆一監督の、細かいところまでにこだわりを感じるディティール作り、同世代はもちろん、多くの女性たちが等身大に思えるヒロイン像の作り方は、演出・演技共に見事です。
昔から荒井晴彦は大好きですが、いつまでも枯れないですねぇ。それがうれしい。(^o^)
20才以上の女子必見、そして、男子にもぜひ見ていただきたいですね。(Neri)
やわらかい生活
6月10日より渋谷シネ・アミューズ 新宿K's cinema キネカ大森 にて 全国順次ロードショー
監督:廣木隆一
出演:寺島しのぶ 豊川悦司 松岡俊介 田口トモロヲ 妻夫木聡
配給:松竹
公式サイト:http://www.yawarakai-seikatsu.com/
(C)「やわらかい生活製作委員会」
投稿者 neri : 14:16
2006年05月26日
嫌われ松子の一生

「下妻物語」の中島哲也監督の最新作です。なので、期待度は高い、高い。
そして、見事に応えてくれた面白い作品です。
夢見る少女が教師から風俗嬢に転落、ヒモを殺して入獄し哀れな末路をたどるという、悲惨な人生の主人公。いくつかのターニングポイントで“明らかに違うだろう”という選択も、ただ、全力で人を愛し、傷つき、ひたむきに生きたというだけなのだろうと、納得させられてしまいます。
独特のユーモアが悲運の中で不思議なバランスをとり、見ている者の色々な感情を刺激させられます。
音楽、CG、アニメ、様々な手法を駆使しての中島哲也の表現は、ポップで魅力たっぷり。美術も素敵。
中谷美紀は、主演女優賞ものの熱演。ほかに誰ができる?と思わせる見事な演技です。
そして、彼女が生涯をかけて愛したダメ男の伊勢谷友介は、出演作の数といい、多彩な役柄といい、今、オダギリジョーと並ぶ日本映画の若手代表ですね。
回りを固める香川照之、市川実日子、黒沢あすか、柄本明というキャスティングも素晴らしく、狂言回しの役どころの瑛太が、いい味を出しています。(Neri)
嫌われ松子の一生
5月27日より全国東宝洋画系ロードショー
監督:中島哲也
出演:中谷美紀 瑛太 伊勢谷友介 香川照之 市川実日子
配給:東宝
公式サイト:http://kiraware.goo.ne.jp
(C)2006 「嫌われ松子の一生」製作委員会
投稿者 neri : 15:21
2006年05月19日
雪に願うこと

昨年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した、感動作です。
東京で事業に失敗した男が、ふるさとの北海道に戻り、兄を訪ねます。長い間音信不通だった不義理な弟に、兄は自分のばんえい競馬の厩舎で働くよう、仕事着を与えるのでした。
担当するようになった馬や厩舎の仲間、若い女性騎手とのふれあいの中で、主人公は兄との葛藤も次第に溶けていき、再生への決意を固めるようになります。
役の大小にかかわらず、様々な作品に出演する伊勢谷友介は、オダギリジョーと同じく今の日本映画界の若手代表格。持てる個性と役の融合が見事ですね。
兄役の佐藤浩市は文句なしの巧さですし、小泉今日子の存在感も作品の重要なポイントになっています。
全てを包み込む大自然とばんえい競馬の力強さが、人の心を溶かし、そしてつなぐ…。根岸吉太郎の丁寧な演出は、心地よい感動をもたらしてくれました。(今週のおすすめ Neri)
雪に願うこと
2006年5月13日(土)全国東映系ロードショー
監督:根岸吉太郎
出演:佐藤浩市 伊勢谷友介 小泉今日子 吹石一恵 山崎努
配給:ビターズエンド
公式サイト:http://www.www.yukinega.com
(C)『雪に願うこと』フィルムパートナーズ
投稿者 neri : 23:45
2006年05月12日
明日の記憶 Asita no kioku

ハリウッドにも進出した渡辺謙が、原作に惚れ込んでプロデューサーもつとめた初主演映画です。
広告代理店でバリバリ働く主人公は、物忘れが増えて仕事にも支障を来すようになります。 病院で若年性アルツハイマー病という診断結果を受け、愕然。
葛藤の末に会社を辞め、妻の支えで病気と向かい合うのでしたが…。
近年増えてきたこの病気を扱った映画は、ほとんどが妻が病気になるパターンでしたが、これは働き盛りの夫ということで、かなりリアルに描かれています。
渡辺謙と樋口可南子が演じる苦闘の日々は、決して人ごとではないという現実感が迫ります。そして、助け合い、支え合う夫婦愛の尊さが熱く伝わって来ました。(今週のおすすめ Neri)
明日の記憶 Asita no kioku
2006年5月13日(土)全国東映系ロードショー
監督:堤幸彦
出演:渡辺謙 樋口可南子 坂口憲二 田辺誠一 袴田吉彦
配給:東映
公式サイト:http://www.ashitanokioku.jp
(C)2006「明日の記憶」製作委員会
投稿者 neri : 14:20
陽気なギャングが地球を回す

伊坂幸太郎の同名小説を映画化した、
他人の嘘がわかってしまう男と、正確に時を刻む体内時計を持つ女。口から生まれてきたようないい加減な理屈をこねる演説の達人と、生まれついての若き天才スリ師。この奇妙な能力をもつ4人の男女がチームを組み、明るく楽しい銀行強盗を続けています。
しかし、突如現れた別の強盗に現金を奪われてしまうというアクシデントに遭い、困惑する彼ら。はたして裏切り者は誰?
ラブストーリーを盛り込んだおしゃれな犯罪映画ということでしょうが、知恵比べ、どんでん返しというコンゲームの観点ではやや物足りなさを感じます。
ホールドアップの時に演説するキャラクターがおもしろく、佐藤浩市、さすがの演技力です。(Neri)
陽気なギャングが地球を回す
5月13日より池袋シネマサンシャイン他にてロードショー
監督:前田哲
出演:大沢たかお 鈴木京香 佐藤浩市 松田翔太 大倉孝二
配給:松竹
公式サイト:http://www.yo-gang.com/
投稿者 neri : 14:18
2006年05月05日
LIMIT OF LOVE 海猿

(C)2006 フジテレビジョン・ROBOT・ポニーキャニオン・東宝・小学館・FNS27社
昨年の第一作に続いてテレビシリーズでも大好評、そして再び舞台を劇場に移した「海猿」。
一作目にすでにタンカー事故の続編の予告編がついていたのですが、実際には大型フェリーの座礁。
遠距離恋愛で気持ちが不安定ながらも、なんとなく結婚しようかという雰囲気になっている主人公と恋人。そんな時に起こった大型フェリーの座礁事故、直ちに出動した主人公は偶然乗船していた恋人に再会を約束し、救助活動に向かいます。
そして主人公たち取り残された4人は、悪条件が重なり、もはや絶望か…。
「ポセイドンアドベンチャー」のような大型船事故ですが、パニック映画ではないので手に汗握る救出劇を期待しないほうがいいですね。もちろん、けっこうなハラハラ感はありますが、基本は、タイトルに「LIMIT OF LOVE」とあるように、極限状態での愛と信頼がテーマになっています。
伊藤英明は相変わらずかっこいいし、パニック担当の大塚寧々と吹越満もややステレオタイプではありますが、それぞれの個性が活かされています。
ゴールデンウィークの映画としては、十分楽しめます。(Neri)
LIMIT OF LOVE 海猿
5月6日より全国東宝邦画系ロードショー
監督:羽住英一郎
出演:伊藤英明 加藤あい 佐藤隆太 大塚寧々 吹越満 時任三郎
配給:東宝
公式サイト:http://www.umizaru.jp
投稿者 neri : 14:28
2006年04月21日
「東映監督シリーズDVD−BOX 加藤泰」

「瞼の母」「風の武士」「車夫遊侠伝 喧嘩辰」「明治侠客伝 三代目襲名」「沓掛時次郎 遊侠一匹」の5作品を収録されたDVD-BOX です。
雪の中に転がるみかんなどの果物にこめられた情と、ローアングルの構図で描く独特の世界。全共闘世代以降には、たまらない作品群ですね。
70年代初頭の“朝まで5本、オールナイト映画文化”が思い出されます。
今の若い人にも、ぜひ一度この加藤泰の美学を見て欲しいですね。
もちろん単品売りもありますので、詳しくはメーカーのHPをご覧下さい。
松竹編も出ないかなぁ…。(4/21今週のおすすめ作品)
「東映監督シリーズDVD−BOX 加藤泰」初回生産限定
4月21日(金)発売
5枚組/23,625円(税込)
投稿者 neri : 17:17